バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

S2第1話(26)(脚本)

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

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〇黒
  シェリデン王国

〇中東の街
ミレーユ「困ったわ。初日から道に迷うなんて、一体どっちへ行けばいいの?」

〇中東の街
テオフィル・ベフトン「あれは、リアリナ様と同じ制服の・・・」

〇中東の街
ミレーユ「どうしよう。このままじゃ、遅刻しちゃう」
テオフィル・ベフトン「そこのお嬢さん・・・失礼。 もしやシェリデン学園の生徒ではございませんか?」
ミレーユ「え、ええ、はい・・・」

〇中世の街並み
ミレーユ「ありがとうございます。実は道に迷ってしまって、とても困っていたのです」
テオフィル・ベフトン「そうでしたか。ちょうど、学園に用がありましたので」
テオフィル・ベフトン「お嬢様が、お忘れになりまして」
ミレーユ「それを、お忘れに?」
テオフィル・ベフトン「ええ。魔法の授業で使うようです」
ミレーユ「あの、その短剣、お貸しいただけますか」
テオフィル・ベフトン「え? あ、はい」
ミレーユ「!!」
ミレーユ「短剣に聖力をこめました。これで魔獣が寄り付かなくなります」
テオフィル・ベフトン「あなたは、もしや・・・聖女様?」

〇黒

〇教会

〇結婚式場の廊下

〇荒廃した国会議事堂の広間

〇魔法陣のある研究室
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様、聖剣作りは進んでいらっしゃいますか」
ミレーユ「あっ。リュカさん。ちょうど、今、聖力を入れ終えたところです」
ミレーユ「良かったらこちら、ご覧になっ・・・っあ」
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様、少しお休みになられたほうが」
ミレーユ「いいえ、そういうわけにはいきません」
ミレーユ「一本でも多くの聖剣を作らなくては」
ミレーユ「世界から悪魔を排除するために、日々戦い続けているデビルハンターたちのためにも」
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様・・・」
ミレーユ「それに、聖剣作りは、聖女だけのスキルですから」
ミレーユ「私が頑張らなくちゃ!」
リュカ・シャルルド・グレイ「僕は・・・、あなたの体が心配です」
リュカ・シャルルド・グレイ「あなたの代わりはどこにもいないのですよ」
リュカ・シャルルド・グレイ「無理を、なさらないでください」
ミレーユ「・・・リュカさん」
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様・・・」

〇宮殿の門

〇貴族の応接間
ギルバトル・フォルダンテ「ミレーユ・・・」
ミレーユ「ギル様!?︎」
ギルバトル・フォルダンテ「断言しよう。俺は、其方と出会える日をずっと待っていたのだ」
ギルバトル・フォルダンテ「ミレーユ。今すぐ俺の妻となって欲しい」
ミレーユ「・・・ギル様」
「待て! ギル!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユを渡すわけにはいかない!」
ギルバトル・フォルダンテ「いつもいつも、タイミングの読めぬ男であるな」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユは聖女だ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「この世界の悪魔を倒すために、彼女の力が必要なのだ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「結婚など、言語道断である!」
ギルバトル・フォルダンテ「聖女だから俺様との結婚を阻む?」
ギルバトル・フォルダンテ「あっははは! そんな体裁を振り翳さないとならないなんて、王子家業は大変であるな」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「な! なんだと!」
ギルバトル・フォルダンテ「好きだ。惚れている。そう素直にいえばいいだろう?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「わ、私には、リアリナという婚約者がいる」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユに恋心など・・・」
ギルバトル・フォルダンテ「婚約者?  ああ、国が定めた形式上の番か」
ギルバトル・フォルダンテ「そんな女、早く捨てろ。 自分の気持ちを解放するのだ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「す、捨てるなど」
ギルバトル・フォルダンテ「考えたことがあるだろう? ミレーユと恋仲になれたらと。妄想したことがあるのだろう?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・そ、そんなことあるわけが」
ミレーユ「スタン・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユ・・・」
テオフィル・ベフトン「殿下。申し訳ございません」
ミレーユ「テオさん? ・・・っきゃ!!」
テオフィル・ベフトン「殿下にミレーユ様を譲るわけにはいきません」
テオフィル・ベフトン「誰にも渡しません」

〇結婚式場の廊下
テオフィル・ベフトン「ぐは!!」
リュカ・シャルルド・グレイ「テオ。グレイ家の従者たるものが、聖女を連れ去るなど、いけませんね」
テオフィル・ベフトン「リュカ様!」
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様は、僕たち神殿のものです。おとなしく、差し出してください」
ミレーユ「ちょっと待ってください!  みんな! 落ち着いて!」
ギルバトル・フォルダンテ「ここは、誰が一番ミレーユを愛しているかで決めないか?」
リュカ・シャルルド・グレイ「ええ、構いません」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ちょっと待て! ミレーユの気持ちが大事ではないのか?」
ギルバトル・フォルダンテ「ツンデレ王子様は、そこで指でも咥えてるがいい」
ギルバトル・フォルダンテ「ミレーユ。この俺様を選んでくれるなら、この身が朽ちる瞬間まで尽くすと誓おう」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ま、待て!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「わ、わ、私は」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユが・・・好きだあ!」
テオフィル・ベフトン「お待ちください! ミレーユ様を愛しているのは私です!」
リュカ・シャルルド・グレイ「大好きです! 聖女様!」
ギルバトル・フォルダンテ「ミレーユ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユ!」
テオフィル・ベフトン「ミレーユ様!」
リュカ・シャルルド・グレイ「聖女様!」

〇黒

〇戦線のテント
リアリナ・シャルルド・グレイ「カオス!! イケボのカオス!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ミレーユルート、どこ選択しても甘々展開になるって、どゆこと?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「主人公補正最強すぎ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「てかチートハーレム展開すぎで乙女ゲーの世界観、捻じ曲がってない??」
リアリナ・シャルルド・グレイ「秒で死ぬリアリナとの扱い・・・、って!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ちょっとー!!!  運営! 今すぐ、出てこーい!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「っは! ・・・夢?」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あ、テオ・・・」

〇結婚式場の廊下
テオフィル・ベフトン「お待ちください! ミレーユ様を愛しているのは私です!」

〇戦線のテント
リアリナ・シャルルド・グレイ「あんな情熱的な告白、テオもするのね」
テオフィル・ベフトン「なんのことでしょう?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんでもないわ。夢の話よ」
テオフィル・ベフトン「よくお眠りになっていましたからね」
テオフィル・ベフトン「消火活動でお疲れになったのでしょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうだった! 前のシーズンのラストで、山一個燃やしちゃったんだった!」
テオフィル・ベフトン「もちろん、シーズン開始前に、山の鎮火は済んだことになっております」

〇山並み
テオフィル・ベフトン「背景も元通りです」

〇戦線のテント
リアリナ・シャルルド・グレイ(運営、いきなりメタいネタ、テオに喋らせるのね)
リアリナ・シャルルド・グレイ「てことは、ミレーユん家のセーブポイントからのスタートってことね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「シーズン休んでいる間にオープニング曲変わったからって」
リアリナ・シャルルド・グレイ「調子に乗って、ループされてなくて良かったわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「よし! また、ここから頑張りますか!」
テオフィル・ベフトン「夜風にあたられますか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね。少し外の空気が吸いたいわ」
テオフィル・ベフトン「では」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ありがとう、テオ」
テオフィル・ベフトン「・・・リアリナ様」
リアリナ・シャルルド・グレイ「て、テオ?」
テオフィル・ベフトン「おかえりなさいませ。リアリナ様」
リアリナ・シャルルド・グレイ「た、ただいま?」
テオフィル・ベフトン「念の為、申し上げますが、私が愛しているのは、ミレーユ様ではございませんので」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・え。あ!  ええええ???」
テオフィル・ベフトン「さあ、参りましょうか。今夜は星がよく見えますよ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね。きっと素敵な夜になるわ!」

〇月夜

〇黒

〇黒

〇山並み
リアリナ・シャルルド・グレイ「すっかり夜ね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうだわ。せっかくだし魔法で外の景色を明るくしましょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ガラスを空に浮かべて、ここに炎の魔法をかけて」
リアリナ・シャルルド・グレイ「簡易の間接照明の完成ね!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「リアルな炎、ムードでるわー!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「たくさん作って木に飾れば、クリスマスツリーみたいになるかしら」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「何だか楽しそうであるな?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ、魔法の応用って楽しいって思ってたところです」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ん? 魔法は苦手ではなかったか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それは昔の私ですわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今では火の悪魔を飼い慣らせるレベルですわよ?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「それはすごい成長だ。 其方を怒らせるのは控えねば」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あら、殿下には手加減して差し上げますわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ははっ・・さて」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そろそろ私は城へと戻る」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そなたは、今夜はここで過ごすつもりか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ。この後ミレーユと夜空を見ながら女子会するの!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なんだか、仲良くなったみたいだな」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね。いろいろあったおかげで、ミレーユのこと信じられるようになったの」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「友が増えることは良いことだ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「つまりここに来たかったのは、ミレーユと仲良くなりたかったからか」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「だから、ミレーユの家にいかせろと、せがんだのだな」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そういうことにしておきますわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ん? どうした?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「明日、私に告げることがあるのでしょう?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「と、突然、何を言う!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もう隠さないでいいのです。殿下」

〇黒
  この呪いがあと何回ループするかわからない
  またループすることになっても
  私の死に関係なく、
  この世界のミレーユとスタンは、未来を紡いでいく
  彼らが進む未来は、リアリナシャルルドグレイがいない世界
  だから、未来が明るいものになることを願ってるって、伝えなくちゃ
  私が死んだ後も、二人が手を取り合えるように

〇山並み
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下の提案を受け入れます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「この先、何が起きても、ミレーユを幸せにしてあげてください」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ちょ、ちょっと待て!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「提案とは何だ? ミレーユがどうして出てくる?」
「わあああー!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何事?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナはここで待て」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でも!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「動くな。 その魔法陣の外に出るな」
リアリナ・シャルルド・グレイ「って、拘束魔法かけられたら出られないじゃない!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタンのバカー!」

〇レンガ造りの家
スタン護衛兵_従者1「グアアアアア!!」
ツヴァイ「・・・ふう」
「止まれ!」
テオフィル・ベフトン「この屋敷には、一歩たりとも入らせない!」
ツヴァイ「邪魔だ! 雑魚が!」
テオフィル・ベフトン「ぐはっ!」
ツヴァイ「ふう・・・手間かけさせんな!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「お前たち一体何者だ?」
ツヴァイ「どうしてここに王子様がいるんだ?」
アインス「っち。面倒だな・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ここは聖女の邸宅だ。 大人しく去るが良い」
ツヴァイ「そう言うわけにもいかねえんだよ!」
ミレーユ「一体、何事です!」
ミレーユ「きゃああ! 離しなさい!」
ミレーユ「!!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ミレーユ!」

〇黒
  ──

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