プロローグ(脚本)
〇仮想空間
アナウンサー「おはようございます、みなさん。 ニュースのお時間です」
アナウンサー「今朝のニュースはこちら」
〇島
アナウンサー「島がまるまる学園のための島!? 学園島の『学園ローレック』に迫る!」
アナウンサー「本土から切り離された孤島、『心鏡島』。 通称『学園島』」
アナウンサー「人口なんと2068人中、1838人が学生の島です」
アナウンサー「半ば実験的に作られた、学生のための島。 その島民が通う、『学園ローレック』」
アナウンサー「本日はここ『学園ローレック』の校長先生、『心愛』さんにインタビューしました」
アナウンサー「では、VTRをどうぞ!」
〇校長室
心愛校長「『学園ローレック』はご存知の通り、中等部と高等部に分かれている巨大な学園です」
心愛校長「この学園は、『学生の自立』をテーマに運用させて頂いています」
インタビュアー「ほほう。具体的にはなんですか?」
心愛校長「生徒たちの多くは、学園の外で働いています」
心愛校長「何しろ、島民は9割が学生ですからね。 学生も働かないと、島の生活は回りません」
心愛校長「食料品や雑貨を売る学生、料理店を経営する学生、美容院で散髪する学生。 色々います」
心愛校長「学生のうちから仕事に触れてもらい、社会進出を促しています」
インタビュアー「それはすごいですね! 学生の未来をよく考えていらっしゃる」
伯太教頭「お二人とも、お茶をどうぞ」
心愛校長「ああ、伯太教頭。 どうもありがとう」
貰ったお茶を後ろの鉢植えに入れた
すると花は枯れて、クキが粉々になってしまう
インタビュアー「学園の校長として働き、島の管理人としても働く。とても大変なことでしょう?」
心愛校長「ええ、でも子供たちのためです!」
心愛校長「私は子供が大好きですからね。 むしろ大好物と言っても良い!」
心愛校長「子供のためになる教育方針を目指しています」
インタビュアー「しかし学園内では勉強、学外では仕事。 学生たちはストレスが溜まりそうですね」
心愛校長「別に仕事は強制ではありませんし、娯楽にも気を配っています」
心愛校長「子供達の間では、とあるカードゲームが流行していましてね。 実は私も一緒に遊んでいます!」
インタビュアー「おおっ!校長先生が子供と混ざって!? 本当に子供が好きなんですね」
心愛校長「はい。子供が見せる無防備な表情とか、未発達の肉体美とか大好物です!」
心愛校長「そういうわけで、『学園ローレック』は入学者募集中です。 共に子供の自立を目指しましょう!」
インタビュアー「インタビュー、ありがとうございました」
〇血しぶき
数日後、心愛校長が殺された
頭から血を流し、近くには血まみれのトロフィーが落ちている
〇空港の待合室
エミー刑事「殺されたのは学園島『学園ローレック』の校長、心愛殿。 今朝、学園内の校長室で殺されているのを発見されました」
エミー刑事「これからこの事件の検死に回すわけですが、まあ死因は撲殺でしょう。 校長室に飾ってあったトロフィーに血がついていましたぞ」
真央「検死はまだなんだね? じゃあ、死亡推定時刻も不明?」
エミー刑事「そうですな。そこは解剖医に任せましょう」
エミー刑事「そんなことより今回の事件、困ったことがあるのです。 死体があった校長室ですが、なんと密室だったのですぞ!」
大和「密室殺人!一度お目にかかりたいと思ってたんだぜ」
エミー刑事「アイス警部は密室殺人と判明した瞬間、白目を向いて泡を吹き卒倒」
エミー刑事「私の独断により、探偵のお二人を呼ぶよう無線で連絡したのです!」
エミー刑事「感情の名探偵『真央』殿。 論理の名探偵『大和』殿。 今回も我々妖精警察の代わりに、難事件を解決して欲しいのですぞ」
エミー刑事「正直にいうと、丸投げしたいのです!」
大和「それはいいんだが、現場は孤島だったな。 てことは、これから船に乗って向かうのか?」
真央「めっちゃ嵐なんだけど・・・」
エミー刑事「でも、早く行った方がいいんです。 現場は鮮度が命ですから・・・」
船乗り「嵐の航海については、私に任せな! この海域の嵐の中。 船を出せるのは、私くらいしかいないからな」
真央「え・・・・・・?誰?」
船乗り「私は学園島に住んでいる船乗りだ」
エミー刑事「我々妖精警察も彼女に運んで頂きましたから、腕は保証済みですぞ!」
エミー刑事「では死体の搬送については、そちらのお二人にお任せします」
メノー巡査長「お任せください」
スノー巡査「ワタクシ『スノー』巡査と」
メノー巡査長「『メノー』巡査長が責任を持って本土の妖精警察にお届けします!」
真央「双子キャラが湧いて出てきた・・・・・・」
メノー巡査長「茶色って200色あんねん」
エミー刑事「お二人は学園島に住む警察ですな」
エミー刑事「別に私の部下に頼んでもよかったのですが・・・・・・」
メノー巡査長「せっかくの本土に渡れる口実です。 死体を届けるくらい、我々に任せてください!」
スノー巡査「孤島暮らしで刺激が欲しかった所っす。 久しぶりの本土でワクワクしてます!」
大和「こいつら、なんか観光気分じゃね?」
メノー巡査長「そんなことありません!」
真央「パンフレット、持ってるし・・・・・・」
スノー巡査「信じてください! 公務員として、ちゃんと仕事します」
スノー巡査「仕事はしますが、夕方になったら食事くらいは摂ってもいいっすよ?」
エミー刑事「それくらいなら・・・・・・」
メノー巡査長「私、この『ズワイガニの白鍋御前』ってのが食べたいです!」
スノー巡査「ええっ!? 絶対こっちの、『伊勢海老と真鯛の豪華船盛りプラン』の方がいいっすよ!」
エミー刑事「ふむ、死体は彼女らに任せて大丈夫ですな!」
真央「大丈夫かなぁ・・・・・・」
エミー刑事「では、我々は学園島に向かいましょう!」