コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

ぽんたろう

第9話『魔王来店』(脚本)

コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

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〇メイド喫茶
あみーな「まさか、フレンちゃんが 魔王さんの娘さんだったなんてね」
フレン「ええ、黙っていてすみません」
あみーな「気にしなくてもいいよ」
月「どうしたんですか? やっぱり、心配ですか?」
フレン「はい」
フレン「父がここに来るのは 間違いないと思います」
フレン「そうなってしまったら どうなるか分かりません」
フレン「50年前に、勇者にボコられたとはいえ 魔王の力は健在ですからね」
フレン「やはり、私、ここを出ていきます」
フレン「私が出ていけば 父も干渉しないはずです」
フレン「妖精に頼んで、店も元に戻してもらいます」
あみーな「ちなみに、フレンちゃんは ふれてんを辞めたい?」
フレン「えっ?」
フレン「えっと、、、」
フレン「・・・・・・辞めたくありません」
月「だったら、私が守ってあげます」
あみーな「私も協力するよ」
フレン「店長、月さん、ありがとうございます」
月「そういえば、最近、妖精さん見ないですね」
フレン「え、えっとですね 妖精は今・・・・・・」

〇ホストクラブの待機スペース
妖精さん(本物)「うええぇぇい じゃんじゃん酒持って来い」
ホスト「いい飲みっぷりだね」
  妖精はホストクラブで羽目を外していた

〇闇の要塞
魔王「ここか」
魔王「最初から私が来ておけば良かったな」
魔王四天王サイトー「久しぶりのふれてん楽しみぃぃ」
魔王「遊びに来てるんじゃないんだよ」
魔王「すまないが 君はここで待っててくれないか?」
魔王四天王サイトー「えっーーー!? なんでですか!?」
魔王四天王サイトー「せっかく楽しみにしてたのに!」
魔王「そんなふうに泣かれても」
魔王「私が悪いみたいじゃないか」
魔王四天王サイトー「だってぇぇ あそこで魔王様への愚痴を 聞いてもらいたいから」
魔王「君、愚痴を私の前で言うつもりだったの?」
魔王四天王サイトー「はい」
魔王(今時の子、こえええ)
魔王「じゃあ、こうしよう」
魔王「とりあえず、一旦ここで待機しといてよ 話がついたら入ってきていいから」
魔王四天王サイトー「魔王様の愚痴もいいですか?」
魔王「んー、まあ、いいよ 聞かないでおくから」
魔王四天王サイトー「承知しました」
魔王「じゃあ、見張り頼んだよ」

〇メイド喫茶
魔王「やあ」
あみーな「おかえりなさいませ ご主人様」
魔王「ここに娘がいるんだけど 出してもらえないかな」
あみーな「はい」
あみーな「でも、その前に、娘さんに 何をなさるつもりですか?」
あみーな「答え次第では、会わせるわけにはいきません」
魔王「君にそれを話す義務はないよ」
あみーな「なら、会わせることはできません」
魔王「手荒な真似はしたくないんだけどね」
魔王「下手(したて)に出てあげてることを 分かってないようだね」
あみーな「私にはキャストを守る義務があります」
あみーな「例え、脅されても キャストが酷い目に遭うなら 要求にはお応えできません」
魔王「なら、強行的に」
「待ってください」
あみーな「フレンちゃん!?」
フレン「ここは、私がパパの相手をします」
あみーな「パパって言った?」
フレン「だから、お店の人たちには 手を出さないでください」
フレン「いいよね? パパ」
魔王「分かった 約束しよう」
あみーな「パパって言った?」
  殺伐とした状況にも関わらず
  フレンのパパ発言に頭がパニクる
  あみーなだった

〇広い厨房
月「ついに魔王さんが来ましたね」
月「ここから観察です」

〇メイド喫茶
「・・・・・・」
魔王「フレンちゃん」
魔王「家出するなら家出するって ちゃんと書き置きぐらい残してよ!」
魔王「パパ、凄く心配したんだよ」
フレン「だって、パパが 私にお見合いさせようとするから」
魔王「だって、仕方ないじゃないか」
魔王「あのサイコパス勇者との約束のせいで 悪いことできなくて お金もうないんだからさ」
魔王「フレンちゃんに結婚してもらって 玉の輿に乗ってもらわないと困る」
魔王「良い相手だぞ 次の魔王に相応しい男だ」
フレン「嫌よ!」
魔王「あの引っ込み思案のフレンちゃんが こんなにも自分の意見をはっきりと!?」
フレン「私だってね、成長したの」
フレン「お金が無ければ働けばいいじゃない」
フレン「昔のパパはもっと魔王らしかったって ママが言ってたよ!」
フレン「ちょっとぐらい勇者にボコられぐらいで そんなに自信を失くすなんて私恥ずかしいよ」
魔王「この歳でいまさら働けなんて無理だよ 職歴『魔王』だよ?」
魔王「誰が雇うと思う?」
フレン「まあ、無理かな」
魔王「分かってるじゃん!」
魔王「我が家の財産が尽きる前に結婚してよ」
フレン「やだ!」
魔王「逆になんで、そんなに嫌なの?」
フレン「だって!」

〇怪しげな祭祀場
  フレンさんの婚約者タカシー
  魔族のエリートとして有名
  財産も申し分ない

〇メイド喫茶
フレン「清潔感ないし、根暗だし、無口だし!」
魔王「根暗はフレンちゃんも一緒じゃない?」
フレン「うっさい!」
フレン「あとあの人・・・・・・」
フレン「壁にハマったまま ずっと動けないじゃない!」
魔王「仕方ないじゃないか 勇者にボコられて あそこに埋められたんだから」
フレン「あんた達、勇者にボコられすぎなのよ!」
魔王「フレンちゃん  本当にお願いだから結婚してよ」
フレン「嫌!」
フレン「あんまりしつこいとパパと絶交だから!」
魔王「それ、ずるい」
月「ちょっと待ってください」
魔王「だれ?」
フレン「月さん」
月「少し話を聞いていれば フレンさんのこと 何も考えてないじゃないですか」
魔王「君には関係な・・・・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「あのー? どこかで会ったことない?」
月「魔王さんとは初対面ですよ」

〇豪華な社長室
「ヘックション!」
星川天海「いかんな、風邪引いたかな」
  かつて魔王を一方的にボコリ
  トラウマを植え付けた男は
  竹ちくわをたしなんでいた

〇メイド喫茶
魔王「何だ、この威圧感」
  このとき、魔王は
  自分でも気付かぬところで恐怖していた
  かつて一方的に自分を
  ボコった勇者の孫である月から
  勇者の面影を感じ取っていたからだ
フレン「どういうこと?」
フレン「もしかして、月さんのおじいちゃんが 勇者だったことを感じ取ったのかな」
魔王「フレンちゃん! 早くそれを言ってよ!」
フレン「だって、その方が面白そうだし パパがびっくりするかなってサプライズ」
魔王「パパ、トラウマで ショック死するところだったよ!」
月「トラウマだったんだ」
魔王「我が娘ながら、なんて恐ろしいんだ」
月「それよりも、フレンさんの婚約は 破棄してもらえるんでしょうか」
魔王「それは無理だ」
魔王「先方は本気だからね」
月「フレンさんのことなんて 何も考えてないじゃないですか」
月「無理やり結婚させられたフレンさんを見て 魔王さんは何も思わないんですか?」
魔王「これは、魔族のためでもあるんだ」
魔王「君には関係ない」
魔王「それ以上、我が家の問題に 首を突っ込むなら実力行使だ」
魔王「どうやら、君はこの世界の住人ではないから 約定の範囲外だから攻撃が出来る」
フレン「月さん! パパは勇者にボコられたとはいえ 魔族で1番強いんです!」
魔王「娘が世話になっているとはいえ話は別だ」
月「フレンさんは下がっててください」
月「表でやりましょう」
魔王「いいだろう」
フレン「大丈夫かな」
あみーな「月ちゃんなら、きっと大丈夫」
フレン「パパ、何も注文してないから ご主人様扱いされてない」
あみーな「あっ」

〇闇の要塞
魔王四天王サイトー「すぴー、すぴー 魔王様、そこはダメですって」
魔王「たかが小娘に何が出来る」
月「悪い人は許しません」
魔王四天王サイトー「えっ? どういうこと!?」
魔王四天王サイトー「何で、2人が外に!?」
魔王「今から我々はしょう・・・・・・」
魔王「ちょ、ちょっと待って」
月「何ですか?」
魔王「いきなり、スタートはずるくない?」
月「だって、別に始まり方なんて決めてませんし」
魔王「このサイコパスの孫が! 血は争えんな!」
月「これで諦めてもらいましたか?」
魔王「まだだ まだこれか・・・ら・・・」
魔王「だーかーらー!」
魔王四天王サイトー「魔王様が一方的にボコられてる」
魔王「タイム!」
月「分かりました。認めます」
魔王「私の部下に、開始の声をかけさせる」
魔王「それで勝負開始だ いいな?」
月「仕方ありませんね」
魔王「サイトー聞いていたな?」
魔王「頼ん・・・・・・」
魔王四天王サイトー「はじめ!」
月「参りましたか?」
魔王四天王サイトー「魔王様、ボコられてかわいそー」
魔王「誰のせいでこうなったと思ってる?」
魔王四天王サイトー(ふふふ、魔王様がボコられて 自信を喪失した時に私が優しく近寄れば ワンチャン、アバンチュールがあるかも)
魔王(本当の敵は身内にもいたか)
月「言い残すことはありますか?」
魔王(ヤバい、ガチでやられる)
魔王「勇者の孫よ、最後に聞かせてくれないか?」
魔王「どうして、赤の他人の我が娘のために そこまでするんだ」
月「だって、大切な職場の仲間で 大切な友達ですからね」

〇広い厨房
  最初の頃はとても恥ずかしがり屋さんで
  昔の自分を見てるようで
  心配していましたけど
  たまにオドオドするけど
  話すととっても気さくで

〇メイド喫茶
  自分のことも考えつつ
  私たちのことも考えてくれる
  とっても優しいフレンさん

〇闇の要塞
月「そんなフレンさんが私は大好きなんです」
月「だから、フレンさんには 友達として絶対に幸せになってほしいんです」
「この光は!?」
「・・・・・・」

〇裁きの門
天使様「最近、まったく仕事に 張り合いがないんだよね」
天使様「刺激がないっていうか」
魔王「なんだここは!?」
魔王四天王サイトー「どこ、ここ?」
魔王「サイトーもいるのか」
魔王四天王サイトー「なんか、月さん見てたらここに」
天使様「まったくもう!」
天使様「仕方ないなぁ」
「ちょっと待って!」

〇雲の上
平天使「ほんと、毎日が平穏でつまらないわ」
魔王「さっきのは何だ?」
魔王四天王サイトー「今度はどこー!?」
魔王「ここは何だ?」
平天使「まったく仕方ないなぁ」
「ああああああ」

〇闇の要塞
月「寝てる」
「ここは!? 現実!?」
月「そうですよ」
魔王「勇者の孫よ」
月「何ですか?」
魔王「私は間違っていたよ」
魔王「本当はフレンちゃんの成長を見て 喜ぶのが親の行動だったんだろう」
魔王「しかし、私は目の前の欲に駆られて 娘のことなんて何も考えていなかった」
魔王「恥ずかしい行いだった」
魔王「君の言う通り フレンちゃんの幸せを考えることが 親として当然なんだ」
魔王四天王サイトー「魔王様」
月「分かってもらえて良かったです」

〇メイド喫茶
魔王「フレンちゃん、パパが間違っていたよ」
魔王「ごめんよ」
魔王「先方にはパパから婚約の件は断っておく」
フレン「良かった」
月「良かったですね フレンさん」
フレン「月さん、本当にありがとうございました」
月「いえいえ!」
魔王「しかし、フレンちゃんとの関係は 修復出来たけど、まだ問題がある」
フレン「なに?」
魔王「うちの財政難だよ」
フレン「確かに」
月「それなら、私にアイディアがあります」
「アイディア!?」

〇メイド喫茶
  次回予告
  魔王を心身ともにボコり
  大切なフレンの危機を救った月
  しかし、今度は魔王の悩みを解決するために
  月はあるアイディアを提示する
  次回最終話『そして、開店へ』
月「キャストの幸せは私の幸せです」
月「次回も、もえもえてん」
月「最後までお付き合いください」

次のエピソード:最終話『そして、開店へ』

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