ビンダーパープル

但馬感象

42面 変わり身(脚本)

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〇闘技場
  ──円形場の外周、
  壁にもたれて体育座りのところ、
  アミーを下から見上げる。
コウ「・・・アミー」
アミー「コウ・・・」
  下から見上げる俺は
  甘えた目でアミー見て、
  何か期待して、
  でも特に抱擁も何もなくて
コウ(アミーさ、痩せたな)
コウ(アミー、もう少し痩せたら ガリガリになっちゃうくらい)
  (顔の輪郭の骨が目立つ、
  エラはってるわけじゃないけど)
  ポニーテールそのままで、
  美貌は大人びて、でも冷たくない。
  装備薄いな、
  武装らしいものは一つも持ってない。
  俺も巨大ハブラシソードで
  (毛が濡れてる)
  さっき魔王に向かっていったっけ
  (そんな装備で何だけど)
  (すれ違ったときは何もなく、
  向かっていこうとしてか)
「そっち誰か向かっていったぞ」
  っていうから
  (右回りに逃げをうつ俺を追いかけて?)
  魔王そのままこっち装備薄手なの
  いいことに来やがったかと思って、
  それなら逃げおおせないから
  すぐ引き返して、
  みんなが近くに
  いる方がいいって戻ったっけ。
コウ(アミー、戦場に加わるつもりか)
コウ(強そうには見えないけどな)
コウ(ついていこうかな いいかな、アミー?)
アミー「一人増えましたって(戦闘人員) ウマトラさんに報告した方がいいかな?」
コウ「いや、もうそんな段階じゃないと思うよ」
コウ「ていうかウマトラさん、さきの魔王だし」
  (すれ違ったとき、魔王2人いたっけ?)

〇神殿の広間
  ──そう、みんなは鼻高々だ。
  鼻の下伸ばして
  敵は魅了されて動けなくなる。
  そういう効果がありうるって
  講習ビデオ
  天界段々神殿
  ロケーションの見た気がする。
  それがお色気じゃなく、
  アミーの女神性なんだ。

〇テレビスタジオ
  センターちゃん
  いい子だな、ほんとに
  こっちは見えないのいいことに
  まぁこれも画面通してだろうけど
  とキスするとできちゃう。
  感覚としては唇ちゃんと当たってる
  (厚い唇だな、グイッと押しつけると
  センターちゃんの唇も上がったり動く)
  センターちゃんは天気か何か
  短いお伝えをするんだけど、
  しゃべってるところで俺が唇当てるから
センター「う、んんーっ」
  しゃべりにくいったらない
  それでもこなそうとして、しかも、
センター「はーっ、大丈夫かな」
センター(ごめんなさい)
センター(伝わってるかな、ちゃんと言えなくて)
センター(・・・あの人大丈夫かな)
  人の何かのせいに全くしない
  相手、俺は見えてないはずだけど
  自分以外の心配して
  3回くらいキス繰り返し
  同じことしちゃったけど
  (3テイクやって始まるその都度
  すぐ塞いじゃう)
  いい子だ

〇住宅地の坂道
  ──自転車に乗って
  学校へ向かう坂の途中、
江藤鉱(折中さんと隣の席だったって それまでの時間・・・)
江藤鉱(ん、俺、今日の時間割 確かめて用意して入れてないな)
江藤鉱(鞄入ったのまんまで大丈夫?)
江藤鉱(あ、折中さん、めっちゃ急いでる)
  俺は自転車こいで──
江藤鉱(あれ、足2つとも 片方のペダルにのせて)
江藤鉱(こげないじゃん)
江藤鉱(ほら止まっちゃうーっ 折中さんが来るのに)
折中珠未「やばいっ」
江藤鉱「がんばってっ」
  言ってもノーリアクションで
  バーッと行っちゃう。
  鞄(手提げの小さめのトートバッグ)
  かごに入れてあげよっか
  と思ってもかかわれもしない。
江藤鉱(たぶん席ついてもシカトだろーな)
江藤鉱(俺が教科書忘れて見してもらうなんて 気まずくなっちゃうな)
江藤鉱(はーあっ)

次のエピソード:43面 役得

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