29面 ネクスト(脚本)
〇エレベーターの中
──エレベーターの中で、
秋原さんと話す。
江藤鉱「秋原さんか折中珠未さん?」
江藤鉱「それは、折中珠未さん」
秋原町子「そっかー、めんどくさい」
江藤鉱「生きるのがですか?」
秋原町子「ううん、そうじゃなくて」
江藤鉱(折中さんが、かな)
江藤鉱(確かにきつい面もあるし 振り回されそう)
〇山道
──その前に
ダンボールのギザギザ、
お弁当に入ってる葉っぱの仕切りを
抱えるくらい大きくしたようなの
坂になってる上から、
三か所くらいコースあって
直で落ちてくるのを下で
秋原さんと受け取るってのやったけど
(それは仲良く、
軽くタッチある身近さでやったけど)
〇エレベーターの中
誰?って選ぶのは珠未さん。
そうして選ぶと、
外から聞き慣れた声がする。
江藤鉱(出勤、来たのか、珠未さん)
〇未来の店
next lovely
yes please
折中珠未「シーッ、始まるよっ」
次の彼氏ならいいなー
でも人の話きかないって感じはあるよなー
〇近未来施設の廊下
・・・あと23歩以内にいかないと
強制退去されるんだよな
一歩一歩・・・
で、ここまでは行ったんだよな、3階
そして、これだ
あー くるよくるよ
と、あおられるけど動かない
ギリギリで止まるはず。
肉食恐竜の骨格が
台座ごと滑り迫ってくる──
ほら、引き返した。
動きを見極めてよく読んで
そこまでできる人はいなかったな
Z字に動いて、よし、ここ、
と股の間をくぐり抜けて
粉に塗れろ?わかってる
あとはひたすら階段を上る。
骨格じゃない肉食恐竜が追ってくる
デッドヒート。
歩数はもう何千歩とかになってても
気にしなくていい
左右に振りつつ、上りきったら
落ちている実、紫の、だいたい右寄りの
勢いあまって奥まで走ってから
Uターンして、よし、ゲット!
「うちらも全部ニャー」
そっか、ニャーン何百匹も
すべておさめて完全クリアだ。
尾沢吏帆「お疲れ様ーっ」
尾沢吏帆「あーっ終わったー」
って、互いに健闘をたたえ合うというか
俺が手上げてるところ抱きついてくれて
何かダンボールくらいの
被ったごしとはいえ、すごいうれしい
ほんとに尾沢さんは気持ちいい人。
付き合って怒らしたら
怖くもなるだろうけど
謝ったらちゃんと許してくれそう
女性性のいい面を
一番持ってらっしゃると思うなー
〇駅のホーム
──馬虎さんと駅のホームで、
馬虎「声変わったね」
馬虎「前はこっちに壁があってこんなだった」
江藤鉱「ああ、はい、壁が間に」
江藤鉱(確かにつくってたんだろうな)
江藤鉱((自分の右側に壁つくってそれごしに))
馬虎「今はねー、やってみ」
馬虎「ほら、そうやって動くでしょ」
体を横にずらして声かけたり、
膝曲げて屈みぎみになって声をかける。
馬虎「ちょっとそこ居てみ」
馬虎さんは俺の周りをグルーッと
まわりながらアーと声かけてくる。
馬虎「声出してみ」
江藤鉱「あー」
あ、他の人も真似してやり出す。
知らない人も、
ヤオバザの女の子もいる。
階段上りきってないところに顔出して、
キユさんぽいかな。
あ、今声出してると迷惑かな
と、止めたりして。
まぁ動き出してる、内も外も。
わきにちょっとずれたから
声がかかった。
〇教室の教壇
──教室でヤオバザの人たちが
みんな生徒になってる。
ただ、みんな薄ーく張り付いた
モードがとれないような感じ?
(春眠あかつきをおぼえず
起きてんだろうけどまどろんでるような)
触ると、
跳ね髪先輩「あーん」
何だこれ。
そんな中、好きなクリを見つけて
どう触れても多分、
拒否とかされないんだろうけど
この状態を利用してだと
アンフェアな気もする。
通りすがりに軽く左頬を撫でて
頭に手を置くと、
折中珠未「あーん」
クリは教壇向って左端に
九宝さんと座ってて、
青鷹字「そりゃ2人の方がいいよ」
青鷹字「2人ずつ分かれていけば」
青鷹字「捕まるの1つだといっぺんになる」
青鷹字「いずれみんなも舞うよ」
そうなの?緊張するな
みんなハッピーできました
〇未来の店
江藤鉱「何だあの列?」
江藤鉱「あートイレか 大変ですねぇ、女性は」
女性「ほんとに大変ですねぇ」
江藤鉱「うちら何でここにいるんだろ」
江藤鉱「外はあんなにいい天気なのに」
折中珠未「ほんとだね」
江藤鉱「うちら変なんです」
ヤオバザの前にあるアパレル店で、
店員さんがポジション交代してる。
黒人の女性が入って、
30代くらいの女性が抜けて
ジーッと見ちゃったから
ちょっといたたまれない表情してたけど
江藤鉱(黒でシックに決めてるな)
そのわき奥、女性たちが列なしてて
あートイレかって話になって、
しきりの女性がその場離れて、
珠未さんと二人になる。
その外との境くらいの
フロアに寝っ転がって、
折中珠未「何か読む?」
江藤鉱「うん」
折中珠未「何読む?」
江藤鉱「「いやな予感がする」 で始まって・・・」
右頬床にくっつけて顔が近いな
こっちともくっつくくらい、
江藤鉱(珠未さん読んでる本見て 読み合わせすればいいじゃん)
江藤鉱(一応二人とも仕事でいるんだけどな)