バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

22話 ヨハンの過去 (脚本)

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

今すぐ読む

バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒

〇戦場
  僕は戦地へと送られ、兄の代わりに地獄を味わった
  どの戦でも生きて帰れたのは、
  僕が息を潜めることが得意だったからだ

〇荒廃した市街地
「ぎゃああああー」

〇荒廃した市街地

〇古民家カフェ
敵兵「ごく、ごく、ごく」

〇小さい倉庫
ヨハン村長青年期「ふう・・・、ふう・・・、ふ・・・」

〇けもの道
ヨハン村長青年期「はあっ・・・はあっ・・・」

〇洞窟の入口(看板無し)
ヨハン村長青年期「ううっ・・・、」

〇黒
  戦争が終わり、僕は生き残った

〇豪華な社長室
ヨハン村長青年期「ただいま戻りました。ヨハンでございます」
兄1「ヨハン。生きていたのか!」
兄1「よくぞ戻って参ったな!」
ヨハン村長青年期「はい・・・ 兄上、父上は、どちらへ?」
兄1「昨年、病に倒れたのだ」
兄1「今は私が当主を務めている」
兄1「無事、ヴァーガンディ家の務めを果たしたのだな」
兄1「よくやったヨハン!!」
ヨハン村長青年期「兄上・・・」
兄1「小弟の帰還の宴を催す!」
兄1「ヨハン、母君を呼ぶといい」
ヨハン村長青年期「よろしいのですか?」
兄1「ああ。混沌の時代は終わったのだ」

〇豪華な社長室
ヨハン母「ヨハン!!」
ヨハン村長青年期「母上!」
ヨハン村長青年期「う!!!!!!」
ヨハン母「どうして戦地で死ななかったんだい!」
ヨハン村長青年期「え・・・」
ヨハン母「あんたが死んだら、国から金が支給されたっていうのにさ!」
ヨハン母「あんたがいない生活が、どれだけ苦しかったか!!」
ヨハン村長青年期「・・・も、申し訳ございません。 母上!! 申し訳!」
ヨハン母「まあいいさ。あんたは伯爵家の3男だからね。当主からたんまり金をふんだくってや」
ヨハン母「う!ううううう!」
ヨハン村長青年期「母上!  どうしたのですか!」
ヨハン村長青年期「母上!!!」
「どうだ? 死んだか?」
ヨハン村長青年期「兄上!」
兄1「ワインは苦手だったか? ヨハン」
ヨハン村長青年期「まさかワインに毒を?」
兄1「はあ」
兄1「ここで母子ともども死ねばよかったものを」
兄1「薄汚い下賎の人間が、本当に貴族になれると?」
兄1「はっははは・・・笑える」
兄1「貴様がこの俺と同じ血が流れていると思うだけで虫唾が走るのだ」
兄1「殺せ!」
ヨハン村長青年期「う、うわあああ!!」

〇けもの道
兄1「どこへ逃げた!」
スタン護衛兵_従者1「探せ! 確実に殺せ!!」

〇湖畔の自然公園
  僕は生き延びた

〇寂れた村
  追手に見つからないよう、知らない街を転々とし

〇木の上
ヨハン村長青年期「・・・zzz」
  獣と眠り──
ヨハン村長青年期「・・・」

〇西洋の街並み
「・・っく・・く・・・」
  どうにか生きながらえた

〇怪しげな酒場
「ユートピア計画?」
「なんでも身分も種族も関係ない街を作るそうだ」
「差別がない街だと!」
「そんなの貴族どもの戯言だろう?」
「結局、俺たちは貴族様の養分なんだ」
「搾取されて終わるだけさ」
「俺も思ったさ、だが、計画を立案したってのが、あのフォルダンテ公爵様だぞ?」
「ああ。あのトチ狂った公爵ならありえるかもな」
「もし本当に差別のない街があるってなら、俺も住みてえもんだ」
「だな!」
ヨハン村長青年期「・・・!」

〇睡蓮の花園
ヨハン村長青年期「ここが、差別のない街」

〇西洋の街並み
  差別のない土地を作る、そんな理想を掲げる場所へと訪れたが
  与えられた土地は、海から離れた荒廃した土地だった
  沼と湿地しかなく
  作物の育たない土壌を必死になって耕し
  ようやくまともに住めるようになったのは、
  それから3年後のことだ

〇黒
  そんな努力も虚しく
  獣人以外には見えないせいで
子供「うわーん!!」
  欲に飢えた獣人たちの餌食になり
  逃げ場のない弱者はさらに貧困へ落ち
  村は混沌としていった

〇怪しげな酒場
ヨハン村長青年期「お前が獣人の長か?」
宿屋主人「お前・・・、変わりもんの人族か」
宿屋主人「俺になんの用だ?」
客2「帰れ!」
客2「ここは俺たちの場所だ!」
ヨハン村長青年期「この村を使って一儲けをしないか?」
客1「儲ける?」
客1「この村でか?」
ヨハン村長青年期「僕たちを馬鹿にした貴族から金を奪うんだ」

〇黒

〇地下に続く階段
ヨハン村長「生きるために、選ぶしかなかった」
ヨハン村長「犯罪に手を染めるしかなかったのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「だからって、人攫いなんて、許されないわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「彼女たちには彼女たちの人生がある」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あなたたちの理不尽な理由で奪うことは許されないのよ」
ヨハン村長「綺麗事ですね」
ヨハン村長「人は皆、自分が大事なのです」
ヨハン村長「自分が生きる世界が道徳心や倫理より何より」
ヨハン村長「そして、この世界を守るために」
ヨハン村長「どんな罪でも背負う覚悟の人間が」
ヨハン村長「いるのですよ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ミゲル逃げて!」
ミゲル「!!!!!」

〇黒
  ──

次のエピソード:23話 村の行方

成分キーワード

ページTOPへ