4 AI犬(脚本)
〇オフィスのフロア
夕方、俺はいつもの様に夏目グループへと納品に来ていた。
浮島翔子「AIのデータとメモリーパック・・・ボイスシステムとその他色々・・・」
浮島翔子「えぇ!バッチリ確認したわ!」
青山純「・・・ありがとうございます!」
青山純「あの、質問宜しいですか?」
浮島翔子「ん?何かしら?」
青山純「浮島さんの部署では、今はどんな商品を作成してるんですか?」
浮島翔子「あぁ、今?簡潔に話すと、お喋りが出来る玩具を作ってるわ・・・例えば、小学校とかの学童とか、老人ホームにいる人達の」
浮島翔子「話し相手にする為にね・・・」
青山純「ん?子供やお年寄りがターゲットなんですか?」
浮島翔子「内で正式に受けてる依頼よ・・・ほら、子供は勉強したり遊んだりする時って、常に親と一緒じゃ無かったり、」
浮島翔子「お年寄りも常に誰かと一緒にいたりする事って無いでしょ?突発的に起こる孤独感に耐えられない人をケアする為に、」
浮島翔子「AIやボイス機能を取り入れた玩具を日々開発してるのよ・・・あなたも経験した事あるでしょ?突然独りでいるのが」
浮島翔子「怖くなる事・・・」
青山純「あぁ、確かにありますね・・・」
浮島翔子「えぇ、そう言う不安を取り除く為にAIとかを採用してるの・・・例えばそうね・・・これはどうかしら・・・」
浮島さんは近くにあった犬の様な物を俺の前に差し出す。すると、
AI犬「始めまして!あなたの名前を教えてね!」
青山純「え、えぇ!?犬が喋った!?」
浮島翔子「何を驚いてるのよ?これロボットだから・・・」
青山純「あ、あぁ、そうでしたね・・・しかし良く出来てるなぁ・・・」
浮島翔子「でしょ?質問にハッキリ答えたらAIが記憶してくれるから、話し相手には持って来いよ!」
浮島翔子「まぁ一番肝心なのは、人に話せない事を話せる事かしらね?そう言う人達の事も視野に入れてるから・・・」
青山純「なるほど・・・こう言うのに内の製品が使われてるのか・・・」
青山純「今日もありがとうございました!また何かあれば言って下さい!」
浮島翔子「こちらこそいつも助かってるわ!またお願いね!」
青山純「はい!」
浮島翔子「さてと、急に連れ出してごめんね・・・ゆっくり休んで頂戴・・・」
AI犬「大丈夫だよ翔子ちゃん!いつもお仕事お疲れ様!」
〇おしゃれな受付
青山純「ん?あれは・・・」
明石文雄「なぁなぁ彩葉ちゃん!今晩一緒に食事しない?良い店見つけたんだよ!」
明石文雄「飯も酒も美味くてさ!俺見たいなエリートじゃ無いと中々行けない店なんだ!俺が全部奢るからさ!一緒に行こうよ!」
明石文雄「夜景も綺麗だし一度見たら忘れられないよ!だからさぁ!」
青山純「すみません、通りまーす・・・」
神崎彩葉「あ、青山さんお疲れ様です!」
明石文雄「えぇ!何で俺の事はずっとシカトしててその低学歴には口聞くんだよ!?」
青山純「あ、うん・・・お疲れ様です・・・」
神崎彩葉「青山さん、お仕事は終わりですか?」
青山純「あ、うん、終わった・・・」
神崎彩葉「そうですか、お疲れ様です・・・」
神崎彩葉「あの、良かったらこの後食事とかどうですか?良いお店見つけたんです!」
青山純「あ、良いよ?でも一度戻らないと行けないけど・・・」
神崎彩葉「え!本当ですか!?ありがとうございます!待ってますからね!」
明石文雄「え、えぇ!?何でそいつなんだよ!?俺の方が超絶優秀なんだぜ!?」
神崎彩葉「あの、待ち合わせとかどうしましょうか?」
青山純「そうだな・・・取り合えず・・・」
明石文雄「おおおおい!さっきから無視するなぁ!!」
神崎さんから食事に誘われた俺は、この後暇だと言う事もあり、彼女の誘いに乗る事にした。