ありがとうを届けに

夏目心 KOKORONATSUME

2 ばあちゃんからの言葉 後編(脚本)

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〇オフィスのフロア
青山純「失礼致します!」
浮島翔子「青山君!お待ちしていたわ!」
青山純「はい、浮島さん・・・こちら、本日の納品物です・・・」
浮島翔子「教育方のAIチップにその他諸々の精密機材・・・」
浮島翔子「うん!バッチリ確認したわ!」
青山純「ありがとうございます・・・こちらにサインお願いします!」
浮島翔子「えぇ、少し待ってて!」
青山純「はい、確かにお引渡ししました・・・」
浮島翔子「いつもお疲れ様・・・ねぇ、ちょっと聞きたいんだけどさ・・・」
青山純「ん?どうしましたか?」
浮島翔子「ここに来る途中、内の部署の明石って名前の男見なかった?」
青山純「明石さん?あぁ、さっき1階の受付で女の子口説いてましたよ?」
浮島翔子「あぁ、またやってたのね・・・」
浮島翔子「申し訳無いんだけど、もしまた見かけたりしたら、早く戻って来いって私が言ってた事伝えて置いて貰える?」
浮島翔子「こっちは仕事がまだ残ってるからって・・・」
青山純「あぁ、はい・・・もし見掛けたらそうします・・・それでは・・・」
浮島翔子「全く、恋愛するのは勝手だけど、ちょっとは考えて欲しいわね・・・」

〇オフィスの廊下
青山純「さて、次の案件は・・・」
明石文雄「おいお前!」
青山純「あ、明石さん・・・」
明石文雄「さっきは良くも邪魔してくれたなぁ!」
青山純「え?何の事です?」
明石文雄「惚けるな!さっき俺が彩葉ちゃんを食事に誘ってたのを邪魔しただろ!」
青山純「い、いや、そんな事したつもり無いと言うか、先ず俺仕事で来ただけなんですが・・・」
明石文雄「仕事で来ただけだと!?俺の邪魔をしに来たの間違いだろ!!」
青山純「いやいや、何でそうなるかな・・・」
明石文雄「良いか!俺の父親はこの夏目グループの社長で俺はその息子であり御曹司!そして一流大卒の超エリートだ!」
明石文雄「そんで持ってお前はどこの大学出身だ!?」
青山純「いや、あの・・・高卒ですが・・・」
明石文雄「高卒だって!?何だよそれ!この俺様の足元にも及ばない奴じゃ無いか!彩葉ちゃんはどうしてこんな奴に構うんだ?」
明石文雄「高卒だから下請けの仕事しか出来ませんってか?超受けるわ!!」
青山純「・・・あの、さっき浮島さんがあなたの事捜してましたよ?」
明石文雄「え?部長が?」
青山純「仕事がどうたらこうたらでカンカンでしたが・・・」
明石文雄「あ、やべ!報告とかまだだった!」
明石文雄「あぁそれはそうとな!お前、これ以上俺の彩葉ちゃんに変に絡んで見ろ!二度とお日様を拝めなくしてやるからな!」
青山純「・・・あんたの都合なんて知らないよ・・・」

〇おしゃれな受付
青山純「・・・・・・」
神崎彩葉「あ、青山さん!お疲れ様です!もうお帰りですか?」
青山純「あ、神崎さん、うん、やる事終わったから・・・」
神崎彩葉「いつもお疲れ様です!」
神崎彩葉「あ、あの、さっき明石さんとすれ違いませんでしたか?」
青山純「え?あぁ、すれ違ったよ・・・やたら嫌味言われたけど・・・」
神崎彩葉「あぁやっぱり・・・内の方が申し訳無いです・・・あの人自分の実績を鼻に掛ける人だから、ここの人達も」
神崎彩葉「余り関わりたく無い人が多くて・・・」
青山純「まぁ、見て分かるよ・・・そもそもまだ昼間で休憩時間じゃ無いのにあんな事してれば尚更・・・」
神崎彩葉「はい・・・ですが、気を悪くしないで下さいね!青山さんが、基夏目工房が取引してくれてるお陰でこの職場も」
神崎彩葉「出来る事がありますから!」
青山純「・・・うん、そう言ってくれると本当嬉しいよ・・・こちらこそいつもありがとう・・・」
神崎彩葉「え、えぇ!?寧ろお礼を言うのはあたし達の方では!?」
青山純「知らないの?自分が嬉しい事や良い事をして貰ったら、ありがとうって言うのと、自分が間違ったり悪い事したりしたら、」
青山純「ごめんなさいって言うのが礼儀なんだぜ?」
神崎彩葉「お、おぉ・・・!!」
青山純「それじゃあ俺行くよ・・・今日電車だから早く戻らないとだから・・・」
神崎彩葉「あ!待って下さい!」
青山純「ん?」
神崎彩葉「これ、良かったら受け取って下さい!」
青山純「これは?」
神崎彩葉「あたしの連絡先です!時間がある時があったら・・・」
青山純「・・・分かった、その時は宜しくね・・・」
神崎彩葉「はい!」
神崎彩葉「・・・・・・」
神崎彩葉「ヤバい、めっちゃカッコいい・・・」

次のエピソード:3 強さと優しさ

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