ゲーム脳とは何だったのだろうか

ましまる

⑤.経時、そして信念(脚本)

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〇学校の部室
せんせー「そんなこんなで、 3回に渡って、M氏と「ゲーム脳」に ついてお話してきたけど、どうだった?」
るる「長かった・・・」
ぶちょー「ヒドかったです・・・色々な意味で・・・」
せんせー「これでも、M氏の問題発言の一部なのよ」
るる「もう、おなかいっぱい・・・」
ぶちょー「ていうか、M氏ってそもそも そんなに問題ある人なのに、」
ぶちょー「どうしてメディアに取り上げられるように なったのですか?」
せんせー「あら、やっぱりその点について気になる?」
せんせー「なら、今回はM氏の華々しい ”ご活躍” を 経時的に見ていこうかしら」

〇学校の部室
せんせー「M氏がメディアに取り上げられるように なったのは、」
せんせー「2002年7月に著書『ゲーム脳の恐怖』が 出版されたことがキッカケだったのだけど」
せんせー「実は出版の2日前に、 毎日新聞の紙面で大々的に プロモーションが行われていたの」
せんせー「しかも夕刊とはいえ、 それが一面に掲載されていたのよ」
ぶちょー「えっ、出版前にですか!?」
るる「あやしい・・・」
せんせー「ま、イロイロと察することができるわよね」
ぶちょー「せんせー、これについては 何か話すことはないのですか?」
るる「裏ジジョーとか!」
せんせー「いや、別に話してもいいのだけど、」
せんせー「毎日新聞社の社風から始まり、 「第四の権力」メディア論という内容まで かなり長々とした話になるけど、イイ?」
ぶちょー「・・・いえ、遠慮させてください」
るる「・・・これ以上長くなるのは、むりかも」
せんせー「じゃあ続けるわね」
せんせー「書籍出版後も、各メディアから頻繁に 好意的な言説で取り上げられたことで、 めでたくベストセラー入り」
せんせー「M氏は、講演会などでも引っ張りだこに なっていたのよ」
せんせー「ちなみに、当時のメディアの持ち上げ方は Wikipedia にも、」
せんせー「『テレビや新聞などのメディアもゲーム脳を無批判に取り上げるケースが少なくなく』」
せんせー「などと書かれるほどにね」
ぶちょー「あんな内容を「無批判に」ですか・・・」
せんせー「そう、「無批判」ということは「全肯定」」
せんせー「なかなかにヤバイでしょ」
ぶちょー「で、でも、M氏を批判している 研究者や専門家もいたんですよね?」
せんせー「ええ、相当数いらっしゃったのだけど、」
せんせー「それを伝えるべき各メディアが M氏を持ち上げに持ち上げていたから、」
せんせー「否定的な見解を取り上げることは しなかったのよ」
ぶちょー「えっ、テレビとか新聞って 中立な報道をするものじゃないのですか?」
ぶちょー「M氏に否定的な意見が無いって・・・」
せんせー「どうやら、メディアが中立公正な存在と 誤解しているようだけど・・・」
せんせー「あんなの、中立でも公正でもない存在よ」
せんせー「各新聞社も、各テレビ局も、 呆れるほどご立派な主義・信条をお持ちで」
せんせー「彼らなりの ”正義” に基づいて 日々発信を続けているのよ」
せんせー「ま、その ”正義” が 真っ当なモノであるのかはさておき、ね」
るる「せんせー、むずかしい・・・」
せんせー「ごめんごめん、話を戻すわね」
せんせー「2002年からずっと ”M氏マンセー” だった各メディアだけど、」
せんせー「2004年後半あたりから、 徐々に懐疑的な見解が示されるように なってきたのよ」
ぶちょー「風向きが変わったというのは、 何か理由があってのことですか?」
せんせー「そりゃ、あのガバガバな発言内容と 居丈高な態度が問題となったのでは ないかしら・・・知らんけど」
ぶちょー「ま、そりゃそうですよね・・・」
せんせー「ちなみに、②回で紹介した、 久保田競氏の『サンデー毎日』での批判は 2006年2月のことよ」
ぶちょー「大脳生理学の世界的権威の方ですよね」
るる「「お歳を召された」って言われた人だー」
せんせー「そう、Wikipedia にも載っている 問題発言をかまされた方」
せんせー「ただ、M氏は久保田氏に関して もっと無礼な発言をしているのよ」
ぶちょー「・・・まだあるのですか」
せんせー「これは ”ニコニコ大百科”『ゲーム脳』 からの引用になるのだけど、」
せんせー「『ああ、久保田さんね。  あの人、認知症入ってる。』」
るる「えーーっ!?」
せんせー「ちなみに、M氏は医師でも何でもないから このような「病気の診断」をすることは ご法度な行為よ」
せんせー「そもそも、久保田氏のことを ご自慢の脳波計で測定した訳でもないのに よくここまで言えたものよね」
ぶちょー「もう・・・何でもありなんですね・・・」
せんせー「そんな発言が平常運転だったからこそ、 関係者や視聴者からの不信感が 募ったのではないかと邪推したくなるわ」
せんせー「結果的に、M氏の言説に対しては 各メディアから懐疑的、 そして批判的な見解が出され」
せんせー「取り上げられることが 減っていったという訳ね」
せんせー「最終的には、件の毎日新聞からも 梯子を外されているわよ」
ぶちょー「ちなみに、M氏はいつ頃まで メディアに取り上げられていたのですか?」
せんせー「んー、詳しいデータが無いので はっきりとは言えないのだけど、」
せんせー「『ゲーム脳』にかかる Wikipedia 記事の 出典項目を見ると、」
せんせー「2002年から2006年に集中しているので、」
せんせー「露出はその期間がピークで、 以降にフェードアウトしていったと 考えられそうね」
ぶちょー「このピーク期間の短さ、 「一発屋」と表現されてしまいそうですね あるいは「一世風靡」・・・」
るる「セピアですねっ」
ぶちょー「・・・なにそれ」
せんせー「ま、そんなこんなで「一発屋芸人」ばりの メディア露出だったM氏なんだけど、」
せんせー「その短期間に、「ゲーム脳」理論の 熱烈な支持者を多数獲得することに成功し」
せんせー「その支持者たちに向けての言論活動は 以降も続けていたのよ」
ぶちょー「M氏を支持する人、いたんですね・・・」
るる「支持者って、だれなんですかー?」
せんせー「またまた Wikipedia だけど、」
せんせー「『子を持つ親や、教育関係者からの支持もあり、小学校などで「ゲーム脳」の教育を行う取り組みが行われているなどの実績もある』」
せんせー「ま、端的に言えば、 教育関係者とPTAに支持されていたのよ」
せんせー「ちなみに、M氏が2006年に上梓した 『元気な脳のつくりかた』 (少年写真新聞社)は、」
せんせー「日本PTA全国協議会の 推薦図書となっているわよ」
ぶちょー「各所で批判されているM氏の著作を 「推薦図書」って・・・」
ぶちょー「M氏と、PTAや教育現場って 何か結びつきがあったのですか?」
せんせー「ええ、共通の価値観を持つ存在だったのよ」
ぶちょー「共通の価値観!?」
せんせー「そう、彼らにとって譲れない信念、」
せんせー「・・・ゲームは悪いモノ」

〇学校の部室
ぶちょー「そもそも、M氏やPTAなどはどうして ゲームをそこまで毛嫌いしたのですか?」
ぶちょー「そもそも、M氏自身がゲームに関して まともに理解していなかったのに」
るる「RPGの説明もメチャクチャだったー」
せんせー「そう、まともに理解していないが故に この ”毛嫌い” が生じたのよ」
ぶちょー「えっ、どういうことですか?」
せんせー「この話はゲームに限ったことでは ないのだけどね、」
せんせー「PTAや教育関係者といった 「良識ある大人」の皆様というのは、」
せんせー「「子供たちが熱中するモノ」かつ、」
せんせー「「自分たちが理解できない、  または気に食わないモノ」に対して」
せんせー「尋常でない嫌悪感を募らせてしまうのよ」
ぶちょー「ええと、どういうことですか?」
せんせー「ま、要するに、」
せんせー「子供たちは何やら 得体の知れないモノに夢中だ──」
せんせー「勉強もせずに没頭しているようだから、 コレは教育上ヨロシクナイものだろう──」
せんせー「だから、こんなモノは排除してしまうべき」
せんせー「という思考回路ね」
ぶちょー「何か、すごく浅はかな考えのような・・・」
せんせー「そう、取るに足らない感情論よね」
せんせー「でも、もしこの「得体の知れないモノ」が 本当に子供たちにとって悪いモノ ──と確信してしまったとき、話は変わる」
せんせー「言い換えれば、自分たちの ”感情” が 科学的に正しいと証明されたとき、 それは行動に移り、過激化する」
せんせー「嫌悪する「得体の知れないモノ」は 排除してもいいのだと行動に走ってしまう」
ぶちょー「・・・排除って?」
せんせー「そう、社会的に唾棄すべき存在と 位置付けすることを行うと同時に、」
せんせー「物理的な排除行動も伴うのよ」
ぶちょー「すみません、話が難しくなってきて・・・」
せんせー「じゃあ、雑に論点を示すけど、」

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コメント

  • いや最後!?!?
    そんな光景目撃したの一度もありません😭男男も男女すらありません。夜の公園散歩したところで高校生カップルがお喋りしてるのしか遭遇できません💦

    ましまるさんは引き寄せちゃう体質なんですね…
    素晴らしいですね。

  • M氏の無敵感すごい、、、権威ある人を認知症呼ばわり、、、そりゃあ、多くの人を敵に回しますよね。
    一部の支持者がいるから言論活動を続けられているところなんて、まさに宗教ですね😇あまり口に出せませんが、色々な団体を彷彿とさせますね😫
    アニメとかゲームをやりすぎると現実との区別がつかなくなるとか言われてるけど、科学的と非科学的の区別がつかなくなるのも問題ですね😂

  • 自称進学校の高校に3年間通っていた苦い経験があります。そこの先生方もゲームに関して否定的なスタンスを取っており、面談の時にはゲームするなと一方的に非難してきました。
    まるで「ゲーム脳」を信仰しているかのように。

    変な教育に力を注いでいる学校ほど、浸透しやすいのでしょうね。

    (るるちゃんのアンダーな発言が無かったのは少し残念ですが、次の機会を待っておきますね)

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