5 スカウト(脚本)
〇おしゃれな受付
翌日。
影山博「ねぇねぇ速水ちゃん!今日の昼に一緒にランチ行かないかい?」
影山博「凄く良い店を見つけたんだ!速水ちゃんもきっと気に入るよ!」
影山博「ねぇねぇ!折角だから行こうよ!」
木村宏斗「あ、お疲れ様です!」
速水瀬奈「あ、木村さんお疲れ様です!明石家グループとの商談はどうでしたか?」
木村宏斗「あぁ、俺が前から考えてた新しいプランが上手く行きそうなんだよね!社長夫妻も是非やりたいって!」
速水瀬奈「良かった!」
速水瀬奈「あの、この後宜しければ一緒にランチ行きませんか?中々良いお店を見つけたんです!」
木村宏斗「あ、そうなんだね・・・そしたら、まだ仕事無いかだけ確認したいから、少し待っててくれる?」
速水瀬奈「あ、大丈夫ですよ!お待ちしてます!」
木村宏斗「ありがとう・・・」
速水瀬奈「よっしゃ!上手く行った!」
影山博「ちょっとちょっと!何で木村とは話して僕とは話してくれないんだよ?僕の方が仕事出来るのに・・・」
影山博「ねぇ!速水ちゃんってばぁ!!」
樫村誠一「影山君、君は何も分かって無いのか?」
影山博「しゃ、社長!?」
影山博「あぁ、こんな所で奇遇ですね!もしかして、これまでの僕の功績の元、昇進させて貰えるとか・・・」
樫村誠一「昇進?一体どの口が言っている?君は寧ろ減給だ・・・」
影山博「えええぇぇぇ!?何でですかぁ!?僕はずっと頑張ってたじゃ無いですかぁ!!」
樫村誠一「人の手柄を横取りしたり、不正行為の隠蔽・・・取引先を騙そうとすれば当然だ・・・私も今回の事で君は信用に値しないと」
樫村誠一「確信している・・・もう君の噂は出回っている・・・私を含め、君を信用している者は1人もいないだろう・・・」
影山博「そ、そんな馬鹿な!僕がいたからこそ出来た事が!!」
樫村誠一「そんなに信用されたいなら、先ずは自分を見つめ直す事だな・・・最も、一度無くした信用はどんな立場であろうと、」
樫村誠一「取り戻すのは難しい・・・私は行くよ・・・」
影山博「そ、そんな・・・」
木村宏斗「速水さん、お待たせ・・・ランチ行けるよ・・・」
速水瀬奈「あ、お待ちしてました!あたしも丁度終わった所なので、行きましょう!」
木村宏斗「あぁ・・・」
影山博「ま、待って・・・待ってくれよぉ・・・僕は只、周囲より早く出世したかっただけなのにぃ!!」
〇カウンター席
俺は速水さんからの誘いでランチタイムを一緒する事となり、速水さんのオススメの店へ行く事に。
木村宏斗「へぇ、こんな所にこんな綺麗な店があったのか・・・」
速水瀬奈「知らないのも無理無いです・・・ここは最近出来たばかりのお店ですから・・・」
木村宏斗「なるほどね・・・」
速水瀬奈「・・・木村さん、昨日の件もあって大変だったと思いますが、その後はどうですか?」
木村宏斗「え、あぁ、社長夫人とは昨日の事もあって仲良く話せてるよ・・・今度一緒に食事しないかって誘われて・・・」
速水瀬奈「そうなんですね!」
木村宏斗「まぁ、その過程の中で夫人が言ってたんだけどね・・・」
速水瀬奈「何をです?」
木村宏斗「社長夫人、俺に明石家グループで働いて見ないかって・・・」
速水瀬奈「え?スカウトされたんですか!?」
木村宏斗「そうなんだよね・・・取引こそ今は俺が担当してるけど、正直どうしようか迷ってて・・・」
速水瀬奈「・・・まぁ難しいですよね・・・でも社長夫人から直々のスカウトって、中々聞きませんよね・・・」
木村宏斗「あぁ、だから迷っててさ・・・取り合えず考える時間をくれたけどね・・・」
速水瀬奈「でも、今の木村さんなら良い答えを出せると思いますよ?」
木村宏斗「・・・そっか・・・そうかもね!」
ハンカチを落として出来た縁。周りにいた人達が俺に変わる勇気を与えてくれた。悩みに悩んだ末、俺は明石家グループに
転職を決意し、夏目商事を退職した。その後も社長夫妻との仲は良好で、後から速水さんが追い掛けて来たのは別の話だ。
尚、不正行為をやらかしまくった影山は夏目商事の職員からの信用を全て無くして、人知れず姿を消したのだった。
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読了致しました。
人助けの縁で新たな職場を見つけた木村君。
速水さんも来てくれて良かった。良かった。
1番のMVPは、家庭の事情が重なって謙虚気味になっていた木村君を変えてくれたメイド長の緑川さんですな。
……影山はその詭弁を別の職場で活用して欲しいもんです。出来るかは知りませんが。