第四豆 C・K・E(脚本)
〇国際会議場
政治家(男)「開けてくれええっ!!」
政治家(女)「ぐるじぃ!(ぞび) だずげで!(ぞび)」
政治家(更年期)「ぞ び び ぃ ぃ ん ! !」
〇研究施設の玄関前
フニク アズキ「なに──これ‥」
ソイラテ コウヒ「政府の者達が‥ 互いを噛み合っている!?」
フニク アズキ「これじゃあ‥まるで──」
ゾ
ン
ビ
セコイ コウカツ「──みたいじゃあないかい?」
ソイラテ コウヒ「セコイ‥!」
セコイ コウカツ「ダメだろう? あんな凶悪ウィルスを蔓延させちゃあ」
セコイ コウカツ「アズキ博士、失望したよ」
セコイ コウカツ「父親のダイズ博士の研究を 殺戮の為に利用するなんてね!」
フニク アズキ「まさか‥ 未完成のミラクルビーンを!?」
ソイラテ コウヒ「貴様、持ち出したのか‥!」
セコイ コウカツ「違うなあ」
セコイ コウカツ「博士、貴方がアレを生み出したんだ」
セコイ コウカツ「責任──取ってもらうよ」
〇黒
ソイラテ コウヒ「アズキ──ッ!!」
ソイラテ コウヒ「にげ──ろ‥!」
「いやああっ!! コーちゃんっ!!」
〇荒廃した国会議事堂の大講堂
セコイ コウカツ「あの女は殺人ウィルスを使い‥ 政府全員を感染させた!」
セコイ コウカツ「更には我が特殊部隊の上官を銃殺し 今も尚、シェルター内を逃亡中である!」
セコイ コウカツ「もはや極悪非道! 我々の未来に破滅をもたらす悪魔だ!」
セコイ コウカツ「Criminality(クリミナリティ・犯罪)」
セコイ コウカツ「Karma(カルマ・業-ごう)」
セコイ コウカツ「Enemy(エネミー・敵)」
セコイ コウカツ「頭文字に因(ちな)んで‥」
セコイ コウカツ「悪魔を戒めようではないか!」
C!
K!
E!
シー!
ケー!
イー!
〇黒背景
シー!
ケー!
イー!
シー!
ケー!
イー!
ほんと
クサッてるね
アイツがクサッてるから
シェルター民もクサッてしまった
そんなにクサりたいなら
文
字
通
り
ク
サ
ら
せ
て
や
る
〇研究開発室
フニク アズキ「寝ちゃってたか‥」
フニク アズキ(また──あの時の夢)
フニク アズキ(いつになったら‥)
フニク アズキ(この悪夢から解放されるんだろう‥)
〇研究開発室
フニク アズキ「ぷっはあ!」
フニク アズキ「さてと」
〇地下に続く階段
〇魔物の巣窟
〇新緑
〇白
フニク アズキ「今日もキレイな葉っぱだね〜」
フニク アズキ「ステキなカタチの葉脈だよ〜」
フニク アズキ「お水、美味しかったかい? 良かった良かった♪」
フニク アズキ「うん!」
フニク アズキ「皆んな、咲き誇っているね!」
〇新緑
オーレンジ「うさのほうが上手に水やりできるうさ!」
オーレンジ「あ」
レイチ「貴方には務まりませんミ〜」
レイチ「私(わたくし)が華麗に 撒(ま)いて差し上げますミィ〜♪」
フニク エマメ「こらー! メッ! 真面目にやりまたえー!」
フニク アズキ「ふふっ♪」
フニク エマメ「アズキまで‥」
フニク アズキ「ああ、マメ姉ぇゴメンね!」
フニク アズキ「なんだか、"家族"みたいだねって」
フニク アズキ「レイチ達を見てたら‥」
フニク アズキ「妹が出来たみたいで‥」
フニク アズキ「嬉しくなっちゃって──ぅええ〜ん!」
フニク エマメ「ば、バカ! 泣き止みたまえ!」
フニク エマメ「小生(ショウセイ)だって、 悲しくなってしまうだろぅ‥?」
〇魔物の巣窟
フニク アズキ(あの頃が、懐かしいなぁ)
フニク アズキ(また皆んなで、育てたいなぁ‥)
フニク アズキ(なんて、ね──)
???「毎日欠かさず、水遣りとはのぉ いやはや感心じゃわい」
マチヤ キントキ「お前さんは本当に 蘇良(そら)にそっくりじゃな」
マチヤ キントキ「びっひっひ!」
フニク アズキ「ママは変わった人だったからね」
フニク アズキ「人前に出るのが苦手だから‥」
フニク アズキ「VC(バーチャルキャラクター)で リモート講義していたし!」
マチヤ キントキ「あの兎のようなロボットねえちゃんじゃな?」
マチヤ キントキ「蘇良が依頼したデザインを元に 大豆が制作したんじゃったか‥」
マチヤ キントキ「ボンキュッボンで可愛えかったのう」
フニク アズキ「ママをそんな風に見てたんだ〜 ぞんジイの助平〜」
マチヤ キントキ「助平じゃないもん! 健全な男子じゃも〜ん!」
フニク アズキ「いやその年で 健全な男子言い張るのキツいって」
マチヤ キントキ「ふーん! いいもん!」
マチヤ キントキ「もうワシ行ってくるんじゃもーん!」
フニク アズキ「もう行くの!? 待ってよ〜!」
フニク アズキ「せめて見送るから〜!」
フニク アズキ「おっと、忘れてた!」
フニク アズキ「──また来るね」
〇地下に続く階段
マチヤ キントキ「それにのぅ? 今は"キントキ"じゃ」
マチヤ キントキ「その呼び名は、あまり好いとらんわい」
フニク アズキ「特殊個体── "植物共生人-ボタニカル・シンビオン"」
フニク アズキ「──通称"ボタニオン"の中でも、 貴方は適合率が高く、完全に自我を保ってる」
マチヤ キントキ「当然じゃ」
マチヤ キントキ「ワシは元々ロボット工学の研究者じゃぞ?」
マチヤ キントキ「ナノマシンを操るくらい、造作も無いわい」
マチヤ キントキ「お前さんが感染しないのも ワシが制御しておるからじゃ」
フニク アズキ「ふふっ! パパの師匠だもんね!」
フニク アズキ「パパが──お世話になりました」
マチヤ キントキ「──そうじゃな」
〇地下道
マチヤ キントキ「では、行ってくるのぅ」
フニク アズキ「ぞん──ううん、キントキさん」
フニク アズキ「コーちゃんを、皆んなをお願いします」
マチヤ キントキ「‥あい分かった」
マチヤ キントキ「お前さんも事が終えたら‥」
フニク アズキ「うん‥」
サ
ヤ
に
籠
る
よ
〇荒れた倉庫
マチヤ キントキ「待たせたのう」
マチヤ キントキ「今一度、問うぞ?」
マチヤ キントキ「此度(こたび)の作戦‥ 非常に厳しい戦いとなるじゃろう」
マチヤ キントキ「ここに残りたければ 作戦から外れても良かろう」
マチヤ キントキ「特に──沿螺手(そいらて)」
マチヤ キントキ「お前さんは愛透を護らねばならぬじゃろ?」
マチヤ キントキ「本当に良いのか?」
〇地下道
フニク アズキ「──どうしても行くんだね」
コーちゃん「‥アア」
コーちゃん「オレ ノ ケジメ ダカラ」
フニク アズキ「うん‥」
コーちゃん「セコイ コウカツ‥」
コーちゃん「アイツ ハ オレタチ ヲ オトシイレタ」
フニク アズキ「うん‥!」
コーちゃん「ユルセナイ‥!」
フニク アズキ「そうだね‥ボクも」
フニク アズキ「けれど‥」
フニク アズキ「ボクの代わりに報復してくれるのは ありがたいけれど‥」
フニク アズキ「このまま行ったらコーちゃんはもう‥」
フニク アズキ「帰って来ないんじゃないかって 心配で‥」
コーちゃん「アズキ‥」
フニク アズキ「ううん」
フニク アズキ「気にしないで」
フニク アズキ「ちょっと、ワガママ言っただけ」
フニク アズキ「コーちゃんにはコーちゃんの」
フニク アズキ「ボクにはボクの役目があるから」
フニク アズキ「職務放棄なんてしちゃダメだよねっ」
コーちゃん「スマナイ‥」
フニク アズキ「もう大丈夫だって」
フニク アズキ「いってらっしゃい」
〇新緑
大好きだよ
〇荒れた倉庫
コーちゃん「モンダイ ナイ」
コーちゃん「ミンナ モ ソウダロウ?」
ぞびんてーる「がうー!」
ぞびぎゃる「ぞべりばっ!」
レイチ「あの屈辱を受けた時から 覚悟は決めていましたミ!」
モノクル「れんてぃる〜! (準備OK〜!)」
マチヤ キントキ「──では行くかの」
ぞんジイ「あの、うつけ者に‥」
ぞんジイ「しっかりとお灸を据えてやらんとのぉ」
〇黒