横取りの王子様

夏目心 KOKORONATSUME

6 絶縁(脚本)

横取りの王子様

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

横取りの王子様
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇豪華な社長室
  俺が竜二を見限って直ぐの事。
釘宮竜二「パパ〜!!金払ってくれよぉ!!」
釘宮父「だから!もうこれ以上は出せないと言ってるだろう!自分の家族の問題は、自分達で解決しなさい!」
釘宮竜二「無理だよぉ!!麻友ちゃんいつも俺の貯金で買い物してるから、貯金したくても全然できないんだよぉ!!」
釘宮父「おいおい、結婚を決めたのはお前だろ・・・」
夏川誠一郎「騒がしいな、一体何の騒ぎだね副社長?」
釘宮父「あぁ!夏川社長!こ、これはですね・・・」
釘宮竜二「俺今直ぐ離婚したいのに兄ちゃんが助けてくれなかったんだ!だからパパに助けてもらいたくて!!」
夏川誠一郎「兄ちゃん?」
釘宮父「あ、はい!私の家の長男の竜也の事で・・・」
夏川誠一郎「竜也・・・あぁ!2年前に起業して今では社長にまで上り詰めたあの少年か!」
夏川誠一郎「私もテレビのインタビューを見たが、まさか社会科見学で来ていたあの少年が、ここまで成長するとはな!」
釘宮竜二「お願いだよパパ〜!俺離婚したいんだよぉ!!」
釘宮父「だから、私達の家にはそこまでの金は!」
夏川誠一郎「離婚?君は確か竜二君だったか・・・結婚してたとは聞いたが、何をそんなに喚いている?」
釘宮父「あ、はい・・・実は、竜二の嫁の麻友さんの浪費と束縛が余りにも激しくて、それに耐えられずに離婚を切り出そうと」
釘宮父「してるのですが・・・」
夏川誠一郎「つまり、相手は納得して無いと?」
釘宮父「はい・・・」
夏川誠一郎「なるほどな・・・私の娘も、2年前に竜也君に憧れて彼を追い掛けてな・・・めぐみからの話も色々聞いて決心が付いたよ・・・」
夏川誠一郎「釘宮君!君を副社長から降格する!」
釘宮父「え?降格!?な、何故ですか!?」
釘宮竜二「そ、そうだよ!何でパパが降格なんて!!」
夏川誠一郎「釘宮君、私はこれからの未来を作って行くのはこれから生まれてくるであろう子供達であると認識している・・・」
夏川誠一郎「幾ら先代が優秀でも、いつか必ず限界が来る・・・だからこそ、子供達には現実や社会の厳しさを身を持って体験して欲しいと」
夏川誠一郎「考えている・・・現に竜也君はここにぶら下がる事すらせず、自らの意思で仲間を集め、起業して今に至ったと言う訳だ・・・」
夏川誠一郎「それなのにその竜二君のみっとも無い態度は何だ!?自分の都合が悪くなったら誰かに縋るなど言語道断だ!」
釘宮父「は、はぁ!!」
夏川誠一郎「その無様な醜態を今になって晒すとは、それだけ君達が竜二君を甘やかして来た証拠だ・・・竜二君がこうなったのは」
夏川誠一郎「親で在る君達にも責任がある・・・自らの意思で結婚したのだろう?ならば親で在る君達が手助けする事では無い!」
釘宮竜二「そ、そんな!それじゃあ俺どうすれば!!」
夏川誠一郎「自分で選んだ道は自分で責任を持って行くべきだ・・・竜二君も立派な大人だ・・・ならば自分で考えなさい・・・」
夏川誠一郎「何より、釘宮君の降格も、竜二君のやった事も全て決定事項だ、後は自力で何とかしなさい・・・」
釘宮竜二「ど、どうしよう!パパ!何とかならないの!?」
釘宮父「いや無理だ・・・こうなってしまえばどうしようも・・・」
釘宮竜二「そ、そんな!パパ!社長にもう一回お願いすれば、今の話無かった事に・・・」
釘宮父「いい加減にしないか!!」
釘宮竜二「ひ、ひぃ!!」
釘宮父「まだ分からないのか!?社長の言う通り、私達はお前を庇い過ぎた!竜也の物をお前に上げるだけ上げたせいで」
釘宮父「お前は間違った考えを持ってしまった!人の痛みが分かる様にしなかった我々にも責任があるが、大事な事に気付けなかった」
釘宮父「お前にも責任がある!何度も言うがもうお前を助ける余裕は無い!我々はこれから忙しくなるから、離婚の事は」
釘宮父「自分で何とかしなさい!もう私から言う事は無い!!」
釘宮竜二「な、何だよそれ・・・何だよそれ〜!!!」

〇研究施設の玄関前
  それから、夏目カンパニーでの噂は俺達の元へも行き届いた。
釘宮竜也「マジかよ・・・父さんが副社長じゃ無くなるだなんて・・・」
夏川めぐみ「この話本当なんです・・・あたしの父、子育てには妥協しない人ですから・・・」
釘宮竜也「お、おう・・・何か複雑な気分だな・・・俺、頑張って良かったっぽいな・・・」
夏川めぐみ「何言ってるんですか・・・頑張って結果だして褒められない方が異常ですよ?」
釘宮竜也「あ、あぁ・・・それでもさぁ、もし自分がそんな立場だって考えたら俺・・・」
相川麻友「あ!竜也君久し振り!」
釘宮竜也「え?麻友!?何しに来たんだ!?」
相川麻友「聞いてよ!最近竜二君の融通が効かなくてさぁ!欲しい物買って欲しいのに全然買ってくれなくてさぁ!」
相川麻友「何か良く分からないけど竜二君のお父さんが降格処分になって大変そうだし・・・」
釘宮竜也「お、おい、先ずお前は何しに来たんだよ?まさかお前、俺に何か奢れって?」
相川麻友「あら、察しが良いわね!そうよ!昔は良く買ってくれたじゃない!どうしても買って欲しい服やバッグがあるのよ!」
相川麻友「竜二君と結婚した私は竜也君とは義理の兄弟なんだし、だから・・・」
夏川めぐみ「・・・駄目に決まってるでしょ?」
相川麻友「え?何よあなた?てか部外者が口挟まないでよ?」
夏川めぐみ「挟みますよ・・・だってあたし・・・」
夏川めぐみ「竜也さんの彼女ですから・・・」
相川麻友「な、何ですって!?」
相川麻友「ちょっと竜也君!これはどう言う事!?私と言う女がいながら浮気だなんて・・・」
釘宮竜也「あぁ、お前はもう駄目だな・・・」
相川麻友「竜也君?」
釘宮竜也「この期に及んで逆切れかよ・・・今まで自分が何して来たのか分からない程馬鹿になったのか?」
釘宮竜也「そりゃお前と一緒に入れたのは楽しかったよ?でもいつも俺だけが金払ってた・・・その上でお前は俺に何してくれたの?」
相川麻友「え?何言ってるの?私と居れて楽しかったのなら尚更・・・」
釘宮竜也「あの時俺、竜二がお前の事横取りしてくれて嬉しかったんだ・・・もうこんな奴の事考えなくて良いって・・・」
釘宮竜也「今では心からそう思えるし、前より毎日が楽しいよ・・・」
相川麻友「さ、さっきから何言ってるの?竜也君は私の事好きなんでしょ?だから今こうして大出世して有名になって・・・」
相川麻友「私とやり直したいから頑張ってて・・・」
夏川めぐみ「誰もあなたの為に頑張ってるなんて言ってませんよ?」
相川麻友「はぁ?だから何なのよあなた・・・」
夏川めぐみ「竜也さんの話聞いてましたか?あなたの事は前から竜也さんから聞いてましたが、あなた自分の利益の為に他人の事」
夏川めぐみ「財布としか見て無かったんですよね?何なんですそれ?無傷のお姫様気取りですか?それがいつまでも続くと本気でお思いで?」
相川麻友「んな!あなた言わせて置けば!!」
釘宮竜也「あぁ待て麻友!めぐみちゃんは!!」
相川麻友「あ痛っ!!」
  めぐみちゃんの発言にムカついた麻友は殴り掛かろうとしたが、逆にめぐみちゃんに投げ飛ばされた。
釘宮竜也「ありゃりゃ・・・」
夏川めぐみ「この程度だなんて飛んだお笑いですね・・・あなたがどうしても竜也さんの隣に立ちたいのなら、」
夏川めぐみ「無傷のお姫様を卒業する事をオススメしますよ?」
夏川めぐみ「竜也さん、行きましょう・・・」
釘宮竜也「お、おう!それじゃあ麻友、元気でな・・・」
相川麻友「そ、そんな!待ってよ!竜也君にまで見捨てられたら、誰が私を守ってくれるのよ!!」

次のエピソード:7 賜物

ページTOPへ