五話(脚本)
〇先住民の村
ヒルコタケル「食らえや!蛮神!」
スサノオ「ぐああーーーーーーッ!」
ドキ「お見事にございますヒルコタケル様!」
スサノオ「クッ・・・何が神はいらぬだ。 最後の最後で寄り縋っておるではないか」
ドキ「ヒルコ様だけは別じゃ!」
ドキ「ヒルコ様こそ唯一、人と共に在る神!」
ドキ「我らを導く光そのもの!」
エビス「・・・」
スサノオ「笑止!」
スサノオ「貴様ら人間は、 その者に宿っている『モノ』の正体が 分かっておるのか?」
ドキ「無論じゃ。 創生のならびがみ、 イザナギ、イザナミの第一子にして 光の神ヒルコ!」
スサノオ「そして出来損ないの失敗作。 手も足もない蛭の如き神、ヒルコだ!」
エビス「・・・」
スサノオ「ならびがみは我が姉アマテラスに この地を任せた」
スサノオ「幾ら舞い戻ろうとて 貴様のいるべき場所ではないぞ、 ヒルコ!」
ヒルコタケル「ハハハ!言ってくれるぜ!」
タカマガハラの兵「蛭の子を流せ!」
ヒルコタケル「おう!吠えろ吠えろ!」
エビス「・・・」
タカマガハラの兵「蛭の子を流せ!」
エビス「・・・黙れ」
スサノオ「蛭の子を流せええええッ!」
エビス「黙れーーーーーーーッ!」
スサノオ「何だ。貴様は・・・?」
スサノオ「・・・!?」
スサノオ「どうした・・・アメノトリフネよ」
エビス「・・・へ?」
エビス「ひゃああああッ!」
〇雲の上
エビス「ひゃあああああッ!」
〇飛空戦艦
エビス「・・・!?」
『オ・カ・エ・リ』
『ナ・サ・イ・マ・セ』
エビス「・・・」
エビス「・・・」
〇先住民の村
スサノオ「どういうことだ?」
スサノオ「あの小男は一体・・・?」
ヒルコタケル「敵は怯んだぞ!一気に押し返せ!」
アシハラの兵「うおおおおおッ!」
アシハラの兵「ヒルコ様に続けーーーッ!」
スサノオ「クッ、勢いづきおって!」
タカマガハラの兵「す、スサノオ様!」
タカマガハラの兵「アメノトリフネが還ってゆきます!」
スサノオ「アメノトリフネはタカマガハラの意思」
スサノオ「ここまでか・・・」
スサノオ「砦に退くぞ!」
ヒルコタケル「待て!逃げるか卑怯者!」
ドキ「ヒルコ様!皆を救うが先にございます!」
ヒルコタケル「黙れ!俺に指図するか無礼者が!」
ドキ「も、申し訳ございませぬ・・・」
ヒルコタケル「・・・チッ」
ヒルコタケル「いつまで寝ている。交代だ」
タケル「・・・」
ドキ「タケル様。お戻りですか?」
ドキ「火が燻っております。ご指示を・・・」
タケル「お、おう! みんな武器を置いて火を消せ!」
タケル「炎に巻かれた者はいねえか探し出せ!」
ドキ「・・・」
「いやいや~こりゃまた えらい騒ぎでしたね~」
ドキ「異邦神の到来」
ドキ「タカマガハラの襲来」
ドキ「この一大事に何処で油を売っておられた」
ドキ「何の為の賢者ぞ?シバ博士!」
「あら~ん。ごめんあそばせ」
シバ「お祭り騒ぎに出遅れちゃったわ」
づづく