〇沖合
エース「・・・」
エース「へ　生きてる」
　　私は戦闘機に包まれたままぷかりぷかりと海に浮かんでいる
エース「もう　これ　壊れてるわ　動かない」
　　どこのボタンを押しても反応がない
エース「どうする・・・？」
エース「大きな海にひとりぼっち」
エース「みんなはどこに行ったの」
エース「さみしい」
　　このままどこにも帰れないのかな

〇戦闘機の操縦席（滑走路）
おんぼろ戦闘機「よお　嬢ちゃん」

〇沖合
エース「わあ　戦闘機が喋った」
　　私の隣におんぼろの戦闘機がとまった
おんぼろ戦闘機「嬢ちゃんは喋らないやつに乗ってたのかい？ 戦闘機を見る目がないねえ」
エース「普通は喋らないでしょ」
おんぼろ戦闘機「普通を疑わなくちゃ」
エース「それはそうだね」
おんぼろ戦闘機「助けてやろうか」
エース「上から目線が気に入らない 私を助ける機会に恵まれたと思いなさい」
おんぼろ戦闘機「おもろいな　嬢ちゃん 乗れよ」
エース「うん」

〇戦闘機の操縦席（滑走路）
エース「どこ行くの」
おんぼろ戦闘機「行きたいところはないのか？」
エース「どこ行ったらいいかわかんない」
おんぼろ戦闘機「じゃあ　ずっと俺の中にいたらいい」
エース「いいの？」
おんぼろ戦闘機「いいよ」
エース「わーい♪」
エース「なんか　眠くなってきた」
おんぼろ戦闘機「寝てていいよ 寝顔がかわいい」
エース「へっ」
おんぼろ戦闘機「守りたくなる」
エース「そっか　じゃあ　ずっと守ってね」
おんぼろ戦闘機「ああ　もちろんだ」