ミダス -黄金の呪い-

M.J

第三話(脚本)

ミダス -黄金の呪い-

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〇地下室
シャリフ「一か八か・・・やるしかない!」
  シャリフは
  牢屋の壁一面を黄金に変えた。
シャリフ「おい、誰か・・・誰か来てくれ。 壁が・・・!」
見張りA「ん、どうした?」
見張りB「何を騒いでるんだ。壁がどうしたって?」
シャリフ「壁一面が黄金になってるんだよ・・・!」
シャリフ「本当だって、見てみてくれよ!」
見張りA「っち、仕方ねえな」
  見張りは鍵を開けると、
  奥の壁の方へと向かった。

〇オレンジ(ディープ)
見張りA「おいおい、なんだこりゃ! 本当に黄金だ」
見張りB「こんだけあれば一生暮らせるかも!」

〇地下室
シャリフ(今だ・・・! 部屋の外にさえ出られれば!)
  見張りが黄金に夢中になっている隙に、
  扉の外へと走るシャリフ。
見張りA「あ、しまった・・・! 待て、こら!」
  シャリフは右手で扉を閉めた後、
  左手で扉に触れた。
見張りB「な、なんだ・・・! 扉が黄金になった!?」
見張りA「くそ、開かねえ!」
シャリフ「そこで大人しくしてろ・・・!」
シャリフ(カマル・・・待ってろよ)
シャリフ(小さい頃から、お前には助けてもらってばっかりだ)
シャリフ(お前がいたから、 辛くても頑張ってこれたんだ。 だから、今度は俺がお前を助ける!)

〇謁見の間
  椅子に縛り付けられ、
  傷だらけにされたカマル。
カマル「はぁ・・・はぁ・・・満足したかよ、 下衆野郎・・・」
ハッサン「いいね、いいねえ。ますます気に入った。 特別に、お前は奴隷として 買い取ってやろう」
カマル「ふざけるな・・・誰がお前なんかに・・・」
ハッサン「いいのか? このままだと、お前は 王子を誘拐した罪で処刑されてしまうぞ」
カマル「お前に買われるくらいなら、 死んだ方がマシだ!」
  カマルはハッサンに唾を吐きかける。
ハッサン「この・・・調子に乗るなよ、クソガキ!」
  ハッサンがカマルを殴ろうとした時、
  入り口の扉が蹴り破られた。
シャリフ「カマル・・・!」
ハッサン「な、なぜ、ここに! 見張りはどうした!」
シャリフ「お前、カマルを離せ!」
ハッサン「くっ・・・それ以上、 わしに近づくんじゃない。 こいつがどうなってもいいのか!」
  ハッサンはカマルにナイフを向ける。
シャリフ「頼む。言うことを聞いてくれ・・・ じゃないと、力づくになっちまうぞ!」
ハッサン「何が力づくだ。貴様に何ができる!」
シャリフ「くっ・・・!」
ハッサン「バカな奴め! 従者など捨てて、 一人で逃げれば良いものを・・・!」
シャリフ「俺が・・・俺がカマルを置いて、 逃げるわけないだろ!!」
カマル「よせ、シャリフ・・・!」
  シャリフはハッサンに突撃し、
  その左手で彼に触れる。
ハッサン「な・・・なにっ・・・ 体が・・・うわああああああっ!」
  ハッサンの体は、
  黄金の像に変化した。
カマル「・・・シャリフ・・・お前・・・ 自分が何をしたのか・・・ 分かってるのか・・・」
シャリフ「ああ・・・分かってる」
カマル「一度黄金に変えたものは、 二度と元には戻らない。 お前は人殺しになっちまったんだぞ!」
シャリフ「それでも、お前を助けたかったんだよ!」
カマル「シャリフ・・・お前・・・ 俺のために・・・」
スルール「二人とも、無事か?」
カマル「お前は確かキャラバンの・・・ 何故ここに?」
スルール「騒ぎを聞いて飛んできたんだ。 元はと言えば俺のお節介が原因だよな。 すまない」
シャリフ「謝らないでくれ。 俺たちの方こそ、ごめん。 あんたのご主人をこんな風に・・・」
スルール「驚いたな。 これは君たちがやったのか・・・?」
カマル「ああ。こうなったら、もう元には戻らない」

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