1 ばあちゃんからの言葉 前編(脚本)
〇実家の居間
青山純「おばあちゃん!ただいま!」
おばあちゃん「おぉ純!戻って来たんだね!お煎餅とお茶があるけど、食べてくかい?」
青山純「本当!?直ぐ食べたい!」
おばあちゃん「そうかいそうかい・・・それじゃあこっちにおいで・・・」
子供がおばあちゃんから煎餅とお茶があると聞いて、子供はおばあちゃんの誘いに乗る。煎餅を食べて子供は満足そうに。
青山純「ご馳走様でした!」
おばあちゃん「おぉ、ちゃんと言えて偉いね・・・」
青山純「えへへ・・・」
おばあちゃん「あのね純・・・」
青山純「ん?どうしたのおばあちゃん?」
おばあちゃん「自分が嬉しい事、良い事をして貰ったらありがとう・・・」
おばあちゃん「自分が間違ってたり悪い事をしたらごめんなさいって、そう言える大人になるんだよ・・・これは取っても大切な事で、」
おばあちゃん「とても大事な事なんだよ・・・これがちゃんと言える様になれば、純は一人前になれるよ・・・」
青山純「えぇ!それ本当なの!?」
おばあちゃん「あぁ!本当さ!今おばあちゃんが言った事、絶対忘れちゃ駄目だからね・・・」
青山純「うん!僕絶対忘れない!ありがとうとごめんなさい言える様にするね!」
〇電車の中
青山純「ん、んん・・・」
青山純「ん?あれ?俺寝てたのか・・・しかもまたあの夢を見てたのか、俺・・・」
俺の名前は青山純。下請けのサラリーマンで今は取引先に1人で赴いている所だ。
さっきまで子供の頃に世話になったばあちゃんの夢を見ていたが、あの夢を見るのは一度や二度の事では無い。
今となってはもう何度も見ているのだ。
青山純「ありがとうとごめんなさいをちゃんと言えば一人前・・・か・・・」
青山純「さて、荷物の確認しなきゃ・・・」
〇おしゃれな受付
青山純「やっと到着・・・さてと・・・」
青山純「ん?」
明石文雄「なぁなぁ彩葉ちゃん!今日こそは俺と一緒に食事行こうよ!最近美味い店見つけてさぁ!」
明石文雄「ねぇねぇ彩葉ちゃんってばぁ!」
神崎彩葉「あの、申し訳無いんですが、あたし今手が離せないんです・・・何よりまだ休憩時間じゃ無いですよね?明石さんも早く」
神崎彩葉「お戻りになられた方が良いかと・・・」
明石文雄「そんな連れない事言うなよ!俺さっき営業から戻って来たばかりなんだぜ!何か言う事無い訳?」
神崎彩葉「・・・そうですね・・・お疲れ様です、早くお戻りになられた方が・・・」
明石文雄「彩葉ちゃん!食事行こうよ!」
青山純「ごめんください!夏目工房の青山です!」
明石文雄「ああん!?またお前か!!」
神崎彩葉「あ!お待ちしておりました!納品ですか?」
青山純「はい、いつもの納品に来ました・・・部長さんはいらっしゃいますか?」
神崎彩葉「はい!直ぐお繋ぎしますので、少々お待ち下さい!」
神崎彩葉「はい!こちら受付です!夏目工房の方が納品に来ましたので・・・はい・・・はい・・・」
神崎彩葉「畏まりました!お通しします!」
神崎彩葉「青山さん、お知らせしましたのでお入り下さい!」
青山純「あぁ、ありがとうございます!それでは・・・」
神崎彩葉「あ、青山さん、もし宜しければ、この後の休憩時間にランチご一緒しませんか?」
青山純「え?あぁ、ごめんなさい、これの後、別の案件がありますので・・・」
神崎彩葉「え?あぁ、なら仕方無いですね・・・すみません・・・」
青山純「いえ、こちらこそ・・・ですが、また別の機会に・・・」
神崎彩葉「・・・!はい!」
神崎彩葉「・・・あぁ、今日は行けると思ったんだけどなぁ・・・」
明石文雄「ちょっとちょっと彩葉ちゃん!」
神崎彩葉「ん?何か?」
明石文雄「何であんな下請けの奴なんか誘うのさ!あいつは只の下っ端だろ!?あんな奴のどこが良いのさ!!」
神崎彩葉「え?何でそんなの気にするんですか?いつも真面目に仕事してて、カッコいいじゃ無いですか・・・」
明石文雄「あんな奴がカッコいい!?俺の家はこの夏目グループの社長で金持ち!しかも俺は一流大卒のエリートなんだぜ!」
明石文雄「俺の方がカッコいい要素一杯あるのに、何であんな下請けなんか!」
神崎彩葉「それがどうしたんです?あたし忙しいんで・・・」
明石文雄「ぐ、ぐぬぬ・・・」