25 それぞれの道(脚本)
〇通学路
翌日、
飯塚隼人「はい、隼人ですがどちら様で?」
スマホ「あぁ!良かった出てくれた!」
飯塚隼人「え?その声は香織か!?あの後どうだった!?」
スマホ「あたしは何とも無いよ!隼人の方は!?」
飯塚隼人「あぁ!何とか無事だよ!こっちに着いた時は1人だったからさ!」
スマホ「そっか・・・でも本当戻れて良かった・・・只、」
飯塚隼人「ん?どうした?何かあったのか?」
スマホ「ちょっと残念な話なんだけどさぁ・・・あたしがあの世界に行った直後にさ・・・お父さん、家にあったお酒切らしたのに」
スマホ「気付いてさぁ、寄りに寄って車で出掛けたらしくてさぁ・・・飲酒運転で大事故起こしたのよ・・・」
飯塚隼人「えぇ!?そんなヤバい事になってたの!?」
スマホ「うん、それで警察への対応とかで大変でさぁ・・・幸い誰も怪我しなかったんだけど、肝心のお父さん、病院に運ばれたけど、」
スマホ「もう手遅れって言われちゃって・・・」
飯塚隼人「ま、マジでか・・・」
スマホ「本当嫌になるわよ・・・折角一発殴ってやろうって決めてたのに、もうそれすら叶わなくなってさぁ・・・もう泣きたいよ・・・」
飯塚隼人「・・・・・・」
飯塚隼人「なぁ、香織はこれからどうなるんだ?」
スマホ「あたし?これからお父さんのお葬式やる事になって、その後は遺産の存続は多分あたしになると思う・・・」
スマホ「親戚にも話は通ってるから、まぁ具体的な事分かったら伝えるね・・・」
飯塚隼人「あぁ、頼むから無理だけはしない様にな?」
飯塚隼人「マジか・・・これは確かに悔やんでも悔やみ切れないな・・・」
飯塚隼人「・・・まぁ、今は俺もやれる事やろう・・・」
〇学校の廊下
鳥山浩二「お?あんな所に飯塚がいるぜ!」
近衛匠「丁度良い!早速カツアゲと行くか!」
鳥山浩二「よぉ飯塚!」
飯塚隼人「・・・・・・」
近衛匠「今俺ら金がねぇんだ!だからまた出してくれよぉ!」
鳥山浩二「あぁ!何だあいつ!?俺らの事無視しやがった!」
近衛匠「弱いクセに生意気な!」
近衛匠「おい飯塚!金出せって言ってんだろ!?」
飯塚隼人「あぁ?煩ぇなぁ!!邪魔すんじゃねぇ!!」
近衛匠「ひぃ!な、何だよいきなり!?」
飯塚隼人「だから、邪魔だってんだよ・・・」
鳥山浩二「え?ちょま、何だってんだよ・・・」
〇体育館の中
暗森敬一「うん、入部届は確認した・・・歓迎するよ!」
飯塚隼人「はい!今日から宜しくお願いします!」
暗森敬一「こちらこそ!入るからには確りやって貰うからね!」
飯塚隼人「はい!」
あの後、俺は今後の事も考えて剣道部に入部する事とした。ここに戻って来たからには前見たいに剣を振ったりする
機会が無いのは勿論だが、本当の意味で自分に勝つ為にも、自分を鍛えようと思ったからだ。そこから俺は暗森先生の教えを受けて、
実績を積んで大会で活躍出来る様になり、虐めて来た奴らが遠ざかってくのは、また別の話だ。
〇村の広場
数日後、とある場所にて。
おばあちゃん「おぉ、待ってたよ・・・」
武藤和樹「御免下さい、配送です・・・荷物のお届けに上がりました!お名前とご住所のご確認お願いします!」
おばあちゃん「どれどれ?うん、合ってるよ・・・」
武藤和樹「ありがとうございます!」
武藤和樹「あの、ちょっとお尋ねしたい事があるんですが・・・」
おばあちゃん「ん?どうしたんだい?」
武藤和樹「この辺りで・・・飯塚隼人、陣内香織、遠藤かな恵って名前の人をご存知無いでしょうか?」
おばあちゃん「はて?聞いた事が無いね・・・」
武藤和樹「そ、そうですか!分かりました、失礼します!」
武藤和樹「う〜ん、やっぱこの街にはいないのかなぁ・・・」
武藤さんがこの世界に戻った後、当時いた会社を直ぐに退職し、運転免許を持っていた事もあり、今では配送の仕事に就いて、
俺達の事を捜していたのだった。
武藤和樹「こんな時こそ魔法が使えたら良いのに・・・攻撃や回復の魔法も、もうどうやってやったかも覚えて無い・・・」
武藤和樹「でも良いか!自分がやりたいと思った事は、自分が最後までやらないとだしね!魔法なんか無くたって大丈夫な訳だし!」
武藤和樹「さて、次の目的地はと・・・」
〇田舎の病院の病室
更に数カ月後。
黒崎誠「かな恵ちゃん!心からおめでとう!治療法が見つかって、本当に退院出来る日が来るだなんて!」
遠藤かな恵「本当にありがとうございます!命日を過ぎて、今でもまだ生きてるなんてあたしにも信じられません!」
病院に戻ったかな恵さんは不治の病を克服しており、病院から出られる様になっていた。
黒崎誠「でも本当に良かった!かな恵ちゃん、これからどうするんだい?就職先とかは決めてるのかい?」
遠藤かな恵「あ、あたしこれから大学受験受けようと思ってます!それで文学について勉強して、小説家になりたいと思ってます!」
黒崎誠「へぇ、小説家か・・・どんなの書くんだい?」
遠藤かな恵「今はまだ上手く表現出来ませんが、タイトルはもう決めてます・・・生きるのが嫌になった人達が冒険の旅に出る、」
遠藤かな恵「心ファンタジーって名前です!」
数年後、かな恵さんは本当に小説家となり、心ファンタジーはミリオンセラーとして大ヒットした。その噂は当然俺達の
元にも届き、ファンレターを通してやり取りして、俺達は数年ぶりに再集結したのは、また別の話だ。
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