エピソード2 イーの過去(脚本)
〇教会の控室
三好咲「イー?」
イー「本名は隠されております。 「イー」とは仮の名前です」
三好咲「へー」
三好咲「そういや、私はなんでココに?」
イー「はい。ココは転生党。 人々が転生をするところでございます」
三好咲「え!転生!まじまじ!」
イー「マジです」
三好咲「やったぁ!じゃあ早速異世界にGO!」
イー「ちょっと待ってください!そういうのは例外を除いて禁止なんです!」
三好咲「じゃあ。今からなにするの?」
イー「書類の作成です!!」
三好咲「なんで怒っているの?」
イー(コイツが手順を踏まないから とは言えない.....)
イー「怒ってはいません」
三好咲「だ、だよね〜〜」
イー「では、書類の作成をいたします」
イー「応接室に行きますよ!!」
三好咲「ひゃい!」
〇応接室
三好咲「えっと.....」
イー「まず、あなたの次の設定を決めてもらいます」
イー「例えば......」
「パパとママが長生きしてて欲しい!」
イー「承知いたしましたぁっ!?」
三好咲「あ、あと、そこそこ可愛い女の子がいいな〜」
イー「了解です」
三好咲「あ、あと、魔法使いたい!」
イー「魔法?? あ、魔法ですね、少々お待ちください」
イー「魔法の世界ですと、精霊系や剣系など、色々ありますが......」
三好咲「全部は〜〜? できないの〜〜?」
イー「少々お待ちください!」
検索中.....
ヒットしました。
世界番号3318エーレンの世界です。
イー「ありました! エーレンの世界です」
三好咲「エーレン!?って何!?」
イー「地球、のような名称です」
三好咲「その世界の名称ってこと!?」
イー「そ、そのとおりです!」
イー(この人、初めて俺の話の理解した!)
イー「理解してもらえてよかったです!」
三好咲「・・・・・・」
三好咲「イーさん、その目......」
イー「はっ!」
三好咲「もしかして.....」
イー「すみません!!今のは忘れてください!」
三好咲「カラコンつけてるの?」
イー「え?」
※咲は目の色の重大性を理解していません。
イー「ああ、そうか、知らないのですね。 この目の色の意味を」
イー「この目の色は「病気で死んだもの」の色ですよ」
三好咲「病、気?」
イー「・・・・・・・・・」
イー「私は......」
イー「前世の名前は、天照詩(あまてるうた)といいました」
三好咲「天照(あまてる)..... 天照大御神(あまてらすおおみかみ)の子孫.....」
イー「私は....8歳のときに他界しました」
〇近未来の病室
天照(あまてる)家は代々長生きしていることで有名な家系でした。
でも、私はそれの逆。
生まれた頃から病弱。
背も小さく、体もほっそりとしていて、天照(あまてる)家のいらないもののような存在でした。
でも、私は、一応天照(あまてる)家の一人ですので、最近型医療機関を受診することができました。
父上と母上も私が次の天照(あまてる)家の宝物庫などの最高責任者となるので、大事に育てられました。
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩!」
天照詩(あまてるうた)「ち、ちう、え.......」
天照庄司(あまてるしょうじ)「大丈夫か?」
天照詩(あまてるうた)「な.....んとか....」
天照鹿乃(あまてるかの)「詩!」
天照詩(あまてるうた)「はは、うえ」
天照庄司(あまてるしょうじ)「あれを持ってきたのか!?」
天照詩(あまてるうた)「あれ、ってな、に?」
天照鹿乃(あまてるかの)「まぁ、あなたもいたの♥」
天照庄司(あまてるしょうじ)「あぁ、そうだよ、鹿乃」
天照詩(あまてるうた)「あれ、ってなに、」
天照鹿乃(あまてるかの)「いけない!忘れるところだったわ!」
天照詩(あまてるうた)「しゅうかん、しょうねん、すてっぷだ!」
天照詩(あまてるうた)「ありがとう、ははうえ、ちちうえ、」
天照鹿乃(あまてるかの)「いやいや、詩は、頑張っているもの!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「そうだぞ、頑張っているんだからご褒美はないといけないよな!」
天照詩(あまてるうた)「ちちうえ、ははうえ、だいすき!」
私は相当甘やかされて5年間生きていました。
弟が生まれるまでは。
〇病室
天照鹿乃(あまてるかの)「う、ぅぅ、うう.....」
天照晴(あまてるはる)「おぎゃーおぎゃー!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「生まれたか!!」
天照鹿乃(あまてるかの)「えぇ、えぇ、元気な男の子よ!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「そうか!名前は何にする予定なのか?」
天照鹿乃(あまてるかの)「「晴」よ。 天照晴!今日は春の晴れの日だから!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「お兄ちゃんもいるからな!仲良くするんだぞ!」
天照晴(あまてるはる)「(^_^)」
天照庄司(あまてるしょうじ)「っていうか男、の子?」
天照鹿乃(あまてるかの)「そうだわ、男.......」
天照晴(あまてるはる)「あうう....」
(どっちが次期最高責任者に....)
〇広い畳部屋
どっちが次の最高責任者になるのかは一家まとめてものすごく揉めました。
天照鹿乃(あまてるかの)「私はなかなか子供埋めなかった中で、生まれた健康な子供!!やはり晴がよろしいでしょう!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「いや、やはり先に生まれた兄であろう!天照(あまてる)家では兄のほうが最高責任者になっていると書物にも書いてあった!」
「しばし待たれよ!」
「父さん! 義父様!」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「鹿乃。この度はおめでとう」
天照鹿乃(あまてるかの)「はい、ありがとうございます」
天照庄司(あまてるしょうじ)「なんでココにいるんだ!父さん、本家にはなかなか来なかったじゃないか!しかも別荘で生活してるって.....」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「ええい、うるさいな!祖母さんから鹿乃に子供が生まれたと聞いて戻ってきたんじゃよ!」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「よいか、一度しか言わんぞ。よく聞いておけ」
「はい!」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「次期最高責任者は晴だ。 .......詩はもうじき死ぬであろう」
「なんだって! 嘘でしょう....」
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩が死ぬってどういうことですか!」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「どうって..... そのままの意味じゃが?」
天照鹿乃(あまてるかの)「本当の本当に詩は死ぬんですか?」
天照嘉蔵(あまてるよしぞう)「残念ながら、詩は、白血病なのじゃ。 今まで気づいておったがまさかと思って.....今まで秘密にしていてすまんかった」
「・・・・・・・・・・・・」
私はその会話を隣の部屋で聞いていたのです。たまたまその日は晴が生まれた記念として本家に戻っていたのです。
〇和室
天照詩(あまてるうた)(なんで、なんでだよぉ!)
天照詩(あまてるうた)(なんでボクが死んじゃうんだよお!)
天照詩(あまてるうた)(ボクは神様になにかしたかな?)
天照詩(あまてるうた)「嫌だよぉ死にたくないよぉ.....」
天照鹿乃(あまてるかの)「ふぅ...」
天照鹿乃(あまてるかの)「う、詩!」
天照詩(あまてるうた)「母上、ボクは....」
天照鹿乃(あまてるかの)「ごめん!」
天照詩(あまてるうた)「えっ?」
天照庄司(あまてるしょうじ)(あー、喉乾いたー!)
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩!」
天照詩(あまてるうた)「父上、はっけつ.....」
天照庄司(あまてるしょうじ)「私は何も知らない!」
天照詩(あまてるうた)「みんなボクのことなんて嫌いなんだ! もういいよ!」
〇近未来の病室
天照詩(あまてるうた)「今日はだいぶ調子がいいな」
天照詩(あまてるうた)「今日こそ、あれを書けるかな?」
天照詩(あまてるうた)「...........父上たち遅いなー」
天照詩(あまてるうた)「毎週月曜日は週刊少年ステップを届けてくれるのに.....」
天照詩(あまてるうた)「今週は、仕事長引いちゃったのかな?」
「ごめん!遅れた!」
「おにーちゃん!」
天照晴(あまてるはる)「えへへ、あのね! 今日、テストで百点取れたの!」
天照詩(あまてるうた)「そうか!すごいな!晴!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩、今週の分を届けに来たぞ!」
天照詩(あまてるうた)「『君に恋して』の新刊じゃないか!父上!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「売り切れの、残り一冊だったんだ!」
天照庄司(あまてるしょうじ)「いやー、危なかったな!」
天照詩(あまてるうた)(そうやって、ボクを元気づけようとしても無駄だよ)
天照詩(あまてるうた)(もう、全部知ってるんだよ.....)
天照詩(あまてるうた)「そ、そうなんだ..... 最後の一冊......」
天照詩(あまてるうた)(どうせ、amozonとか、Yahaa!とかで、入荷してるんだろうよ.....)
天照庄司(あまてるしょうじ)「で、電話だ!」
天照晴(あまてるはる)「兄ちゃん、また来るから! 今度は月間ワハハを持ってくるからね!」
天照詩(あまてるうた)「......うん、兄ちゃんもワハハと笑って待ってるよ」
天照晴(あまてるはる)「..........兄ちゃん」
天照詩(あまてるうた)「ん?」
天照晴(あまてるはる)「せぇぜぇ頑張るんやな」
天照詩(あまてるうた)「ひっ!」
天照晴(あまてるはる)「じゃ!ボク、塾があるから!」
天照詩(あまてるうた)「........」
天照庄司(あまてるしょうじ)「......はい、すみません、はい、失礼しまーす」
天照詩(あまてるうた)「父上、どうかされましたか?」
天照庄司(あまてるしょうじ)「ぁ、ああ!いやいや、別に社長が犯罪起こして会社が潰れたわけじゃないよ!?」
天照詩(あまてるうた)「ボク寝たいから、帰ってくんない?」
天照庄司(あまてるしょうじ)「あぁ、すまない、父さん、これから会社どこ行こうかなーって考えたいところだったんだよ!」
天照詩(あまてるうた)「みんな最低だ!」
天照詩(あまてるうた)「くっ........」
天照詩(あまてるうた)「限界が近いのかも......」
天照詩(あまてるうた)「きっと、今日しかかけない...遺書を書こう!」
父上と母上、そして晴へ
あまてる家なのに、病気がちでごめんなさい。父上と母上にめいわくかけちゃったね。
ボクは、おじい様の話をおとなりの部屋で聞いていた。だから死んじゃうことを知ってたよ。
天照詩(あまてるうた)「うっ.......早く書ききらないと....」
だからボクの前で、元気なふりをさせるととっても悲しくなっちゃうんだ。もうすぐ死んじゃうんだってわかってきちゃうんだ。
父上と母上、
一回くらい、パパとかママとかって、呼びたかったなぁ。おしごと、がんばって!
晴、
ボクは死んじゃうから、じきさいこうせきにんしゃとしてがんばってね。中学じゅけんがんばって。
おじい様、
ボクのことわかっててくれてうれしかった。
一ばん大好き。ありがとう。
ボクが死んじゃったら、お金が出るんでしょう?ボクはあんまり知らないけど、お金が出たら、おじいちゃんに半分上げてほしいな。
一応いしょだから、お願いね。
詩より
天照詩(あまてるうた)「か、かきき、た.....」
天照詩(あまてるうた)「うっ.....」
看護師「詩さーん、って、息してない.....」
看護師「せ、せんせー!」
ツー
天照詩、8才でこの世を去った。
〇葬儀場
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩......」
天照鹿乃(あまてるかの)「詩.....」
天照晴(あまてるはる)「お兄ちゃん......」
(でも、詩が死んだってことは......)
(晴(俺)が確実に最高責任者になれる!)
天照晴(あまてるはる)(やった!兄ちゃんより偉い!)
天照鹿乃(あまてるかの)(義父様の言ったとおりね!流石だわ!)
天照庄司(あまてるしょうじ)(詩はたしかに優秀だったが、漢字が苦手だったからな。天照家は安泰だな)
「うん!結果オーライバッチグー!」
天照詩(あまてるうた)「それは、「ばっちぐー」じゃないだろ!」
注:詩はすでに幽霊です。
〇屋敷の門
天照家の次期最高責任者が死んだというニュースは日本中のだれでも知っている大ニュースとなったのだ。
ニュースキャスター「最新のニュースです」
ニュースキャスター「天照大御神の子孫、天照家の長男、天照詩様が亡くなられました」
ニュースキャスター「天照家、最高責任者の天照庄司様にお話を伺いました」
天照庄司(あまてるしょうじ)「詩は.... とても優しい子でした」
天照庄司(あまてるしょうじ)「ココに遺書があります 読み上げますね」
天照庄司(あまてるしょうじ)「『パパとママへ、大好き、晴へ、勉強頑張ってね、詩より』うぅ、っうう、うううぅっうう」
ニュースキャスター「.....ありがとうございました.......」
〇応接室
イー「と、いうことがありまして......」
三好咲「ほ、ほえぇぇ.......」
三好咲「顔も変えてるの?」
イー「そ、それは.......」
イー「私は、黄色い目なので悪い噂が立ってしまい.....」
イー「師匠に迷惑をかけないように天国整形をしてきたのです」
三好咲「そう......なんだ........」
三好咲「色は変えられないの?」
イー「いえ、全く.....」
イー「色が染み付いているのです」
三好咲「え、もしかして......」
三好咲「イーさん携帯貸して!」
三好咲「『2000年問題』っと.....」
三好咲「あった!『伝説!92代天照家次期最高責任者死亡事件』これって、イーさん?」
イー「はい?」
イー「・・・・・・・・・」
イー「はい!たしかにそれは私です!」
イー「──咲さんはこの目を見ても私のことを嫌いにならなのですか?他の人から見たら........」
三好咲「何でそんなに他人のことばっかり気にするの?」
三好咲「イーさんは、イーさんでしょ!」
イー「・・・・・・・・・」
イー「・・・・・・・・・」
イー「・・・・・・ありがとうございます!」
三好咲「え、キモい、」
イー「ひどぉ!!!」
三好咲「フフ」
三好咲「あーはっはっはっはははは!!!!」
三好咲「イーさん、元気になった?」
イー(そうか!咲さんは私のために悪口を言ってくれたんだ!)
いや、どゆこと?