お嬢様とおぼっちゃま

夏目心 KOKORONATSUME

6 教育方針(脚本)

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〇立派な洋館
  数日後、夏休みの残り日数が2日となった日。
杉本健人「お兄ちゃん!お姉ちゃんありがとう!ここに来てもう凄く楽しかったよ!」
杉本健人「ご飯も美味しかったし、ゴミ拾いも楽しかったし、他にもいっぱいあるよ!」
佐々木冬弥「良かった・・・ここまで喜んで貰えて・・・」
結城まどか「本当、佐々木君に頼んで良かったわ・・・」
結城まどか「佐々木君、改めてありがとう・・・ダメ元で頼んだけど、今思えばちょっと度が過ぎてたかなって・・・」
佐々木冬弥「あはは、まぁ確かに今思えば強引なやり方だったね・・・」
佐々木冬弥「でも、正直やろうと思って良かったよ・・・本格的にやるんだったらもっと大変になるかもだけど・・・」
佐々木冬弥「本当良い経験になったよ!こちらこそありがとう!」
結城まどか「・・・!やっぱ佐々木君に頼んで良かったわ!」
結城まどか「只・・・」
佐々木冬弥「只?」
杉本母「健人!今帰ったわよ!」
佐々木冬弥「あれ?まさか・・・」
結城まどか「そうよ、健人のご両親、あたしらがやった事これから聞く訳だから・・・」
杉本健人「パパ!ママ!お帰り!」
杉本父「久し振りだな健人!結城家の人に良くして貰えたか?」
杉本健人「うん!色んな野菜食べて美味しかったし、料理も掃除も沢山やってさ!外でゴミ拾いもやったんだよ!」
「はぁ??」
杉本母「ま、待って?人参とかピーマンとか嫌がってたじゃ無い?」
杉本健人「うん!嫌いだったけど美味しかった!」
杉本父「お、おい!料理も掃除もお前がやったのか!?しかもゴミ拾いまで?」
杉本健人「うん!全部楽しかったよ!」
杉本母「ちょ!ちょっとちょっと!一体誰があなたにそんな事させたのよ!?」
杉本健人「え?冬弥お兄ちゃんとまどかお姉ちゃんだけど?」
杉本父「そ、そうか!健人、その2人を連れて来てくれないか?今直ぐにだ!」
杉本健人「え?あ、うん・・・」
  健人君は両親に言われて俺達を連れてく事となり、俺達は両親と対談する事に。
結城まどか「あ、どうも・・・」
杉本父「久し振りだねまどかちゃん・・・健人の世話をその彼としてくれたのだよね?」
佐々木冬弥「そ、そうですが?」
杉本父「まどかちゃん!君が着いていながら何をしていたんだ!?健人の嫌いな野菜を食べさせてたそうじゃ無いか!?」
結城まどか「えぇ!?な、何を言ってるんですか!?苦手な野菜は食べれる様にしなきゃ!」
杉本父「子供が嫌がる事をして何が保護者だ!子供は無傷で健やかにしてこそだろう!それを勝手に!」
杉本母「そうよ!子供の嫌がる事を強制して、明らかにパワハラじゃ無い!!」
杉本母「子供は親が守って当たり前なの!それを勝手に!!」
佐々木冬弥「・・・お、お言葉ですが、あんな傍若無人な態度を取らせ続けて本当に良いんですか?そんな事してたら、彼自身も」
佐々木冬弥「周囲からの信頼を無くします・・・外に出たら今の生活なんて通用しないのは誰の目にも見えてますし、」
佐々木冬弥「そもそもあなた方も、いつまで頑張っていられるんですか?いつまでも親に守られては・・・」
杉本母「子供が分かった口聞かないで!健人は私達の子供よ!健人の嫌がる事をするなら警察呼ぶわよ!」
杉本健人「ま、ママ・・・」
杉本母「健人!もう大丈夫よ!出張が終わった後、健人が欲しい物沢山買って上げたから!こんなどうしようも無い奴らなんか忘れて、」
杉本母「家に帰りましょう!」
結城孝四郎「やれやれ、随分と騒がしいと思ったら・・・」
結城まどか「あれ?お父様?いつの間に帰られて!?」
結城孝四郎「何、ちょっと立ち寄って見ただけだ・・・また直ぐ出る事になる・・・」
杉本母「あぁ!結城社長!聞いて下さい!この子達、私達の子供にパワハラしてたんですよ!あなたからも何とか言ってやって下さい!」
結城孝四郎「・・・確かにお灸を据えて置く必要がありますね・・・」
杉本母「でしょでしょ!だからこの子達に一言、」
結城孝四郎「えぇ、」
結城孝四郎「杉本氏、本日限りで、我が社との契約を全て打ち切りとさせて頂きます・・・」
杉本母「は、はぁ!?一体何を仰ってるんですか!?」
杉本健人「打ち切り?」
杉本父「ま、待って下さい!罰せられるべきは彼らの筈です!それなのに!!」
結城孝四郎「本気で仰られてますか?あなた方の教育には、前から疑問視してた事がありました・・・」
結城孝四郎「何を勘違いしたか知りませんが、叱らない教育と言うのは只甘やかす事ではありません・・・間違った事を」
結城孝四郎「怒らずにキチンと説明する事です・・・好き放題させて良いと言う訳では無い・・・」
結城孝四郎「欲しい物は何でも買え与えれば良いと言う訳では無い、我儘は全て聞けば良いと言う物でも無い・・・」
結城孝四郎「親の力に頼り切った子供に待ち受けるのは破滅しか無い・・・だから我々が導き、守る・・・」
杉本母「そ、そうよ!だから私達は健人をあらゆる危険から・・・」
結城孝四郎「だから、それが駄目なんですよ・・・」
杉本母「は?」
結城孝四郎「子供を失敗から遠ざけてはいつまで経っても成長しない・・・それがその子の当たり前になってしまえば本末転倒・・・」
結城孝四郎「傷付き、失敗し、敗北して、だから我々は前に進むんです・・・悔しいから悔しく無くする・・・」
結城孝四郎「それが、大人になると言う事です・・・」
杉本父「は、はぁ・・・」
杉本父「で、ですが我々もその大人として確り健人を守りたいと思ってます!だから!」
杉本健人「嫌だ!僕帰らない!」
杉本母「け、健人!何言ってるの!?」
杉本健人「お菓子ばっか食べてたら糖尿病になって足切られちゃうんだよ!僕そんな風になりたくないよ!!」
杉本健人「パパとママにずっと守って貰ってばっかじゃ、もう僕何も出来なくなっちゃうよ!!」
杉本父「健人、お前・・・」
結城孝四郎「これが健人君の答えです・・・杉本氏が今後とも内と取引がしたいのであれば、今一度教育方針を見直して頂きたい・・・」
結城孝四郎「それが出来ないのであれば・・・」
杉本父「わ、分かりました!一度考え直して見ます!だから!」
杉本母「ちょ!ちょっとあなた!本当にそれで良いの!?」
杉本父「悔しいが、結城社長との取引が打ち切られるのは内に取っても大きな損失になる・・・ここは一度引いて、」
杉本父「一度自分達を見直した方が良い・・・」
杉本母「・・・わ、分かったわ・・・結城社長、また少しの間、息子を頼みます・・・」
結城孝四郎「さて、後は彼ら次第か・・・」
結城まどか「お父様!ありがとうございました!お父様が来てくれなかったら、今頃どうなってたか!」
結城孝四郎「何、大した事では無いよ・・・私も、杉本氏の教育には疑念があったからね・・・」
杉本健人「あ、あの、おじさん・・・僕・・・」
結城孝四郎「あぁ、健人君、心配要らない・・・君のお父さん達は必ず君を迎えに来てくれる・・・」
杉本健人「僕、何もさせて貰えなくならない?」
結城孝四郎「あぁ、大丈夫だ・・・もしそうなっても我々が立ち会おう・・・必ず君の味方になろう・・・」
杉本健人「・・・良かった!」
結城孝四郎「だから大丈夫だ・・・さてと、」
佐々木冬弥「ん?どうかしましたか?」
結城孝四郎「君が冬弥君か、娘から聞いてるよ・・・学業とかでいつも娘に勝っているとね・・・」
佐々木冬弥「え?まぁ、そう見たいですね・・・」
結城まどか「お父様、彼は凄いのよ・・・学業であたしに勝つだけじゃ無くて、一人暮らしやバイトまでしてるのよ・・・」
結城孝四郎「その若さでここまでやるとは中々出来る事では無い・・・これからも、娘の良きライバルでいてくれたまえ・・・」
結城孝四郎「じゃあ、私は行くよ・・・続きはまた今度な・・・」
佐々木冬弥「何と言うか、威厳があると言うか・・・」
結城まどか「あぁ、どうせなら、ライバルじゃ無くて恋人だったら良かったんだけどなぁ・・・」
佐々木冬弥「あれ?どうしたの?」
結城まどか「え?いや!な、何でも無いわ!うん!」
杉本健人「ねぇ!お姉ちゃん、もうお兄ちゃんと付き合っちゃえば?」
結城まどか「ちょ!健人あなた何を言って!?」
杉本健人「えぇ?だってお姉ちゃん、お兄ちゃんがいない時凄くお兄ちゃんの事・・・」
結城まどか「も、もう!子供が誂ってるんじゃ無いわよ!そんなんじゃ無い!そんなんじゃ無いからね!!」
  結城さんの父が来てくれて事は解決した。結城さんがどこかアタフタしている見たいだったが、今は気にしないで置いた。

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