ゲーム三銃士

Watoto/3134

5章 潜伏者への暗殺命令。(脚本)

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〇黒
  注意!
  今回の章は流血表現が少し含まれています
  もし苦手な方が居ましたら、
  この章を飛ばして読んで下さい。
  ・・・それでは、本編始まります!

〇森の中のオフィス(看板無し)
  とある日の昼下がり、
  事務所にて・・・

〇明るいリビング
海世 永和「えっと・・・ ここが倍数になっているから・・・」
宮下 花奏「・・・う~ん?」
陸尾 航「お二人さん、昼飯できたぞー 少し休憩でも挟んだらどうだ?」
海世 永和「おう、ありがとうよ。 そんじゃ、休憩がてら 昼メシでも食うか・・・」
  また、いつもどおりの日々が
  過ぎようとしていた・・・
  『プルルルル・・・』
  ──携帯の着信音が鳴り響く。
海世 永和(平保から電話か・・・)
海世 永和「すまねぇ、ちょっと電話出てくる・・・」
陸尾 航「おう」
宮下 花奏「そういえば今日、快飛さんは・・・? 朝から見かけていませんが・・・」
陸尾 航「あぁ、あいつはたしか・・・ 新しい防弾チョッキの合同研究とかで 早朝から居ないんだ・・・」
宮下 花奏「そうなんですか・・・」
海世 永和「航、平保から呼び出されたから、 家の事はたのむぞ?」
陸尾 航「おうよ! 任せとけ!」
「あっ!あと車使うからな!」
陸尾 航「はいよ〜」

〇走行する車内
海世 永和「まさか急に呼び出されるとは・・・ 何事なのか・・・」
  不安を胸に、永和は平保へと向かう──

〇大企業のオフィスビル
  平和保護局にて・・・

〇大会議室
海世 永和「それで、何故俺だけを 呼び出したんですか?」
宮下 孝行「簡潔に言おう、永和 君に潜入捜査をしてほしい。 頼めるか?」
海世 永和「・・・詳細を」
宮下 孝行「ここ最近、とある裏組織の活動が 活発化している事が分かった」
宮下 孝行「その裏組織に最近、武器製作のプロ・・・ 言わば、人を傷つける為のノウハウがある ヤツが入ったらしい・・・」
海世 永和「・・・!!」
宮下 孝行「もしかしたら平和を脅かす兵器を 作り上げているかもしれない・・・ そこでだ──」
宮下 孝行「君に潜入捜査をしてもらい、 武器製作のプロ、作られている兵器、 そしてその組織の構成員の詳細 を知らせてほしい」
宮下 孝行「・・・頼めるか?」
海世 永和「・・・分かりました」
宮下 孝行「組織の場所は菅田が調べている、 情報が集まり次第潜入捜査を開始する。 それまで準備をしておいてくれ」

〇黒
  そして、二週間が経った頃・・・

〇街中の道路
海世 永和(確かここの通りのバーだったっけか・・・)
  ──町中の少し寂れたバーに入る、
  1人の青年の姿があった・・・
海世 永和「・・・! ここか!!」

〇シックなバー
  『カランカラン・・・』
マスター「こんな時間に客とは、珍しいね ・・・ご注文は?」
  寡黙そうなマスターが尋ねる──
海世 永和「『赤い雫』」
マスター「・・・『年代は?』」
  マスターの目の色が変わった──
海世 永和「『1945年』」
マスター「・・・見たことない顔だが、新入りか? あんた、名前は?」
海世 永和「海世、とだけ名乗っておきましょう」
マスター「そうか・・・ 施設の場所はこの紙に書いてある──」
  マスターがメモをカウンター上に出す──
マスター「・・・施設に入ったら総帥への 挨拶を済ませろ、 まぁ、分かってるだろうがな・・・ それと──」
マスター「この世界は過酷だ、 生半可な気持ちで辞めるなよ。 ・・・明日の朝には脈が無くなるぞ」
海世 永和「・・・分かっていますよ、 この世界に足を踏み入れる危険性は・・・」
  『カランカラン・・・』
  そう言いながら、
  永和はマスターに案内された
  場所へと向かった・・・

〇山奥の研究所
  メモに書かれていた場所へ向かうと、
  うっそうとした森の中に
  研究所らしき建物が見えた──

〇ブリーフィングルーム
  入り口から入り、長い廊下を進むと、
  会議室らしき場所に着いた。
海世 永和(施設内はかなり広いな・・・ これじゃ、強行突破は無理そうだ・・・)
「やぁやぁ、始めまして」
海世 永和「──!!」
上島 宗田「おやおや、そこまで警戒するとは・・・」
  すると、少し年老いた男性が現れた──
海世 永和「これはこれは・・・失礼いたしました」
上島 宗田「・・・さて、海世永和さん ようこそ、『KWM』へ・・・ 総帥は現在不在なので、 簡易的に済ましますが・・・」
上島 宗田「私の名は『上島宗田』(うえしまそうた) 偽名ですがね。 以後、お見知り置きを・・・」
海世 永和「よろしくお願いします」
海世 永和(・・・と言うことは、総帥が 戻ってくるまで滞在する必要が あるのか・・・)
  ──話を聞きながらも永和は
  考えを巡らせる、すると────
上島 宗田「・・・さて、早速あなたには 着替えてもらって 任務に向かっていただきます」
上島 宗田「迎えを用意しているのでね、 ──そろそろ来るはずです」
ハル「副総長様、ただいま戻りました・・・ ・・・このお方は?」
  ──若々しい女性が現れた。
上島 宗田「あぁ、新しいメンバーだ、 仲良くしてあげてくれ」
ハル「この前話されていた 新しいメンバー・・・ですか」
上島 宗田「そうだ、コードネームはそうだな・・・ ・・・『深海』とでもしておくか・・・」
ハル「『深海』・・・分かりました」
上島 宗田「『深海』に衣装を渡し次第、 任務に取り掛かってくれ ・・・分かったな?」
ハル「はっ・・・分かりました──」
  ──女性が永和の方を向く
ハル「コードネーム『深海』、私は『ハル』 あなたの同僚、よろしく・・・」
海世 永和「よろしくお願いします」
  互いに挨拶を済ます──
ハル「それじゃあ私について来て・・・」
ハル「失礼しました、副総帥様・・・」
海世 永和「失礼しました・・・」
上島 宗田「・・・偶然か必然か、それとも・・・」

〇宿舎の部屋
  その後、永和は共同の寝室へと案内された
ハル「ここが貴方が寝る所、共同だけど・・・ 左の下段が貴方のとこだから、 好きに使って・・・」
海世 永和「・・・一つ聞いていいか?」
ハル「・・・何?」
海世 永和「・・・他のメンバーとやらは?」
ハル「・・・今は組織全体が忙しくなっている、 だから皆任務に取り掛かってる・・・ ・・・そうだ」
ハル「・・・貴方の手荷物全て回収させて頂くわ」
海世 永和(・・・やはり回収されるか・・・ 外への連絡をどう行うかが課題だな・・・)
海世 永和「・・・はい」
  永和は持っていた財布や携帯電話などを
  ハルに渡した・・・
ハル「・・・念の為にボディーチェックさせて」
海世 永和「えぇ、どうぞ・・・」
ハル「・・・」
ハル「・・・問題なし」
ハル「・・・それじゃあ、左の下段に置いてある スーツに着替えたら、 このトランシーバーを使って呼んで・・・」
海世 永和「・・・はぁ」

〇黒
  数分後・・・

〇施設の廊下
ハル「・・・着替え終わったみたいね、 それじゃあ行きましょう、付いて来て」
シンカイ「はい」

〇走行する車内
  現場へと向かう車内にて・・・
ハル「今回の任務は『護衛』・・・ と言ってもほぼ監視に近しいけど──」
ハル「港近くにある倉庫で武器の取引が 行われる、その取引の相手が 危害を加えてこないように監視する。 ・・・それだけ」
シンカイ「・・・もし危害を加えてくるような 相手だった場合は?」
ハル「即刻、撃退する ・・・そういえば貴方、銃を扱えるの?」
シンカイ「一応・・・基礎的なことなら 人並みには出来るかと・・・」
  車内では淡々とした会話が続く・・・
ハル「・・・一応渡しておくわ KWMで作ったハンドガン・・・」
  そう言うとハルはポケットから
  ハンドガンを取り出し、
  シンカイに渡した・・・
シンカイ(・・・至って普通のハンドガンだ、 特に変なところは見られない・・・)
ハル「・・・さぁ、そろそろ着くわ 準備して!」

〇港の倉庫
  車から出ると大きな倉庫が目の前にあった
  ・・・人の気配はなく、よく見ると
  所々壁が剥がれている・・・
ハル「・・・深海、ここの扉の前で何時でも 動けるように準備しておいて。 私は先に着いてるメンバーと話してくる、 頼んだわ・・・」
シンカイ「はい・・・」
  息を潜め、扉に背を付ける・・・
  すると、中の声がうっすらと聞こえてくる

〇ボロい倉庫の中
???「・・・ですので、 今回はこの値段でしか提供できません、 ・・・お金が無い様でしたら、 今回の取引は中止となります」
???「黙っていれば偉そうにしやがって! 大体、こんな物のどこに 3桁の値が付くんだ!?」
  ──恐らく、値段設定のことで
  揉めているのだろう・・・
武器商「お客様、落ち着いて下さい、 それ以上危害を加えるようでございますと こちらも相応の対応を しなければなりません・・・」
ギャング「ええい!鬱陶しい!! この場でお前を撃って、奪ってやる!! 野郎共!出てこい!!」

〇港の倉庫
  ・・・
シンカイ「──まずいな、このままだと・・・」
  その瞬間、銃声が鳴り響いた──
シンカイ「・・・!!」
  シンカイは扉に身を隠しながら扉を開け、
  倉庫へと入っていった・・・

〇ボロい倉庫の中
シンカイ「KWMだ! 大人しく降伏しろ!」
  中に入るとそこには、死屍累々の光景が
  広がっていた──
  死体らしきものの中には、
  KWMの服を着た人も見える──
ギャング「へっ! 誰が降伏などするもんか! 鉛玉でも喰らいやがれ!」
シンカイ「降伏する気が無いなら・・・ 無理矢理にまでも降伏させるまで!」
  シンカイはハルから貰った
  ハンドガンを構え──
ギャング「ぐッ・・・」
  ──相手の手元にある武器のみを
  正確に撃ち抜いた
シンカイ「コレで戦力差が分かったでしょう? ・・・大人しく降伏して下さい」
ギャング「・・・舐めやがってェ!」
  するとギャングは、
  シンカイに殴りかかってきた──
シンカイ「・・・!!」
  シンカイは近くに落ちていた
  鉄パイプを拾うが・・・
客「ぐわァッ・・・」
  ──遠くから飛んできた弾丸が
  客の左胸を貫いた・・・
シンカイ「・・・」
  ──弾丸が飛んできた方向を見ると、
  KWMの制服を着た男性が、
  『こっちに来い』
  とハンドシグナルで伝えていた──
シンカイ「・・・どうなされました?」
  ──男性の方に近づきながら聞く
アカシア「すまない・・・ 仲間がヤツらに捕まっちまった・・・ 助けてやってくれないか・・・?」
  ──どうやら仲間達が客たちに
  捕まってしまった様だ・・・
シンカイ「・・・分かりました、 私は外から、貴方は中から近づいて下さい」
アカシア「・・・あぁ、分かった」

〇港の倉庫
  シンカイは鉄パイプを片手に、
  外側から回り込む──
シンカイ(・・・なるべく音を立てずに・・・)
  ──なんとか扉の前に着いたが、
  ここでとある事に気づく──
シンカイ(・・・! 内側から鍵が掛かってやがる!!)
シンカイ「・・・まずいぞ、このままだと・・・」

〇古い倉庫の中
  その頃、倉庫内では──
ギャング「ヘッ! 流石にKWMだろうが、 味方を人質にされちゃあ 手も足も出ないか!」
ハル(・・・まいったな・・・ このままだときっと・・・)
ギャング「ん? そこの姉ちゃん、いい体してんじゃねぇか ・・・俺の妻として受け入れてやろうか? まぁ──」
ギャング「『はい』と言わなけりゃ 鉛玉ぶち込むがな! ギャハハハ!!」
ハル「・・・」
ギャング「あ゙ぁ゙? 何だその反抗的な目は? ・・・俺がテメェの命握ってるって 分からせなきゃいけねぇみてぇだな?」
ハル(・・・しまった!? いつものクセで睨んでしまった!)
ギャング「・・・ちょうど良い、 鉄パイプがあるし、反抗したら こうなるって見せつけてやるよ!」
ハル「・・・ッ」
  ギャングが鉄パイプを
  振り上げたその瞬間──
ギャング「うッ・・・」
ハル「・・・!?」
  何処からか飛んできた弾丸が、
  ギャングの手元を撃ち抜いた──!!
ギャングの仲間「──!! 上だ!上の窓に誰か居るぞ!」
  ──皆が一斉に窓の方を向くと、
  そこには──
ハル「──『深海』!」
ギャングの仲間「えぇい!テメェら!ヤツを撃ち抜け!」
  シンカイの方に銃が向けられるが──
ギャングの仲間「ヴッ・・・!?」
アカシア「手を頭に乗せな! じゃねぇと乗せる頭が無くなるぞ!」
ギャングの仲間「くッ・・・ 駄目だったか・・・」
ハル「アカシア・・・」
アカシア「おっ大丈夫か?ハルの姉貴?」
ハル「姉貴と呼ぶな、しかも人前で・・・」
  ──こうして、シンカイの初任務は
  終わった──

〇黒
  ──そしてその後も様々な任務をこなし、
  裏で着実に情報を集めていた──
  そんな最中、潜入捜査最大の
  ピンチが訪れる──

〇走行する車内
  この日の任務は、
  研究施設の情報を盗む事であった──
シンカイ「・・・今回もなんとかなりましたね」
ハル「・・・あぁ、そうだな・・・」
  様々な任務を共にしていた為、
  ハルとも仲良くなっていた──
  施設へ帰っている、その時だった──
  何処からか聞こえた発砲音──
  辺りを見回すと──
シンカイ「・・・後ろの車からだ!!」
  ミラー越しに後ろを見ると、
  そこにはフロントガラスが割れ、
  中から拳銃を握る手が見える車があった─
ハル「なぁシンカイ、どうする?」
シンカイ「・・・この先左に曲がって山に入ります、 人気の無い山中なら多少スピードを 上げてもバレません」
ハル「・・・『峠で撒く』と言うことか・・・」
シンカイ「・・・しっかり掴まっていて下さい、 ケガしますよ?」
ハル「・・・分かった」
  後方の車から逃げる様に、
  人気の無い山道へと入って行く──

〇黒
  その日は生憎の大雨だったが、
  シンカイは道路の状況を上手く利用し、
  逃げ切ることに成功した──

〇走行する車内
シンカイ「・・・よし、巻いたな」
ハル「はァ、はァ・・・ 怖かったぁ・・・」
  危険な運転に息を上げるハル、
  すると突然、何かを思い出し──
ハル「・・・そこの公園で休もうか」
シンカイ「・・・そうですね」
  公園に寄る事になった。

〇丘の上
  公園につく頃には雨は止んでおり、
  外に出る2人──
シンカイ「スゥー・・・ハァー・・・ 今日も疲れましたね・・・」
ハル「あぁそうだな・・・ ・・・」
  深呼吸するシンカイ、すると──
  『カチャ・・・』
シンカイ「・・・なんのマネですか?」
  背後から銃を構えられる──
ハル「・・・申し訳ない、シンカイ 貴方には、ここで死んでもらう──」
シンカイ「・・・そうですか・・・」
ハル「・・・アッサリと受け入れるんだな・・・」
シンカイ「上からの命令でしょう? ・・・これが貴方自身の判断でなけりゃ 受け入れますよ」
シンカイ「──俺を殺して、暇ができたら、 福竜町の端っこにある事務所に よって下さい。 そこに俺の友人が居ます。 友人には──」
シンカイ「『アイツは殉職した』 ・・・とでも伝えて下さい、 それだけして下さい、約束です」
ハル「・・・自分で伝えろ、 紙とペンぐらいなら渡しただろう?」
シンカイ「・・・いえ、貴方が伝えて下さい」
ハル「・・・なぜ、そこまで私を強いる?」
シンカイ「・・・『貴方を助けたいから』 ・・・それじゃ駄目ですか?」
ハル「・・・助けたいって、私は別に・・・」
シンカイ「・・・銃を握ってる指が震えてますよ」
ハル「・・・」
シンカイ「・・・ここに入って来て、 貴方と仲良くなって気づいたんです、 いつも、『銃を握る手が震えている』──」
シンカイ「──貴方、人を殺したくないのでは? ・・・こんな世界から 逃げたいんじゃないんですか?」
ハル「・・・ははは、そんな事まで バレてる様だと、裏組織には 向いていないな、私ったら・・・」
シンカイ「──俺の親友がきっと助けます、 だから、俺を殺したら、 事務所に向かってください、 ・・・貴方を思って言ってます」
ハル「・・・なんで、貴方は、そこまでして、 私を助けようとする? 始めから助からないと、 分かっているでしょう?」
シンカイ「・・・俺にも分かりませんが、 俺の親友がよく言うんです、 『この命を捨てても、誰かを助けたい』 ・・・って」
ハル「・・・本当にバカな人・・・」

〇血しぶき
  『パァン・・・』
  ──静かな夜に一つの銃声が轟いた

〇丘の上
  ハルが目を開くと
  目を見開いたシンカイが倒れており、
  胸部から血があふれシンカイの体の下には、赤い水溜りが出来ていた。
ハル「・・・最期まで信じてくれてありがとう、 ・・・駄目だな、こんなに辛いなら、 スパイになんかなれないよな・・・」
ハル「──さよなら、シンカイ・・・ いや、『海世永和』・・・」
  ハルは車に乗り込み、
  名残り惜しいように公園を去った──
「・・・」

〇黒
  ・・・シンカイが撃たれ、3日が経った頃

〇走行する車内
  ハルは、副総帥の命令の元、
  とある場所に向かっていた──
ハル「・・・」

〇丘の上
ハル「・・・場所は、ここか・・・」
  少し不信感を抱きながらも、
  副総帥を待つ──
宇野 真「・・・フフフ」
ハル「──! 副総帥さ・・ま・・・?」
宇野 真「いや、総帥様と呼べ」
ハル「そ、総帥様・・・ 本日はいかがなご要件で・・・?」
宇野 真「・・・3日前、ここでお前は スパイを撃った、実に見事だった だが──」
宇野 真「そのスパイに感化させられ、 身内を調べ始める不届き者を 始末せねばなるまい・・・」
  総帥がハルに向けて銃を構える──
宇野 真「・・・何か言い遺すことはあるか?」
ハル「いえ、組織を裏切ると言うことは こう言う事、理解しています・・・」
宇野 真「フッ、流石だな・・・ 痛みを伴わない様に撃ってやろう・・・」
宇野 真「・・・さらばだ」
  ・・・総帥が引き金に指をかけた、
  その時だった──

〇黒
???「・・・奥義『尼水』」

〇丘の上
宇野 真「グゥッ・・・!!」
  ハルが目を開けると、
  そこにはシンカイ、いや、海世永和に
  そっくりな男が竹刀を片手に立っていた─
ハル「な・・・シンカイ!?」
海世 永和「待たせたな、地獄から蘇ったぜ!」
宇野 真「なッ・・・何故生きている・・・ 貴様は殺されたはずじゃ・・・」
海世 永和「・・・確かにアレだけの赤い液体が 出てたら、普通の人なら 死んでると思う・・・」
海世 永和「じゃあ、赤い液体の出る防弾チョッキを 着ていたら?」
宇野 真「・・・!?」
ハル「・・・そう言う事だったのか・・・」
海世 永和「さぁ! 総帥、あんたを今捕まえてやる!」
宇野 真「・・・2人仲良くあの世に送ってやる!」
海世 永和「ハルさん、あなたは逃げて下さい! 私が何とかします!」
ハル「あぁ、分かった!」
宇野 真「まずは貴様からだ! 潜伏者!」
海世 永和「かかってこい!」
  すると総帥は刀を取り出した──
宇野 真「貴様は苦しんで死ぬがよい!」
海世 永和「遅いな──!」
宇野 真「グゥッ・・・ハァッ・・・」
海世 永和「・・・案外呆気なかったな、 ・・・ま、ジジイ相手じゃ 体力の差ってやつがな・・・」

〇黒
  ──その後、組織内の者の密告により
  総帥が捕まり、KWMは壊滅。
  KWMに入っていたメンバーは
  海世永和の好意により──
  希望者のみ平和保護局の特殊攻撃部隊に
  入る事になった。
  また、武器製作のプロフェッショナル
  については──
  平和保護局の武器研究科に
  入る事になり、
  日夜、安全な抑制効果のある器具を
  研究しているとか・・・
  こうして、海世永和の潜入捜査は
  幕を閉じた──
  ・・・数週間後

〇シックなカフェ
  町中にできたとあるカフェに
  一人の青年の姿があった・・・
篠田 桜「・・・そんな事があったの!?」
海世 永和「おぉ、俺が見たら何故か額に 傷が付いてるだけだったね・・・ 一瞬、人なのか疑ったよ・・・」
  その青年と話す店員は、
  とても魅力的な方だと言う・・・

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