〇見晴らしのいい公園
少女「嫌っ!!こ、来ないで・・・来ないでぇ!!」
不良「ひひひっ!!その泣き顔がたまんないぜぇ!!」
不良「ほら、大人しくしな!?」
不良「おい、聞こえないのか!?こっちに来いって言ってんだよ──!!」
不良「同じこと何度も言わせんなよ！」
不良「ひひひっ、もう逃がしゃしないぞ!?覚悟しな・・・!!」
少女「ひぃっ!!だ、誰か・・・誰か助けてぇ！」
コバット「あっ、いた!!彩果、あそこだ！」
彩町彩果「あれは・・・女の子と不良達のようだな？」
彩町彩果「クックックッ、いいね〜!!なんかあっちで面白そうな事やってんじゃないの？」
彩町彩果「たまにドラマでやってる”ガラの悪い連中に絡まれてる女の子を助ける”シーン・・・。いや〜、何かこういうのも悪くないな？」
コバット「いやいや、こんな時にバカな事を言ってるんじゃないよ全く・・・」
コバット「早くあの女の子を助けないと──!!」
彩町彩果「はいはい、分かってますよ」
彩町彩果「そこまでです。その人から離れなさい!!」
少女「えっ!?あ、あなたは・・・!?」
不良「あぁん!?何だてめぇは!?邪魔する気か・・・!!」
不良「誰だか知らねぇけどよ、関係ない奴はどっかに行ってろ！こっちはお楽しみ中なんだからよ!!」
不良「どうしても俺らの邪魔をするってんなら、ガキだろうと容赦しねぇぞ〜♪」
彩町彩果「いいえ、そうはいきません」
彩町彩果「夜遅くにこのような場所で可愛らしい女性を相手に嫌らしい事をする下劣な連中を見逃すわけにはいきませんから」
少女「えっ・・・!?」
彩町彩果「それと、先ほど俺の事をバカにする発言をしていたようですが・・・」
彩町彩果「こっちは退屈な毎日ばかり送っていたから非常にイライラしてんだよ!!」
彩町彩果「なのに、更に俺を苛つかせようとしやがって──!!本気でふざけるんじゃねぇぞ!!」
少女「っ!?」
彩町彩果「俺の腹の中に溜まりまくっていたこのストレス、今からお前らに思い切りぶつけさせてもらうぜ!!」
コバット（いやいや彩果、怒る所はそこじゃないでしょ・・・）
コバット（気持ちは分からないわけじゃないけど、他人に八つ当たりはよくないよ・・・）
彩町彩果「あっ、そちらのお嬢さん」
少女「は、はい！」
彩町彩果「急に驚かせるような発言をしてしまってすみませんでした。ですが・・・、」
彩町彩果「今から俺がそこの３人をこわ・・・じゃなかった！”かるーくお仕置き”をしておきますので少し離れていてくださいね？」
少女「は、はぁ・・・」
コバット（うわぁ・・・。今、絶対に”壊す”と言おうとしたな？この男は・・・）
コバット（女の子の前でさすがにやりすぎたりしないように分かっているからこそ、彩果なりに耐えているんだろうな──？）
少女「あ、あの・・・気をつけてくださいね！」
彩町彩果「ええ、ありがとうございます。”素敵なお嬢さん”!!」
少女「・・・っ!!」
少女「は、はい・・・」
少女（優しい・・・。それに可愛い・・・。反則だよ、あの笑顔・・・!!）
不良「・・・フンッ、まさか我々を相手に歯向かうとは何と愚かな男だ!!」
不良「たかが”人間ごとき”が図に乗るな・・・」
コバット（ん？”人間ごとき”・・・？しかも、口調も変わった？）
不良「我々に歯向かう者は・・・誰であろうと殺す!!」
不良「覚悟しろ──!!」
不良「殺してやる!!」
コバット（──っ!?魔法陣、だと・・・!?）
少女「きゃあああああああっ!!ば、化け物ぉ──!!」
彩町彩果「・・・ふぅん、なるほどね？」