コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

ぽんたろう

第2話『成金野郎イシー来店』(脚本)

コンカフェ嬢の流儀1.5〜異世界から、もえもえてん〜

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〇メイド喫茶
フレン「私と妖精は 元々異世界の住人だったんです」
月「そうだったんですか!?」
あみーな「妖精さんだけじゃなく フレンちゃんもだったの!?」
フレン「事情があって 私は友達の妖精と一緒に 日本にやって来たんです」
フレン「そして、日本で路頭に迷っていた時」

〇電器街
フレン「どうしよう、、、 この世界に来たのはいいけど」
フレン「右も左も分からない上に路銀もないよ」
通行人A「あの人? コスプレ? すげえ」
フレン「コスプレ?」
通行人B「お姉さん お金に困ってるの?」
フレン「は、はい」
通行人B「いいお仕事あるんだけど 紹介してあげるよ」
フレン「ほ、本当ですか?」
通行人B「君、可愛いからたくさん稼げるよ」
フレン「良かった、親切な人に出会えて」
オーナー「ちょっと待ちなさい」
フレン「えっ?」
通行人B「あんた何?」
オーナー「あなた、この子が純粋なことをいいことに 変な仕事に誘おうとしてるでしょ」
通行人B「そ、そんなわけないだろ」
オーナー「じゃあ、どんな仕事か 大きな声で言ってみなさい」
通行人B「うるせえ ババアだな」
オーナー「大きな声で言えないわけね」
通行人B「覚えてろよ!」
フレン「あ、行っちゃった お仕事、、、」
オーナー「あなた、仕事探してるの?」
フレン「は、はい 持ってるお金が使えなくて」
オーナー「だったら、うちで働かない?」
フレン「えっ?」
オーナー「ちょうど、今度お店オープンするから 従業員が欲しかったのよ」
オーナー「ちゃんと働いてくれるなら 衣食住は保証するし 込み入ったことは聞かないわ」
フレン「じゃあ、お願いします」

〇メイド喫茶
月「そんなことがあったんですね」
あみーな「オーナーがどこからフレンちゃんを スカウトしてきたのか不思議だったんだよね」
月「ちなみに、フレンさんが 日本に来た理由は何なんですか?」
フレン「えっと、それは今回の件と関係していて」
月「そうなんですか?」
フレン「待ってください」
フレン「外がちょっと騒がしいみたいです」

〇闇の要塞
兵士B「ここが魔王の城か」
兵士A「思ったより静かだな」
兵士B「イシー様、早速攻め込みますか?」
成金貴族イシー「そうだね」
成金貴族イシー「まずは優雅に攻めるとしよう」
成金貴族イシー「そして、金で解決だ」

〇メイド喫茶
フレン「嫌な予感がする」
月「ちょっと私が様子見てきます」
フレン「月さん、危ないですよ!」
あみーな「そうだよ」
月「大丈夫ですよ」

〇闇の要塞
成金貴族イシー「まずは私から中に入ろう」
兵士B「さすが、イシー様 勇気がありますね」
成金貴族イシー「ハハハハ そうだろ」
成金貴族イシー「そして、金もある」
成金貴族イシー「見たまえ、この貧相な城を」
成金貴族イシー「いくら魔王といえど 私の財力には勝てまい」
兵士B「その通りですな」
月「どちら様ですか?」
月「あれ? 石井さん?」
成金貴族イシー「石井? 私はイシーだ」
成金貴族イシー「そんなことより何者だ!」
兵士B「しかも面妖な格好をしていますな」
成金貴族イシー「まさか、貴様が魔王なのか!?」
兵士B「魔王にしては、めんこいですぞ」
月「魔王さんじゃありませんよ」
成金貴族イシー「じゃあ、お前は?」
月「ここのコンカフェのキャストです」
成金貴族イシー「コンカフェ?」
兵士B「キャスト?」
成金貴族イシー「意味が分からないことを いくら金があっても意味分からないぞ」
月「お茶でもいかがですか?」
成金貴族イシー「『お茶でも』? どういうことだ」
成金貴族イシー「それだけ余裕ということか?」
兵士B「魔王の策かもしれません」
兵士B「斬りますか?」
成金貴族イシー「いや、待て」
成金貴族イシー「私には金がある」
成金貴族イシー「そんな乱暴な手段ではなく 優雅に対話で解決しよう」
兵士B「さすがイシー様」
兵士B「魔王が相手でも、お考えが深すぎる」
成金貴族イシー「そして、まずは1人で行ってこよう」
成金貴族イシー「君たちはそこで待っていてくれ」
兵士B「承知しました お気を付けて」
成金貴族イシー「安心したまえ、私には金がある」
月「ご主人様、ご案内でーす」

〇メイド喫茶
成金貴族イシー「何なんだ、刺激の強い装飾の部屋は!?」
あみーな「石井さん!?」
成金貴族イシー「私はイシーだ」
あみーな「そっくりな人いるんだ さすが異世界」
月「おかえりなさいませ ご主人様」
あみーな「おかえりなさいませ」
成金貴族イシー「ご主人様? お前たちとは主従関係を結んでないが」
月「このお店の中では お客様がご主人様なんですよ」
成金貴族イシー「な、なんだ、このオーラは!?」
成金貴族イシー「心の底から穏やかな気持ちになりそうだ」
成金貴族イシー「まさか私を惑わせる気か!?」
月「そんなことしませんよ」
成金貴族イシー「そんなことをしたところで 私には無駄だぞ」
成金貴族イシー「私には金があるからな」
成金貴族イシー「お前たちのような貧乏人には 何をされてもなびかないぞ」
あみーな(何となく 石井さんの最初の頃に 似てる感じがする)
成金貴族イシー「ところで ここは何をしてくれるところなんだ?」
月「私たちキャストとご主人様が お話ししたりするところです」
成金貴族イシー「ほほう」
成金貴族イシー「では、楽しませてもらおうか」
成金貴族イシー「金ならいくらでもあるぞ」
月「お飲み物はどうしましょう」
成金貴族イシー「もちろん、1番高い飲み物だ」
成金貴族イシー「私には金があるからな」
月「かしこまりました」
あみーな「ありがとうございます すぐに持ってきます」
月「ご主人様は、魔王さんのところに どうして来られたんですか?」
成金貴族イシー「もちろん、魔王退治」
成金貴族イシー「いや、平和的な対話のためにやってきたんだ」
月「凄いですね」
成金貴族イシー「まあ、この交渉は貧乏人には無理だろうね」
成金貴族イシー「いくら魔王だろうと 大量の宝物(ほうもつ)や金銭を目にすれば 交渉に乗ってくるはずだ」
成金貴族イシー「野蛮な暴力に頼るのではなく まさに平和的な手段だ」
月「凄いですね」
月「暴力で解決せず 話し合いで解決しようとしていて 尊敬します」
成金貴族イシー「お前、なかなか分かっているじゃないか」
成金貴族イシー「気に入ったぞ」
月「ありがとうございます」
あみーな「お待たせしました」
あみーな「こちらが当店で 1番高価な商品となっております」
成金貴族イシー「いくらだ」
あみーな「銀貨2,000枚です」
成金貴族イシー「たった2,000枚か 安物の酒だな」
成金貴族イシー「まあ、いい」
成金貴族イシー「乾杯だ」
月「私は未成年のため飲めないので 形だけ乾杯しますね」
成金貴族イシー「分かった」
「かんぱーい」
成金貴族イシー「・・・・・・」
成金貴族イシー「安酒の割にまあまあイケるな」
あみーな「それはみんなで飲んでるからですよ」
月「私は飲めないけど みんなで一緒に食べるご飯は 美味しいですからね」
成金貴族イシー「何を馬鹿なことを そんなわけあるか」
月「お友達とかいないんですか?」
成金貴族イシー「と、ともだち!?」
あみーな(さすが、月ちゃん 聞きづらいことを聞いてる)
成金貴族イシー「あ、当たり前だろ」
成金貴族イシー「社交界に山ほどいる」
月「プライベートで一緒に遊ぶお友達です」
成金貴族イシー「・・・・・・」
成金貴族イシー「いない」
成金貴族イシー「屋敷ではいつも1人だ」
月「だから、この飲み物も 美味しく感じるんですよ」
月「身分やお金に関係なく 気兼ねなく飲んだり食べたりできる」
月「それが1番の調味料です」
成金貴族イシー「まただ このオーラ」
成金貴族イシー「くっ、まだだ」
成金貴族イシー「まだ負けるわけにはいかん」
あみーな(イシーさん何と戦ってるんだろ)
成金貴族イシー「金髪の娘、お前を気に入ったぞ」
成金貴族イシー「私の嫁候補にしてやる」
月「遠慮しときます」
成金貴族イシー「何だと金ならたくさんあるぞ」
成金貴族イシー「この国にある半分以上の財産だぞ」
成金貴族イシー「宝石やドレス、大きな屋敷 たくさんの従者」
成金貴族イシー「欲しくないのか?」
月「いりません」
あみーな(まあ、月ちゃんちも凄いお金持ちだからね)
月「いくら積まれても 私は誰のものにもなりません」
成金貴族イシー「・・・・・・」

〇村の広場
成金貴族イシー「今日こそ告白するぞ」
成金貴族イシー「あ、あの」
金持ちの娘「何かしら?」
成金貴族イシー「す、すきです! 私と交際していただけませんか!?」
成金貴族イシー(言ってしまった)
金持ちの娘「はああ? 何言ってるのかしら?」
金持ちの娘「あなたのような貧乏人と私が お付き合いするはずないじゃない」
成金貴族イシー「一生懸命頑張ってお金持ちになって あなたを絶対に幸せにします!」
成金貴族イシー「だから、お願いします!」
金持ちの娘「しつこいわよ 2度と話しかけないで」
成金貴族イシー「そんなぁ」
成金貴族イシー「絶対に成り上がって見せる!」
成金貴族イシー「今に見てろ」

〇洞窟の深部
成金貴族イシー「これは宝!?」
成金貴族イシー「こんな凄い宝 この国の王様ですら持っていないぞ」
成金貴族イシー「これは間違いなく大金持ちになれる」

〇王宮の広間
成金貴族イシー「ついに成り上がって 貴族まで上り詰めたぞ」
金持ちの娘「あら、あなたは?」
成金貴族イシー「君は!?」
金持ちの娘「イシー様、お久しぶりでございます」
成金貴族イシー「そうですね」
成金貴族イシー(敬語?)
金持ちの娘「あの日以来あなた様のことばかり 考えておりました」
金持ちの娘「よろしければ、私と婚約を前提に お付き合いしていただけないでしょうか」
成金貴族イシー(まったく連絡すら寄越さなかったのに)
成金貴族イシー(この世は所詮、金か)
成金貴族イシー「断る」
成金貴族イシー「私にも選ぶ権利がある」
成金貴族イシー「何せお金があるからね」
金持ちの娘「そんなぁぁ」
成金貴族イシー「金があるものこそ正義」
成金貴族イシー「ハハハハハハハ!」

〇雲の上
平天使「先輩、この前の生誕祭の責任で 配置転換されたけど、大丈夫かな」
成金貴族イシー「ここは!?」
成金貴族イシー「そうか 私は死んだのか」
成金貴族イシー「仕方あるまい 数々の傲慢な行いをしてきたのだ」
成金貴族イシー「そして、『金金金』としか言わない 私の周りから人はどんどん消えていった」
成金貴族イシー「そして、残った者は 私の財産に目が眩んだ連中ばかり」
成金貴族イシー「実に滑稽だな」
平天使「1人でぶつぶつ言ってる」
平天使「仕事するか 見ててください先輩」
成金貴族イシー「なんだ、その見るからに 危険な凶器は!?」
平天使「・・・・・・」
成金貴族イシー「いや、なんか言えよ!」

〇メイド喫茶
成金貴族イシー「はっ!? ここは!?」
成金貴族イシー「夢を見ていたのか」
あみーな「大丈夫ですか?」
成金貴族イシー「ああ」
成金貴族イシー「私は間違っていた」
成金貴族イシー「お金で人の心までは買えない」
成金貴族イシー「ましてや、あなたのように 信念のある人間は特にだ」
成金貴族イシー「私だって元々は人を見下すために 金持ちを目指したわけではない」
成金貴族イシー「それでは、貧乏人だった頃の私を 見下していたあの女と変わらない」
成金貴族イシー「ありがとう、大切なことを思い出したよ」
成金貴族イシー「お詫びとして、外にいる兵士たちにも 店中の飲み物を振る舞ってくれないだろうか」
成金貴族イシー「あと何か困ったことがあれば いつでも言ってくれたまえ」
月「ありがとうございます!」
あみーな「これでまた推しが増えたね」

〇メイド喫茶
  次回予告
  突然の来訪者も見事に改心させ
  ふれてんの常連に取り込むことに成功
  そんな彼女たちの前に新たなる敵が到来する
  次回『ガチ恋囚人ロッキュ来店』
月「アルバイト代は 田村ちゃんとの遊びに使ってます」
月「次回も、もえもえてん!」

次のエピソード:第3話『ガチ恋囚人ロッキュ来店』

コメント

  • テンポが良いのでサクサクと気軽に読めて気持ちが良い
    相手の心を氷解させ掴んで離さない月さんの天性の接客が炸裂しててこれがふれてん、これが月さんとなってます😆😆😆
    コンカフェにも銀貨3000枚クラスのお酒…シャンパンかな?が置いてあるんですね🤩
    現世と違って外は暴の世界…癒しで克服できるのか注目しています

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