ヒキツギ

たくひあい

系列店(脚本)

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〇大きい交差点
部長「この辺りの地域は、ほとんどが西峰食品と取り引きがある」
部長「あまり・・・・・・関係がないと、思って警戒していなかったが」
  あれから、部長と落ち合うことになり、近くの交差点のところで待ち合わせた。
  村田さんについて、どこまで
  部長に言うか迷ったが、新聞にあるような表面的な事だけ掻い摘んで話した。
部長「・・・・・・恐らく、その裕子というのもそういった権力者なのだろう」
納二科寧音(なにかねね)「村田さんは、西峰が関係があると思っているのでしょうか」
部長「そうだろうな。西峰の裏に居る暴力団が芸能界とも関わりがあると聞いたことがある」
  詳細は分からないが、個人情報をその会社がばら撒いたのも事実だろう。
  それを利用してバイトを派遣していてもおかしくない。
納二科寧音(なにかねね)「そんな、何で、監視するんですか? コンテスト終わったんでしょう? 仕事先でさえ付き纏うなんて」
  コンテストに出る事も、転職活動も、最就職も全力で妨害して、毎日付き纏う気なんだとしたら。あたしも他人事じゃなかった。
「これからは、役柄をお借りしていた美桜や菜々の名前は使わず 本名の裕子で、やっていきたいと思っています」
  何処かの街灯モニターが知らない女優を映している声が響く。
  少し前から売り出し始めた新人らしい。
  裕子・・・・・・あの裕子さんだろうか?
  カメラの前では、本当にいい人に見える。
  だけど、裏の顔は――――
納二科寧音(なにかねね)(あんなに、嫌がらせをしていて、次出ればいいなんて・・・・・・全部知ってて言ってるんだ)
部長「・・・・・・若干、私の作家協会との対立パターンに似ている」
部長「このままいけば、次の犠牲者が出るかもしれない」
部長「何か、私に出来れば良いのだが」
納二科寧音(なにかねね)「あの・・・・・・」
  恐る恐る、
  あたしは重たい口を開く。
納二科寧音(なにかねね)「・・・・・・前に、言いましたよね。 その・・・・・・作家協会と、対立するって」
部長「そうだが」
納二科寧音(なにかねね)「その、提案に乗るかの前に ・・・・・・さらに重い話をしてもいいですか」
部長「あぁ、なんでも言ってくれ」

〇アパートのダイニング
赤坂「なんであんたのベビーシッターなんて しなきゃいけないのよ!!!!!」
  ――――あたし、親が誰か知らないんです。
  うーん、どこから、なんて話すのが無難なのでしょうか。
  いや、本当は、語れるほどの、自分の事なんて殆どない。
  誰に聞いても答えてくれなくて、
  どっか、避けられるような感じで・・・
  だからあたしはまず思ったんです。
  きっと、誰も何も言えないような人。
  沢山の人を不幸にしたんだろうって。
  まぁ、そんなことはどうでもいいんですが
赤坂「私は、貴方の家の財産が欲しいだけ!!! 子守りなんてしたくないのに!!」
  うーん、やはり言葉で説明するのは難しいですね。
  簡単に言うなら、探られるほどの履歴を、あたしは自分で知らないんですよね。
赤坂「どこにあるの? ねぇ、??君、知らない?」
???「えーっ、知らない」
赤坂「そう、困ったわ。 上手い事落とせばこの家事私の物になるって思ったのに」
赤坂「ガキも知らないとなると、本当に骨折り損だわ!!」
納仁科寧音「赤坂!!!」
納仁科寧音「何しに来たの!? 何回来たって、今おとーさんもおかーさんも居ないから!」
赤坂「あーーーー!!!!もう!!うっっざ!!!不幸自慢!!!!! 重すぎんだよ!!!!!なんで私ばっかりこういうの引くんだろ!」
  よく、赤坂はそんな事を言って居て、
  子どもの頃と言うと、そういうのばかり思い出します。
納仁科寧音「意味わかんない!! あたし別に、幸福とか不幸とか思った事無いんだけど!!」
  あ、そうだ。
  赤坂が重い重いって言ってたの、
  ちょっと引っ掛かるかな
  ・・・赤坂が何だったのか、あたしはわからないけど、勝手に家族構成とか調べて重い重いって言いによく家に来てました。
  うーん、変な話ですね。
  だから、親も変な人なんだろうな
納仁科寧音「そもそもうちのことなんて、あんたに関係無いでしょ!! いー加減にしないと警察に突き出すよ!」
赤坂「貴方こそ私の何がわかるの!!! 愛人になれるどころか、やりたくも無い子守りをさせられる私の!!」
赤坂「ほら、インスタだって、SNSだって・・・・・・凄い数の共感数だよ? みんな私の方が可哀想だって!!!」
赤坂「ふふ・・・・・・はは・・・・・・あんたの家さ、絶対おかしいよ?」
赤坂「だから、みんなにもわかってもらうべきでしょ」
  まぁ、確かに何がおかしくておかしくないのかは今でも謎のままですが、
  共感して欲しくて勝手に他の家の事まで話しだすってすごい人です・・・
赤坂「アハハ! こんな家に生まれてさ。あんたも ある意味、生れたときから呪われてるのかもね」
  ――――今でも少し、
  いや、結構、引っ掛かるんですよね。
  赤坂が何を聞いてるのか、とか
  だってそれって、村田さんと裕子さんの事みたいに、最初から監視されてるって決まってるんだとしたら。
  あたしがそんな風に重い前提で、何処かで既に認識が出来ているとして、訂正とか口止めするよりも早く彼女たちが来るでしょう。

〇大きい交差点
納二科寧音(なにかねね)「なにかあったら、好機とばかりに騒ぎ出すと思う」
納二科寧音(なにかねね)「――――今でも少し、 いや、結構、引っ掛かるんですよね。 赤坂が何を聞いてるのか、とか」
部長「確かに、それは聊か不気味だな。 愛人になりたがり、財産を狙っていた、か」
部長「そうさせる程のものが納二科家にはある・・・・・・」
納二科寧音(なにかねね)「あ、あたしは別に、全然普通に暮らしてましたよ。壁の薄いアパートとかで」
部長「しかし、何かを探し回っていた、か」
納二科寧音(なにかねね)「そうなんですよ。ただの「推し」の子にしては憎悪を向けられ過ぎましたし」
納二科寧音(なにかねね)「やっと、今の街に引っ越したけど・・・・・・」
納二科寧音(なにかねね)「まだ、うまく割り切れなくて。 赤坂が既に好き勝手に広めてるんじゃないかってこと、身内の事・・・・・・」
  もし、あたしの存在を何処かで嗅ぎ付けられたら、
  まるで前から仲がよかったみたいに馴れ馴れしく近づいてくると思う。
納二科寧音(なにかねね)「どうせ、「やらないよりやった方がマシ―」とか言って、反省も何もせず、」
部長「私は不幸にも知っている。時には嘘によるほかは語られぬ真実もあることを」
納二科寧音(なにかねね)「え?」
部長「いや、ふと思い出しただけだ」
納二科寧音(なにかねね)「あ、それって、あくた――――」
納二科寧音(なにかねね)「じゅ?」
部長「芥川」

〇雑踏
  みんなあんたと同じなの。
  何であの子だけ助かるの?
  
  私だって全裸でネットに写真があげられてるし、
  
  家に恐喝に来たし、
  住所や名前も、ばらまかれてるし、
  
  ポストにゴミが入っているし、
  
  今も盗作以外にも沢山されてるのに
  此処から飛び降りろともいわれなかった、
  
  ただ盗作されただけの暇人が
  盗作しか、されていない人がどうして応援されたり助かるの?
?「・・・・・・私より先に、助かるなんて」
?「みんなの名前と写真、探してみなさいよ! 寧音!」
?「あんたを利用してでも、裸の写真を主張したい人が沢山いる!」

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