7 お嬢様の決心(脚本)
〇城の客室
翌日の夜。俺は明日の新学期に向けて自宅のアパートに戻り、結城さんはと言うと。
結城まどか「ふわぁ・・・」
結城まどか「夏休みも呆気なく終わっちゃったわね・・・昨日始まったばかりかと思ったら・・・」
杉本健人「あ、お姉ちゃんお帰り・・・」
結城まどか「ちょっと健人、まだ起きてたの?早く寝ないと寝坊するわよ?」
杉本健人「今から寝るから大丈夫だよ・・・それよりさ、何であのお兄ちゃんに告白しないの?」
結城まどか「は、はぁ!?健人、何言って!?」
杉本健人「僕知ってるよ?1人でいる時とかいつもお兄ちゃんの事喋っててさ・・・しかも凄く嬉しそうに・・・」
結城まどか「し、信じられない・・・このあたしとした事・・・」
杉本健人「ねぇ、何で告白しないの?今告白しなかったら、あのお兄ちゃん知らない人と仲良くなっちゃうかもよ?」
結城まどか「い、いや!そんな事は!」
杉本健人「えぇどうかな?冬弥お兄ちゃんはお姉ちゃんの事気付いて無い見たいだし・・・」
結城まどか「・・・・・・」
結城まどか「言いたい事は分かったから、早く寝なさい・・・」
杉本健人「はーい!」
結城まどか「・・・悔しいけど、あの子の言う事も一理あるわね・・・あたし・・・」
〇二階建てアパート
そして、夏休み明けの日。
佐々木冬弥「ふわぁ、今日から新学期か・・・」
佐々木冬弥「今思えば今年の夏休み楽しかったな・・・報酬はちょっと貰い過ぎた感あるけど、家賃とかは暫く大丈夫かな?」
佐々木冬弥「ん?」
結城まどか「あ、冬弥君お早う!」
佐々木冬弥「あれ?結城さんお早う・・・今日はどうしたの?」
結城まどか「あ、あのね、今日からあたしも歩いて行こうと思うのよ・・・」
佐々木冬弥「へぇ、どう言う風の吹き回し?」
結城まどか「何と無くよ・・・」
杉本健人「あ、お兄ちゃんお早う!」
佐々木冬弥「あ、健人君じゃん!お早う!」
杉本健人「ねぇお兄ちゃん!お姉ちゃんがお兄ちゃんに話したい事があるんだって!」
佐々木冬弥「え?結城さんが俺に?」
杉本健人「うん、実はさ・・・」
結城まどか「健人!余計な事を言わないで頂戴!」
杉本健人「えぇ、だって見てて焦れったいしさぁ・・・」
結城まどか「何事にも段取りって物があるのよ!セバスチャン、早く健人を送って頂戴!」
セバスチャン「畏まりました、健人おぼっちゃま、参りますよ?」
杉本健人「えぇ、これからが良い所なのに・・・」
セバスチャン「そう仰らずに、早くしないと課題が始まってしまいますよ?」
杉本健人「あ、うん・・・それは嫌だ・・・」
セバスチャン「はい、それでは行きましょう・・・」
佐々木冬弥「・・・何だったんだろう、今の・・・」
結城まどか「全く、あの子はあの子で何を見ているのやら・・・」
佐々木冬弥「まぁ、取り合えず俺達も行こう・・・ここにいてもね・・・」
結城まどか「え?あ!そうね!早く行きましょう!」
〇通学路
佐々木冬弥「あのさ結城さん・・・」
結城まどか「ん?どうしたの?」
佐々木冬弥「さっきから気になってたんだけど・・・」
佐々木冬弥「何で俺ら手を繋いで歩いてるの?」
結城まどか「え?それなら腕組みの方が良かった?」
佐々木冬弥「いやいや!一体どう言う風の吹き回し?」
結城まどか「何言ってるの?あたしお嬢様よ?あたしが逸れない様にするのは当たり前じゃ無い?」
佐々木冬弥「え?それなら尚更車使った方が・・・」
結城まどか「おっかしいなぁ・・・男はこう言うの好きだって言うけど・・・もしかして、冬弥君って女の子?」
結城まどか「あ、もしかして他に好きな人がいるとか?」
佐々木冬弥「ちょっとちょっとちょっと!俺は男だし、気になる女性とかいないからね!?」
結城まどか「あ、そうなの、良かった・・・」
佐々木冬弥「(え?いつもの結城さんとは何か違う気が・・・一体どうしたんだ?)」
佐々木冬弥「あ、そう言えばさ、健人君、これからどうなるの?」
結城まどか「健人?健人なら実家に戻る事になったわ・・・あの後ご両親が色々考え直してね、健人の教育やり直す事にした見たい・・・」
佐々木冬弥「・・・そうなんだ・・・今なら自分から甘えて堕落したりしそうに無いね・・・」
結城まどか「それは間違い無いわ・・・もう健人は本当に大事な事に気付けたし、後はあの人達に任せれば良いわ・・・」
佐々木冬弥「良かった!」
佐々木冬弥「それはそうとさ、手、離さない?歩き辛く無い?」
結城まどか「はぁ?あたしと手を繋ぐって凄くレアだと思うんだけど?」
佐々木冬弥「い、いやさぁ、誰かに見られたりしたら結城さんが嫌なんじゃ?」
結城まどか「へぇ、そう言うんだ・・・どうしてくれようかしら?」
佐々木冬弥「あ、あのさ、結城さん何か変だよ?何かあったの?」
結城まどか「あたし今日になるまで考えたのよ・・・このままで良いのかって・・・もしそれが本当に好きなら、全力出さなきゃって・・・」
佐々木冬弥「好きな事?全力?」
結城まどか「決まってるでしょ?あたしの夢、冬弥君に相応しくなる事だから・・・」
結城まどか「もうブッキラボウは卒業して、もっと素直になろうかなって・・・後、もうあたし君の事冬弥君って呼ぶからさ、」
結城まどか「あたしの事はまどかって呼んでね?」
佐々木冬弥「え?えぇ??えぇぇ???」
結城まどか「ほら、呼んで見てよ?」
佐々木冬弥「え、えっと・・・ま、まどか、さん?」
結城まどか「あ〜!!あたしの夢がまた一つ叶ったぁ!!」
佐々木冬弥「あ、あははは・・・」
健人君の問題を解決した後、まどかさんから唐突な告白を受けた俺は、これから待ち受けるであろう展開から逃げる術が無く、
只々困惑するのだった。まだまだ続く学校生活、そしてその後も、俺はまどかさんから容赦の無いアプローチを受けると思うと、
何だか気が気で無かったのだった。
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読了致しました。
冬弥君とまどかちゃんの作戦によって、自力で物事に取り組む事を健人君は学びましたね。
そしてまどかちゃんのお父さんが、健人君の両親に釘を刺したのも効果覿面。👍
末路系の結末を辿る可能性は低くなったでしょう。
まどかちゃんはその内ゲームや漫画の影響を強く受けて、冬弥君にあんな事やそんな事をしてしまいそうですね。😋