〇ダイニング
じっちゃん「旨いのう〜」
じっちゃん「独学したんか？」
霊「まっまあな」
じっちゃん「けどいつもわしが作っておったが 急にどうしたんじゃ？」
霊「えっと・・・」
霊「元子がわたしを避けているようで」
霊「だから、少しでも仲を縮められたらなと」
元子「ふあ〜〜」
霊「お、」
霊「はよぉ」
元子「っ！」
元子「・・・」
じっちゃん「元子、この目玉焼き食ってみ」
元子「・・・いただきます」
元子「あっ」
元子「うまい」
霊「はっ」
じっちゃん「ふっふ」
元子「なに二人でにやにやして・・・」
霊「やっと見てくれた」
元子「ゲッ！」
じっちゃん「実はな？このメシは──」
じっちゃん「元子ぃ〜！ ドアは優しく閉めんかい！」
じっちゃん「あれは重症じゃぁ・・・」
霊「まともじゃないよね？」
霊「じいちゃんもあんなだった？」
じっちゃん「あれよりはマシじゃったよ、ほほほ」
霊「・・・っ」

〇ハイテクな学校

〇おしゃれな教室
クラスメイト2「ほえ〜こじらせてんな、元子」
霊「ごめん、こんな話」
クラスメイト1「全然構わないよ」
クラスメイト2「彼女いる男から言うと、当たって砕けないと変わんねえと思うよん」
クラスメイト2「彼女いる男から言うと、ね？」
クラスメイト1「っるせえな！そこ強調すんなや」
クラスメイト1「俺も学校ではこんなだけど家では違ってて」
クラスメイト1「なーんか親うっとおしいって思うんよな」
霊「へえー」
クラスメイト2「思春期おつ！」
霊「ししゅんき？」
霊（そういえば、）

〇地下倉庫
じっちゃん「思春期の男はよく分からんもんじゃぞ」

〇おしゃれな教室
霊（じいちゃんも言ってたけど、 なんだ？思春期って）
「・・・」
「・・・っ」
クラスメイト2「このままってわけにも行かないか〜」
クラスメイト1「４人で考えたこと、発表近いわけだし」
クラスメイト2「しゃーないから俺らが、 話せるきっかけつくってあげるよ」
クラスメイト1「ただし、制限時間あるんで手短にな？」
霊「・・・」

〇おしゃれな教室
　　放課後──
元子「居残り？」
クラスメイト1「そうなんだよ〜 ほら、この前のテストの結果」
クラスメイト2「俺らケツから数えたら 早いところにいたから、居残りなんよ」
クラスメイト1「だから元子にも残って、悪かったとこ 教えてほしいわけよ〜」
元子「・・・・・・わかっ、た」
クラスメイト1「じゃあ俺ら、ちょっと出てくるから！」
元子「はえ？なんでさ」
クラスメイト2「なんつーの？考える前に 血の巡り良くするためってか〜」
「じゃっ」
元子「なんか、違和感ある・・・」
霊「よお・・・」
元子「ゲッ！」
霊「そんな怖がらなくても・・・」
元子「こっこここ怖がってないよぉ！」
霊「じゃあわたしと会っても平気だろ？」
元子「平気では、いられないというかっえーと」
霊「思春期のことなら、気にしないから 堂々として良い！」
元子「・・・」
元子「ん？思春期？」
霊「ああ、それがネックだったんでしょ？」
元子「・・・っ」
元子（思春期？違うよ、そんなんじゃない）
元子（このモヤモヤは、 君と会ったときにしかならない）
元子（このモヤモヤは、きっと君が女子で）
元子（君が、君のことが、僕は──）
「お前らここでなにしてる？」
「下校時間過ぎてるぞ、用がないなら 早く帰りなさい」
元子「はっはひ！」
元子「ふぅ〜」
霊「元子、」
元子「ん？」
霊「思春期に悩んでるなら、ほかの男子に 相談してみれば良いんじゃないか」
霊「わたしを避けているのも、 そのせいなんだろ？」
元子「避けてるんじゃない！」
元子「ぼくはっ君のことす──」
「早く帰りなさいって！」
「はっはい・・・」
　　つづく