繋ぎのハンカチ

夏目心 KOKORONATSUME

4 因果応報(脚本)

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〇豪華な社長室
  それから数日。明石家グループの取引の為、影山と部長は明石家夫妻と対談していた。
明石家敏夫「先日は妻を助けて頂き、本当にありがとうございました!」
部長「いえいえ!お礼なら、こちらの影山に申して下さい!」
影山博「いえいえ!当たり前の事をしただけですよ!会社の発展の事もありますし!」
明石家加奈子「・・・・・・」
影山博「それでは明石家社長、今後の取引に付いてですが、僕から最新のプランを用意してまして・・・」
影山博「ん?何の音だ?」
部長「あぁ!すみません!私とした事、スマホの電源を!」
影山博「ちょっとちょっと!空気読んで下さいよ部長!今大事な時なんですから!」
部長「す、済まない!私は一度退出するから・・・って、」
部長「な、何だこれは!?」
影山博「ちょっと部長?取引先の前ですよ?」
部長「か、影山君!これは一体どう言う事だ!?」
影山博「えぇ!?ど、どうしたんですか部長!?」
部長「先程受付の速水君から連絡が来た!内容を確認したら、これまでの君の不正行為がビッシリ書き込まれていた!」
部長「木村君への仕事の押し付け、営業先での勤務態度の悪さ!そして今回の事も、君は社長夫人を助けて無いそうじゃ無いか!!」
影山博「えぇ!何言ってるんです!?僕は間違い無く・・・」
明石家敏夫「あ、あの、一体全体どうなってるんです?状況が読めないのですが・・・」
部長「あぁ!申し訳ありません!先程内の者から連絡が来て、影山が隠してた不正行為を知らされて、この事は社長にも」
部長「報告済みと言われまして・・・」
影山博「な、何だってぇ!?」
緑川彩芽「ご主人様、失礼致します・・・」
明石家敏夫「メイド長!どうしたんだ?」
緑川彩芽「奥様を助けて下さったのはその方では無いのは本当です・・・」
明石家敏夫「え?」
影山博「ち、違います!夫人を助けたのは僕です!てか、何で木村がここにいるんだよ!?」
緑川彩芽「本当かどうかは奥様が良く知っています・・・奥様、真実をお聞かせ下さい・・・」
影山博「い、嫌だなぁ!夫人を助けたのはこの僕!」
明石家加奈子「あぁ!やっぱりあなたは!あの時私が車に轢かれそうになった時に助けてくれた!」
影山博「んな!」
木村宏斗「・・・お久し振りです、まさかまたお会い出来るとは思っても見ませんでした・・・」
明石家加奈子「あなたとは、是非ゆっくり話したいと思ってました!この前は聞けませんでしたが、是非お名前を!」
影山博「あ、あの夫人・・・あなたを助けたのは・・・」
部長「いい加減にしないか!!」
影山博「ひぃ!ぶ、部長!!」
部長「どうやら私はとんでも無い勘違いをしていた様だな・・・何故こんなふざけた真似が出来たのか、詳しく説明して貰わないとな・・・」
部長「何より、君の話と夫人の話が全く違うからにはな・・・」
影山博「ち、違うんです!これは!!」
部長「先程話した通り社長にもこの事は知られてる!今の内に覚悟を決めて置け!」
影山博「そ、そんなぁ!!」
明石家敏夫「な、何と言う事!もし木村さんがいなかったら、私の妻は!」
木村宏斗「いえ、当たり前の事をしたまでです・・・何より、誤解が解けて本当に良かった・・・」
明石家加奈子「私も同じ気持ちよ・・・あの人口が上手かったから、私が意見する暇を与えて貰えなかったのよ・・・」
明石家加奈子「メイド長、もしかしてあなたが?」
緑川彩芽「左様です奥様、奥様からの話と彼の印象が合わなかったので、直ぐ彼が嘘を付いてると分かりました・・・」
緑川彩芽「あのままにして置けば、お互いに取って良く無い事は私から見ても明白でしたので・・・」
明石家敏夫「そうか・・・デカしたぞメイド長・・・」
部長「木村君・・・」
木村宏斗「部長・・・」
部長「すまない、まさか影山君が、君の手柄をいつも横取りしていたとは、上司として情けない事だ・・・私も彼のハンカチを」
部長「調べて見たら、同じ物が2つもあった・・・これは君に返すよ・・・」
木村宏斗「あ、はい・・・間違い無く俺の物です・・・」
部長「君には謝罪してもし切れない・・・どうしてこうなってたのか、後で詳しく話してくれないかい?」
木村宏斗「・・・分かりました・・・落ち着いたら後程・・・」
  それから俺は、部長にこれまで自分が経験して来た事、影山とのやり取りを全てありのまま話した。
  揉め事は苦手とばかり言い訳して来たが、俺も今回の事でこのままでは駄目だと思い、今後は周りとも良く話す事を決意した。
  そして俺は、明石家グループがこちらとの取引をしたいとの事で、その担当は俺が引き受ける事となった。

次のエピソード:5 スカウト

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