数多の事件(脚本)
〇怪しげな部屋
和泉玲「ここが君の部屋?」
小雀音羽「いいえ、私が勝手に使ってる倉庫よ」
壁一面に貼られた新聞や雑誌の切り抜き。
写真は糸で繋げられ、黒い紙に集中していた。
和泉玲「この黒い紙は?」
小雀音羽「全ての黒幕」
小雀音羽「ここに貼ってあるのは、おそらく同一犯の事件よ」
和泉玲「実行犯は捕まってるのか?」
小雀音羽「ええ、一応ね」
小雀音羽「でも、みんな──」
和泉玲「こんなことが出来るような人間じゃない、と」
小雀音羽「ええ」
小雀音羽「例えばこの女性。小池満さん」
〇廃墟の倉庫
都内の空き倉庫で遺体となって発見された。
第一発見者は彼女の同僚。倉庫で血塗れで倒れている彼女を発見した。
〇怪しげな部屋
和泉玲「犯人は見つかったんだろ?決め手は?」
小雀音羽「彼女の体から垂れていた、精子」
和泉玲「はぁ?!」
小雀音羽「どうやら暴行を受けたようね」
小雀音羽「犯人は中村雷。彼女のストーカーだった」
和泉玲「ストーカーか。じゃあ、振り向いてくれない彼女への逆ギレみたいなこともありそうだ」
小雀音羽「ただねこの人、こういった行為に抵抗があったのよ」
和泉玲「なんで?」
小雀音羽「崇拝していたの方が正しいのかもしれない」
小雀音羽「好きな人ほど汚したくないって考えを持っていたそうよ」
和泉玲「へー結構、純粋な人なんだな」
和泉玲「ん?待てよ、決めてはその・・・精子だったんだろ?」
小雀音羽「ええ」
和泉玲「じゃあ、ヤッたってことじゃねえか?」
小雀音羽「そう。警察もこれに引っかかったそうよ」
小雀音羽「何度、取り調べをしても「自分の意思です」の一点張り」
小雀音羽「まあ、自白してるならそれ以上の証拠はないってことで逮捕されたの」
和泉玲「こんな簡単に人の考え方って変わるのか?」
小雀音羽「さあね」
小雀音羽「彼に限らず全ての犯人に言えることなんだけど、共通してぽろっと溢した言葉があるのよ」
和泉玲「何言ってたんだ?」
小雀音羽「『悪魔に堕とされた』」
和泉玲「・・・悪魔?」
小雀音羽「そう「悪魔」。誰だろうね、警察が聞いても誰も口を開かなかった」
和泉玲「悪魔・・・どんな奴だ?いかにも不審者って奴なんかな?」
小雀音羽「だったらすぐに捕まってる」
小雀音羽「それにね、こんな言葉もあるのよ」
小雀音羽「『全ての欲望を叶えるのは神ではない、悪魔である』ってね」
和泉玲「じゃあなんでも叶えてくれる人なのか」
和泉玲「権力者とか」
小雀音羽「まだわからないわ」
〇街中の道路
ただ、普通の人間かもしれないわよ
〇怪しげな部屋
和泉玲「そんじゃ、明日から黒幕探しスタートだな!!」
小雀音羽「和泉くん、明日もお願いね」
和泉玲「もちろん!どうやって探そうかなあ」
小雀音羽「資料から探すしかないわ」
和泉玲「えー資料?オレ向いてないよ」
小雀音羽「大丈夫。貴方にそこまで期待してないから。強力な助っ人がいるのよ」
小雀音羽「今度紹介するわね」
和泉玲「わかったよ、音羽さん」
小雀音羽「じゃ、また連絡するわ」
和泉玲「あっじゃ、LINE交換しようぜ!」
小雀音羽「あぁはいどうぞ」
和泉玲「ありがとう!まじで好きだわ」
小雀音羽「・・・・・・」
和泉玲「じゃあまた明日ね、バイバイ!」
小雀音羽「はあ」
〇豪華な客間
〇怪しげな部屋
小雀音羽「似てるわけないのになあ」
『全ての欲望を叶えるのは神ではない、悪魔である』とは名言ですね。
最後の音羽のセリフも気になります。
猟奇的な殺人事件にゾクゾクしますね!