Xヒーロー

語り部

第70話 少年の思い(脚本)

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〇西洋の市街地
  2021年 イリノイ州 ウィネベーゴ郡 ロックフォード 市街地
斎王幽羅「ねぇ···凪園が『やばい』の見つけたって言ったんだよ?そのヤバいのってどれさ···」
凪園無頼「ほらあれだよ斎王!あそこあそこ!」
  凪園が遠くを指さすとそこには、ジュエリーショップに入っていくアレックス姿があった
マリア・イアハート「おい何もおかしいところはないぞ?大袈裟な男だ···知能が低いんじゃないか?」
凪園無頼「うざ···ていうかお前なんでいんの?俺斎王と鸞に声掛けたんだけど」
斎王幽羅「あーもう···喧嘩しないの!マリ姉はすぐ煽るの良くないし、凪園もすぐに乗るのも悪いよ!?」
  斎王が2人を宥めると、アレックスは店から出て来て『包装された箱』を大事そうにしながら歩き始める
  斎王達がこそこそしながら後をつけると、アレックスの歩が止まる。アレックスの目の前にいたのは···
ホームレス「Hey, please do something for me(なぁ、何か俺に恵んでくれ)」
アレックス「え、えっと···」
  その様子を見ていた凪園はすぐに飛び出そうとしたが、それよりも早くマリアが飛び出し、男に数セントを渡す
マリア・イアハート「Don't be rude to children, shame on you.(子供にたかるな、恥を知れ)」
  ホームレスはそのままどこかへ行き、アレックスはマリアに礼を言って立ち去ろうとする。
  するとマリアは『心配だから一緒について行く』といい、アレックスと手を繋いで歩く
  マリアが斎王達の方を振り向くと斎王は『よくやった』と言わんばかりに、親指を立てる
  するとアレックスがマリアに話しかけてきた
アレックス「あの···さっきはありがとうございます。お姉さんがいなかったら僕どうなってたか···」
マリア・イアハート「いや構わない。困ってる人を助ける(成人男性は除く)のは当然のことだからな」
アレックス「そうなんですね、僕···助けられてばかりだな···」
  アレックスは暗い表情をすると、マリアはアレックスの頭を撫でる。アレックスは話しを続ける
アレックス「僕···昨日も助けられたんです。キングさん達に···」
アレックス「いざって時にいつも足がすくんじゃうんです···それなのにキングさんは昨日も『立ち向かってた』」
アレックス「僕···キングさんみたいに強くなりたい···でも何からすればいいか分からなくて···」
  マリアはそれを聞いている間、昔『頼と出会った頃』を思い出していた。そして頼からの言葉をアレックスに送った
マリア・イアハート「強さとは何かわかるか?」
アレックス「え?それは···喧嘩に強いとか、勇気があるとかじゃ···」
マリア・イアハート「違うぞ、強さとは『正しい心』だ。いいか?とんでもなく強い能力を持っていても使い方を誤れば簡単に負ける」
マリア・イアハート「バカみたいな腕力を持っていても、使い方を誤れば負ける。自分の中にある『強み』を見つけ、それを正しく扱える者が」
マリア・イアハート「『強い者』と言える。お前はまだ子供だ、これから色んな価値観に出会う」
マリア・イアハート「そんな価値観の中でも自分の中で『絶対正しい』と言えるものを信じ、それを貫け」
  アレックスはその言葉を噛み締めながら、マリアに礼を言うと公園の方へ走っていった

〇華やかな広場
  同所 公園内
アレックス「ローズマリー!ごめん···待たせちゃったかな?」
ローズマリー「ううん、大丈夫。それよりその箱ってもしかして···?」
アレックス「うん···誕生日おめでとう、ローズマリー」
  アレックスは箱をローズマリーに渡し、ローズマリーは渡された箱を開ける。中に入っていたのは···
ローズマリー「これって···ティアラ!?これ凄く高かったんじゃ···」
アレックス「うん···だけど必死に稼いで間に合わせたんだ。ローズマリー前に欲しがってたの見てたからさ···嫌だったかな?」
  するとローズマリーはティアラを頭に着け、幸せそうにアレックスに微笑む
ローズマリー「ありがとうアレックス!一生のうちで1番思い出に残る誕生日になったわ···見て見て!私お姫様みたい!」
アレックス「そうだね···ローズマリーすっごく···綺麗だよ」
凪園無頼「大成功じゃね?あれ。高そうなジュエリーショップ入ったから焦ったけど、そういう事だんだねー」
斎王幽羅「うぐぅ···!よがった···よがったね!アレックスぐん···ローズマリーぢゃん!ズビビ···(鼻をすする音)」
凪園無頼「うわ、汚ね」
マリア・イアハート「幽羅様、ティッシュがここにありますので···これで鼻をかんでくださいませ」
斎王幽羅「ブー!(鼻をかむ音)ありがとうマリ姉···でもよかった···あ!アレックスくんの事皆に伝えてこようよ!」
凪園無頼「賛成ー!じゃあサッサと戻ろうぜー!」
  そして3人は公園を後にしようとした時、一人の女性が慌てて目の前に現れる
姫騎士「隊長!急いでピオリアにお戻りを!街で何やら騒ぎが起きているようで···!」
マリア・イアハート「直ぐに行く。申し訳ございません幽羅様、私はピオリアに戻ります」
斎王幽羅「なにか問題があったの?なら···俺達もついて行っていいかな?」
マリア・イアハート「勿論です!おい、直ぐに車を用意しろ。幽羅様達もお連れする」
  To Be Continued··· ··· ···

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