Xヒーロー

語り部

第69話 束の間の時間(脚本)

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〇カラオケボックス
  2021年 イリノイ州 ウィネベーゴ郡 ロックフォード 総合娯楽施設内 カラオケボックス
キング「がぁあーーー!凪園の点数越えれねえ!お前ウマすぎるだろ!!?」
マリア・イアハート「なんであんな歌い方で99点も取れるんだ!絶対おかしい!」
姫騎士「マリア様、落ち着いてください···幽羅様もご覧になられてるんですよ···?」
斎王幽羅「でもすごいスっ···と入ってくるんだよね凪園の声。失恋ソングだからかな?」
凪園無頼「昔カシラに嫌がらせで『100点取るまで事務所の敷居跨がせねえ』って言われて、そっから一日かけて鍛えたんだよねー」
鸞「なんだそのトンチキな嫌がらせ···というか斎王も意外性ある選曲だぞ?」
斎王幽羅「え?そう···?」
凪園無頼「斎王『演歌』だもんねー!つーかそれをいうなら鸞もじゃねー?」
フェード「だな、まさかあの鸞の口から『甘いラブソング』が聞けるとは思わなかったぞ」
鸞「た···たまたま得意だったってだけで···」
ゲライント「『貴方を想うと胸が引き裂かれる』『こんな私を助けて』『逢いに来て、私だけの王子様』すっごい歌詞よねー?鸞ちゃん」
鸞「や、やめてくれ··· ··· ···」
斎王幽羅「こら〜!鸞をイジメないであげてー!」
  そしてそこから数時間後···

〇ジャズバー
  同所 ジャズBAR
キング「よし、これで全員揃ったな?じゃあひとまず乾杯!」
  4人はそれぞれの酒を飲むと、グラスを置き体に染み渡る酒に浸った
  そしてシャルルはカクテルを飲みながら、キングに問いかける
シャルル「キング、魂の欠片。詳細希望」
キング「おう、まぁ結論から言えば魂の欠片ってのは『他者の最も大事な思い出』だ」
キング「ただそれが誰でもいいのかってのが分からねぇ···だから試そうと思ってることがある」
エル・シッド「んだよ、勿体ぶんねぇで教えろキング!」
キング「あぁ···皆『クロノス』って変化武器覚えてるか?」
ゲライント「勿論よ。始まりの変化武器であり、私達変化武器の中で最も『神に近い』子だったわよね?」
シャルル「クロノス、異質異様。稀に言語、変になる」
キング「あいつ中国で変化武器の異能力抽出実験に利用されてくたばったんだよ。んで···あいつの元である」
キング「『時計』から『グローブ』に異能力が移されたんだ。だがそのグローブを身につけてるやつが味方にいる」
シャルル「··· ··· ···中国人」
キング「おう、俺らの仲間の『フェード』だ。あいつが身につけてるグローブは元はクロノスだったものだ」
エル・シッド「おいキング、話はそれで終わりか?それならその中国人探してミートパテにしてやるよ」
ゲライント「やめなさいエル・シッド。ボスからは『斎王一派に手を出すな』って言われてるの忘れたの?」
キング「話を最後まで聞けッ!いいか?俺は錆発生剤食らって一度『くたばった』。だが魂の欠片を入れて貰ってこうして生きてる」
キング「もし···もしもだ。もしも···『クロノス』が蘇って味方になったどうだ?ヤバくねえか?」
  するとゲライントはウイスキーをグイッと飲み干し、机に置く
ゲライント「クロくんが味方になるかもって?『無理よ』。あの子言ってたじゃない『俺は地球を脅かす星海の魔物だ』って」
キング「だが義理堅いぞ?情にだって厚い」
シャルル「キング···クロノス、は···宇宙人だ···からダメ。クロノス···は嘘つい···てない」
キング「おいおいシャルル、お前までそんなホラ話信じてるのか?」
  しかしキングのこの様子にゲライントとシャルルは真剣な目で『やめておけ』と警告をする
  キングはそんな2人のただならぬ様子に、慌てて話を切り替える
キング「それよりよ···お前ら魂の欠片はわかったが『誰から貰うんだ?』」
ゲライント「私とエルちゃんは錆がまだそこまで酷くないから、シャルちゃんがボスから魂の欠片貰ったらどう?」
シャルル「え?私···?」
ゲライント「そうよー?別に変な事じゃないわよ?この中で錆が酷いのはシャルちゃんだし、エルちゃんも賛成よね?」
エル・シッド「おう、文句ねえぞ。ボスに言っとけ言っとけ!」
シャルル「ならそう···する。ありがと、二人とも」
エル・シッド「ところでキング、空港の時と現場事務所出た時アタシに1杯奢るっていったよな?」
キング「··· ··· ··· ···」
エル・シッド「1番高い酒2杯奢れよ」
キング「悪い、用事思い出したから帰るわ」
  するとゲライントが立ち上がろうとするキングを無理に座らせ「できない約束をしたキングが悪いわよ~?」と言い
  逃げようとしたら『自分たちの分も奢りにする』と脅す。そしてキングは泣きそうな顔をしながらその場に縮こまるのであった
シャルル「哀れ、無様。昔から、変化なし」

〇ゲームセンター
  同所 ゲームセンター内
チョ・ヨンス「···こちらヨンス、聞こえるかい?どうやらWoOSは作戦を失敗したみたいだよ」
チョ・ヨンス「··· ··· ···うん、わかった。通信を切ったらロックフォードを離脱し『別のポイント』に移動するよ」
チョ・ヨンス「猩红派系的荣耀(紅色派に栄光あれ)」
  男が電話を切ると猛スピードで別の所にかけ、先程とは違い焦る様子を見せた
チョ・ヨンス「代表!遅いです、0.25秒出るのが遅い!こっちはスパイとかやりたくないから早く終わらせたいのに!」
チョ・ヨンス「··· ··· ···うっさい!今更分かりきった事を言うな!『焦燥的な恋』なんだ、一刻も早く動かなきゃならない!」
チョ・ヨンス「··· ··· ···もう喋るのも遅い!要は『ピオリア』に行って失楽園の天使達に内乱を起こさせればいいんだろ!?」
チョ・ヨンス「··· ··· ···遅い!もう時間の無駄だから切る!『焦燥的な恋』は止まらない!」
  すると男はせかせかと早歩きをしながら、外へ出ていった。
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第70話 少年の思い

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