ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫

輝月レイヤ

第4話「集いし三女神」(脚本)

ルーリァンティア 刻限の歌姫と七虹の舞姫

輝月レイヤ

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〇研究機関の会議室
  試験開始の数週間前──
リアン・デュ・デスタン「何故僕達が呼び出されたんでしょうか?」
アレイスター・ニューワルド「それは、私にもわからないよ」
アレイスター・ニューワルド「ラフィリアは知っているか?」
ラフィリア・ラ・メール「私にもさっぱり──」
リアン・デュ・デスタン「お!来たみたいだ」
ナハト「皆さん。待たせてすみません」
ラフィリア・ラ・メール「いいえ。そんなに待ってないから大丈夫」
アレイスター・ニューワルド「ところでナハト。私達を呼び出したのは、何でだ?」
ナハト「あぁそのことなんですけど──」
ナハト「皆さんには今度行うオルフォード王立学園の試験の会場にある4つのエリア──」
ナハト「それぞれのエリアマスターをやってもらおうと思いまして、ここにお呼びしました」
リアン・デュ・デスタン「エリアマスター・・・かい?」
ナハト「はい──」
アレイスター・ニューワルド「別に私はやっても良いのだが──」
ナハト「だが?」
アレイスター・ニューワルド「4つのエリアのエリアマスターってことは4人必要だろ?」
アレイスター・ニューワルド「となると、一人だけ足りないぞ」
アレイスター・ニューワルド「エリアマスター」
ラフィリア・ラ・メール「確かにそうね。ここに居るのは私とアレイスター、リアンの3人だけね」
リアン・デュ・デスタン「ナハト。君がエリアマスターやるのかい?」
ナハト「俺は試験官なのでやりませんよ」
ナハト「その代わり──」
ラフィリア・ラ・メール「その代わり?」
ナハト「ここに新たに『魔神』の称号を与えた者を呼んであります。その者にやってもらいます」
アレイスター・ニューワルド「それは唐突だな──」
ラフィリア・ラ・メール「1年前の『あの事件』以来、久しぶりに四神将4人が揃うのね」
リアン・デュ・デスタン「あ!ラフィリア!」
ラフィリア・ラ・メール「あ!」
ラフィリア・ラ・メール「ごめんナハト。辛い記憶を思い出させちゃって──」
ナハト「いいえ、大丈夫ですよ」
アレイスター・ニューワルド「ナハト、その者は来ているのだろう?呼ばないのかい?」
ナハト「そうでしたね──」
ナハト「アン、入ってきなさい──」
アン・フィニシュド「お久しぶりです皆さん──」
アン・フィニシュド「私はこの度、隊長から『魔神』の称号を拝命させていただきました」
アン・フィニシュド「アン・フィニシュドと申します」
ラフィリア・ラ・メール「・・・」
アレイスター・ニューワルド「・・・」
リアン・デュ・デスタン「・・・」
  ラフィリアとアレイスター、リアンの三人は、アンを見た瞬間、ポカーンとなった。
  それもそのはず。
  何故ならアンは──
アレイスター・ニューワルド「君は聖刻隊の副隊長じゃないか!?」
リアン・デュ・デスタン「そうだよ。何故君がここに!?」
アン・フィニシュド「何故って、隊長に呼ばれたからですけど──」
アン・フィニシュド「それが何か?」
ラフィリア・ラ・メール「何かって、貴女が『魔神』の称号持ち──」
アレイスター・ニューワルド「これはどういうことだナハト!」
ナハト「お・・・落ち着いて下さいアレイスターさん」
ナハト「ちゃ・・・ちゃんと説明しますから」
アレイスター・ニューワルド「落ち着くも何も、君の隊の副隊長だぞ」
アレイスター・ニューワルド「魔術を極めた存在なのはわかるが──」
アレイスター・ニューワルド「君のほうが『魔神』の称号を得るに相応しいと思うんだが──」
ナハト「断りました」
ラフィリア・ラ・メール「こ・・・断った!?」
アレイスター・ニューワルド「断ったって、何故だい?」
ナハト「俺に・・・その理由を言わせるのですか?」
アレイスター・ニューワルド「あ!」
アレイスター・ニューワルド「す・・・すまない」
ナハト「いいえ。自分も威圧しすぎました」
リアン・デュ・デスタン(さすがは『あのミシェラさん』のお子さんだな)
ラフィリア・ラ・メール「どうかしたリアン?」
リアン・デュ・デスタン「いや、何でもないよ」
アン・フィニシュド「あのぉ~」
アン・フィニシュド「お取り込み中、すみませんが──」
アン・フィニシュド「私のこと、忘れてませんか?」
アレイスター・ニューワルド「あ!」
リアン・デュ・デスタン「あ!」
ラフィリア・ラ・メール「あ!」
ナハト「忘れてた!」
アン・フィニシュド「隊長まで!?」
アン・フィニシュド「・・・どうせ私は存在感ゼロですよ──」
ナハト「わ・・・悪かったって──」
ナハト「そ・・・それに君のその存在感の無さは、諜報員としては良いことなんだから──」
アレイスター・ニューワルド(フォローになってそうで、なってないぞナハト)
リアン・デュ・デスタン「まぁとりあえず、試験会場にある4つのエリアそれぞれのエリアマスターを、僕達4人それぞれでやるってことで良いよね?」
アレイスター・ニューワルド「異議無し」
ラフィリア・ラ・メール「同じく」
アン・フィニシュド「グス・・・」
アン・フィニシュド「同じく」
ナハト「それじゃ皆の了承を得たところで一つ言いたいことがあります」
アレイスター・ニューワルド「?」
ラフィリア・ラ・メール「?」
アン・フィニシュド「?」
リアン・デュ・デスタン「?」
ナハト「手加減して下さい」
ナハト「特にラフィリアさん」
ラフィリア・ラ・メール「え!──何で!!」
アレイスター・ニューワルド「何でってお前──」
リアン・デュ・デスタン「・・・」
アン・フィニシュド「?」

〇海
ラフィリア・ラ・メール「ハハハ!!たーのしぃなぁー!」
  男子生徒1『に・・・逃げろぉ!?』
  男子生徒2『せ・・・戦闘狂が来るぞぉ!?』
ラフィリア・ラ・メール「ハハハ!」

〇諜報機関
ニュイ「・・・アレほど注意したのに──」
ミシェラ「・・・あの子、昔から変わらないわね──」
ニュイ「・・・て、呑気なこと言っている場合じゃない!」
ニュイ「は・・・早く止めに行かなきゃ──」
シュイ・ランファ「なら、私が止めに行きます」
ニュイ「シュイ!」
ニュイ「ぜ・・・是非お願いします──」
シュイ・ランファ「任せなさい」
シュイ・ランファ「水上は、私の独壇場よ!」
  シュイはその場を素早くでていった。
ミシェラ「・・・」
ニュイ「どうしたのですか母様?」
ミシェラ「いや・・・何でもないわ」
ニュイ「そう・・・ですか──」
ミシェラ「・・・ただ──」
ニュイ「ただ?」
ミシェラ「──いや何だか・・・」
ミシェラ「嫌な予感がして・・・」
ニュイ「嫌な予感・・・ですか?──」
ミシェラ「・・・」
ニュイ(母様の予感って、当たる事多いからな・・・)

〇荒廃した市街地
  ──一方その頃・・・
ラレシィエンヌ「・・・!!」
  モンスター1『キシャー!?』
  ラレシィエンヌの一撃で飛ばされたモンスターは、その勢いのまま壁に当たり、そのまま崩れる壁の下敷きになった。
  その一部始終を観ていた同級生達は、ラレシィエンヌの戦いぶりを観て唖然とする。
  ──ただ、1人を除いては・・・
ニヒト「ぐぬぬ──。あいつ・・・いい気になりやがって──」
  ニヒトはラレシィエンヌの戦いぶりを観て嫉妬していた。
  そして、おもむろにポケットから『あるものを取り出した。
ニヒト「仕方ない。こいつを使うか──」
ニヒト「よし、お前。行け!!」
  ニヒトに命令された『魔族因子』を注入されたモンスターは、そのまま真っ直ぐラレシィエンヌのところへ向かった。
  生徒1『な・・・何だあのモンスターは?』
  生徒1『う──うわぁ!?』
  生徒2『こ──こっち来ないで!?』
  そのモンスターのせいで、生徒達の何人かが怪我をしてしまった。
  ラレシィエンヌは他の生徒たちを逃がしつつ自分はモンスターに対抗していたが、手も足も出なかった。
ラレシィエンヌ(つ──強すぎる・・・)
  そして、そんなラレシィエンヌを影から嘲笑うニヒト
ニヒト「そうだそうだ。俺より目立つ奴は皆傷つけ!!──」

〇諜報機関
  一方その頃、モニター室では
ミシェラ「あ・・・あのモンスターは──」
ミシェラ「まさか!?」
ミシェラ「ナハト!?──」
ミシェラ「・・・」
ミシェラ「──て、もういない」
ミシェラ「やっぱり私の予感は、よく当たるわね」

〇荒廃した街
  ニヒトが解き放ったモンスターを迎撃しつつラレシィエンヌは、荒廃した場所までやって来た。
ラレシィエンヌ(く!?──。もう・・・だめ──)
  とうとうラレシィエンヌは力尽きてしまった。
  ラレシィエンヌ『・・・(私は・・・ここで・・・死ぬの──)』
  その時、何かしらの攻撃がその場に降り注ぎ、土煙を上げた。
  そしてそこにいたのは──
  モンスター『グギャャ──』
  今の攻撃でラレシィエンヌが苦戦していたモンスターが倒れていた。
  その様子を観ていたニヒトは啞然としていた。
ニヒト「馬鹿な!?──。あいつには『魔族因子』を打ち込んでいたんだぞ。それを一撃で──」
  ???『貴様・・・今、魔族因子──と言ったか?』
ニヒト「誰だ!!」
  ???『悪いが、お前を拘束させてもらう!』
ニヒト「お・・・お前は・・・ナハト!!」
ナハト「さぁ、大人しくするんだ!」
ニヒト「や・・・やめろ──」
ナハト「お・・・お前──何を!!」
ニヒト「うぉぉ!!」
  ニヒトは持っていた『魔族因子』を自身に打ち込んだ。
  そしてその体は、みるみると異形な姿へと変わり果てた。
  ニヒト『グギャャ・・・』
ナハト「く!?──」
ナハト「・・・」
ナハト「仕方ない」
ナハト「呼ぶしか・・・ないようだ──」
ナハト「・・・」
ナハト「来いノルン!!」

〇幻想空間
  異空間
  ナハトの声『来いノルン!!』
ウルド「あらあら。呼ばれちゃったみたいね」
スクルド「ちょ・・・姉さま。そんな呑気に──」
ヴェルザンディ「それよりも早く行きましょ。主のもとへ」
ウルド「ええ、わかったわ」
スクルド「は~い。行こう行こう!」
  3人はナハトの所へ向かった

〇荒廃した街
  ニヒト『これで・・・お前を・・・殺れる!!』
ナハト「くそ!!」
ウルド「来たわよ、主」
  ニヒト『何だ・・・貴様ら』
  突然その場に現れた3人に驚くニヒトだったが、かまわず3人に攻撃する
スクルド「おっと!!」
ヴェルザンディ「危ない危ない」
ウルド「主!」
ナハト「わかった!」
ナハト「・・・」
ニュイ「神器変化──」
ニュイ「ウルヴェルス!」
  3人はその姿を武器に変え、そして一つとなり『神器・ウルヴェルス』となった。
  そしてナハトはニュイになった。
  その様子を観ていたニヒトは驚愕する。
  ニヒト『あ・・・貴女は・・・ニュイ様!?』
  ニヒト『いいやそれよりも、何故ナハトがニュイ様になったんだ!?』
ニュイ「さぁ今こそ──」
ニュイ「輪廻を断ち切る!!」
  次回に続く──

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