インソムニア

komarinet

第22話 装置(脚本)

インソムニア

komarinet

今すぐ読む

インソムニア
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇救急車の中
九条 醒夜(くじょう せいや)「ふふふ・・・ははははっ!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「俺は先祖に打開策を練らせる」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「お前は予知で、どの案が最良か教えてくれ」
白宵 覚(しらよい さとる)「わかった」
九条 醒夜(くじょう せいや)「無駄やで。未来ってもんはな・・・」
九条 醒夜(くじょう せいや)「可能性がない場合には選べんのや!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「2m、ストレート・・・ッ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「覚、早く予知を!」
白宵 覚(しらよい さとる)「待ってくれ、もう少しで──」
三井 陽和(みつい ひより)「・・・素直に謝るなら、今なら許す」
白宵 覚(しらよい さとる)「ああ・・・なるほど」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「どういうことだ!?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「・・・す」
九条 醒夜(くじょう せいや)「すまんかったーー! 堪忍や!」
三井 陽和(みつい ひより)「『素直に謝れないからドッキリでいこう』」
三井 陽和(みつい ひより)「って、考えたらしいわ」
三井 陽和(みつい ひより)「ほら! もっとしっかり謝る!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「すんません、ホンマにすんません!」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「人騒がせな男だ」

〇駅のホーム

〇シックなバー
九条 醒夜(くじょう せいや)「不眠がなくなれば僕は選手引退や」
九条 醒夜(くじょう せいや)「だからつい、あいつの手を取ってもうた」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「理由は納得した──しかし」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「この先、君が寝返らないという保証は?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「それなら安心しぃ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「さっき球団に、退団届けを提出してきた」
アルテミス「醒夜、正気なの!?」
アルテミス「野球選手は君の夢だったじゃないか!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「僕は大切なファンを苦しめてしもうた」
九条 醒夜(くじょう せいや)「そんな奴に、ヒーローの資格はないんや」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「ナイト、彼の発言の裏付け。取れるかい?」

〇秘密基地のモニタールーム
涅群 騎士(くろむら ないと)「数秒あれば」
涅群 騎士(くろむら ないと)「九条さん、嘘は言ってないみたいだね」
涅群 騎士(くろむら ないと)「球界は凄い騒ぎだよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「本当の理由を記者が必死に探ってる」
涅群 騎士(くろむら ないと)「ま、わかるはずもないんだけどね」

〇シックなバー
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「だが引退は撤回も出来る。だろ?」
三井 陽和(みつい ひより)「戻る気はないみたい」
三井 陽和(みつい ひより)「『僕の選手生命は終わった』そうよ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ひよりん・・・おおきに」
三井 陽和(みつい ひより)「勘違いしないで。仲間に戻ったとしても」
三井 陽和(みつい ひより)「裏切ったことを許したわけじゃないから」
九条 醒夜(くじょう せいや)「・・・わかっとる」

〇綺麗な会議室
三井 陽和(みつい ひより)「・・・はあ」

〇車内
三井 陽和(みつい ひより)「私を好きだっていうあの態度も──」
三井 陽和(みつい ひより)「彼の作戦だったんでしょうね」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「さあ、そいつはどうかな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「彼はそんな器用じゃ無さそうだがな」

〇綺麗な会議室
三井 陽和(みつい ひより)「本当のことがわかっても全然嬉しくない」
三井 陽和(みつい ひより)「嬉しくないよ・・・馬鹿」

〇シックなバー
白宵 覚(しらよい さとる)「九条。早速だが聞きたいことがある」
白宵 覚(しらよい さとる)「睦月は隠れ家を持ってなかったか?」
白宵 覚(しらよい さとる)「例えば巨大な装置が入るような」
九条 醒夜(くじょう せいや)「装置は覚えがないなぁ。隠れ家やったら」

〇住宅地の坂道

〇車内
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「柏坂第三墓地?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「郊外にある共同墓地のことだな?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「せや。墓場のすぐ近くに鍾乳洞があってな」
九条 醒夜(くじょう せいや)「奴はそこに部屋を作っとった」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「鍾乳洞は複雑な構造になりやすい」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「人目を逃れるにはもってこいか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「覚の同僚も、そこで匿っとったんや」
白宵 覚(しらよい さとる)「新太のことか! 九条、お前まさか」
九条 醒夜(くじょう せいや)「いやいや、ちゃんと逃がしたったわ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「放っといたら、あの人何するかわからんし」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「共同墓地なら10分もあれば着く」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「覚。予知はどうだ?」
白宵 覚(しらよい さとる)「今のところ睦月と遭遇する予知はない」
三井 陽和(みつい ひより)「でも油断は禁物」
三井 陽和(みつい ひより)「彼はあなたの予知を消すことも出来る」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「記憶を消す能力。厄介すぎるぜ」

〇墓石
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「辺りに人の気配はないようだな」
三井 陽和(みつい ひより)「気配があっても人であって欲しい・・・」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「はっはっは。確かにな」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「ん?」
涅群 騎士(くろむら ないと)「や、お待たせ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「って、別に待ち合わせてないけど」
白宵 覚(しらよい さとる)「ナイト。外に出て大丈夫なのか?」
涅群 騎士(くろむら ないと)「引きこもり扱いはやめてほしいな」
涅群 騎士(くろむら ないと)「日光がない夜なら大丈夫だから」
アルテミス「でも、珍しいよね」
アルテミス「ナイトが自分で出てくるなんて」
涅群 騎士(くろむら ないと)「流石に今回は人任せには出来ないよ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「ここに原因があるのは間違いなさそうだし」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「何かわかったのか?」
涅群 騎士(くろむら ないと)「この一帯、電力消費量が異常なんだ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「人家も工場もないのにさ」
白宵 覚(しらよい さとる)「──不眠を発生させる装置か!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「なあ、ホンマにあるんか? それ」
九条 醒夜(くじょう せいや)「そんな装置、見いひんかったけどなぁ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「巧妙に隠してあるのかもしれん」
涅群 騎士(くろむら ないと)「行くなら急いだ方がいい」
涅群 騎士(くろむら ないと)「警察によれば、六道は逃走中らしいから」
白宵 覚(しらよい さとる)「わかってる。九条、案内頼む」
九条 醒夜(くじょう せいや)「任しとき。こっちやで」
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「相手の心配ばかりするのね、白宵くんは」
白宵 覚(しらよい さとる)「意識を失う前、俺は聞いたんだ」
白宵 覚(しらよい さとる)「あいつが銃に撃たれたという話を」
三井 陽和(みつい ひより)「六道はあなたを本気で殺そうとしていた」
三井 陽和(みつい ひより)「油断すれば、次は本当に廃人にされるわよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「わかってるさ、三井」
白宵 覚(しらよい さとる)「それでも俺は・・・」

〇暗い洞窟
九条 醒夜(くじょう せいや)「暗いから足元気ぃつけや」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「無数に横穴があるな。まるで迷路だ」
三井 陽和(みつい ひより)「コウモリ、モリモリ、モウイヤ・・・」
アルテミス「ひより、こういうの駄目だからなぁ」
白宵 覚(しらよい さとる)「おい、九条」
九条 醒夜(くじょう せいや)「先頭は譲らんで。汚名返上のチャンスや」
九条 醒夜(くじょう せいや)「いくら覚が予知能力あってもやな」
白宵 覚(しらよい さとる)「そうじゃない、この扉はなんだ?」

〇牢屋の扉(鍵無し)
九条 醒夜(くじょう せいや)「なんや、このゴツい扉は」
九条 醒夜(くじょう せいや)「こんなん、僕いた時にはなかったで」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「恐らく君は奴に忘れさせられたんだ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「実際この扉──恐ろしく存在感がない」
白宵 覚(しらよい さとる)「睦月の仕業か」
白宵 覚(しらよい さとる)「鍵がかかっていない!?」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「極端に認識しづらい扉だ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「施錠する必要がないのだろう」
アルテミス「でも、なんで見えるようになったのかな」
白宵 覚(しらよい さとる)「どうだろうな。あいつが弱ってるせいか」
涅群 騎士(くろむら ないと)「あるいは罠、とかね」
白宵 覚(しらよい さとる)「俺が先に行く。皆は俺の後ろに」

〇研究施設の廊下
白宵 覚(しらよい さとる)「危機的な予知はなし、か」
涅群 騎士(くろむら ないと)「その予知も消されてたりしてね」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「お前は本当に発想がネガティブだなぁ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「みんなが楽観的すぎるんだよ」
白宵 覚(しらよい さとる)「大丈夫。皆の無事は見えてる」
白宵 覚(しらよい さとる)「次の部屋に進むぞ・・・」
アルテミス「ひより? どうしたの?」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くんは危機予知に能力を全振りしてる」
三井 陽和(みつい ひより)「だから今、この先の予知をしてない」
アルテミス「大丈夫だよ。六道って人もいなくて」
アルテミス「みんなも無事ならいいと思うけど?」
三井 陽和(みつい ひより)「そう、かしらね・・・」
アルテミス「ひより、行くよ!」
三井 陽和(みつい ひより)「うん・・・」

〇実験ルーム
白宵 覚(しらよい さとる)「ここは・・・」
三井 陽和(みつい ひより)「研究施設・・・みたいな」
アルテミス「ひより! あれ見て!」

〇水の中

〇水の中
アルテミス「水槽の中に女の子が入ってる!」
アルテミス「早く助けなきゃ!」
三井 陽和(みつい ひより)「苦しんでる様子はないから大丈夫」
三井 陽和(みつい ひより)「だけど・・・この子、誰かに似て──」
白宵 覚(しらよい さとる)「そんな・・・嘘だろ・・・っ!」

〇実験ルーム
白宵 覚(しらよい さとる)「・・・睡!」
九条 醒夜(くじょう せいや)「知り合いなんか? 覚」
白宵 覚(しらよい さとる)「行方不明の・・・俺の妹だ」
白宵 覚(しらよい さとる)「くっ・・・頭が!」
アルテミス「覚ーー!」

〇シックなリビング
白宵 覚(しらよい さとる)「睦月! 睡をどうするつもりだ!?」
六道 睦月(ろくどう むつき)「すまない、でもこうするしかないんだ」
六道 睦月(ろくどう むつき)「装置には彼女の脳波が不可欠で──」
白宵 覚(しらよい さとる)「装置? 脳波? 何を言ってる!?」
六道 睦月(ろくどう むつき)「お前には説明したってわからないさ」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「ここが、例の家か?」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「なかなか金になりそうじゃねぇか」
六道 睦月(ろくどう むつき)「辻堂社長、お話受けて頂き、感謝します」
ロンダリング金融 社員「おやっさん、いまの話は本当なんですか?」
ロンダリング金融 社員「人の記憶を何とかっていう・・・」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「目の前で見た。間違いない」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「それより、俺たちの記憶も頼むぞ?」
六道 睦月(ろくどう むつき)「ええ。正規の手続きだった記憶を残します」
ロンダリング金融 社員「どういうことです?」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「お前は知らなくていい」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「ま、言ったとこで忘れてしまうがな」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「ある家族を崩壊させたい男がいた」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「その為には”差し押さえ”が都合良かった」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「それだけの話よ」
白宵 覚(しらよい さとる)「家族を崩壊!? ”差し押さえ”って何だよ!」
六道 睦月(ろくどう むつき)「本当にごめんな、覚。でも俺、決めたんだ」
六道 睦月(ろくどう むつき)「眠りのためなら何だって犠牲にするって!」
白宵 覚(しらよい さとる)「う・・・!」
白宵 覚(しらよい さとる)「うああああっ!」
六道 睦月(ろくどう むつき)「辻堂社長、あとはよろしくお願いします」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「おお、任せとけ」
ロンダリング金融 社員「おやっさん・・・」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「気にするな。もう忘れるよ」
ロンダリング金融 社員「おやっさん?」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「あー、何だっけな」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「『覚書通りにすれば、儲けをやる』、か」
白宵 覚(しらよい さとる)「ん・・・」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「よう、おはようさん」
白宵 覚(しらよい さとる)「誰だ、あんた!?」
白宵 覚(しらよい さとる)「父さん! 母さん! 睡!」
白宵 覚(しらよい さとる)「どこに行ったんだ!?」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「お前の家族は夜逃げしたようだ」
辻堂 与壱(つじどう よいち)「寝ていたお前を置き去りにしてな」

〇実験ルーム
白宵 覚(しらよい さとる)「なんて・・・ことだ」
アルテミス「覚、大丈夫!?」
三井 陽和(みつい ひより)「白宵くん、今のは・・・」
白宵 覚(しらよい さとる)「忘れていた俺の記憶だ」
白宵 覚(しらよい さとる)「まさか、睡の失踪にも関わっていたとは」
六道 睦月(ろくどう むつき)「あーあ。やっぱり思い出しちゃったか」
白宵 覚(しらよい さとる)「──!」
白宵 覚(しらよい さとる)「睦月!?」
三井 陽和(みつい ひより)「嘘・・・! 部屋には他に誰の心も」
九条 醒夜(くじょう せいや)「僕ら、入口に立ってたんやで」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「誰かを通した記憶もないぜ・・・クソッ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「これが・・・っ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「記憶を消去する能力!」
六道 睦月(ろくどう むつき)「おー、新鮮な反応。どーも」
六道 睦月(ろくどう むつき)「やあ、覚。数時間ぶり」
白宵 覚(しらよい さとる)「いつからそこに居た?」
六道 睦月(ろくどう むつき)「最初からさ」
六道 睦月(ろくどう むつき)「だって、ここへ招いたのは俺だからね」
白宵 覚(しらよい さとる)「だが、予知には何も──」
六道 睦月(ろくどう むつき)「あっはっは。簡単なことさ」
六道 睦月(ろくどう むつき)「お前はどうやら消去に敏感らしいからな」
六道 睦月(ろくどう むつき)「『予知を消された記憶』も消したんだよ」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「厄介な能力に明晰な頭脳持ちかよ・・・」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「チート過ぎんだろ」
涅群 騎士(くろむら ないと)「白宵さん、ちょっとマズいかも」
涅群 騎士(くろむら ないと)「警察の情報じゃあ、彼は怪我してるって」
アルテミス「本当だ! 傷ひとつないよ!」
三井 陽和(みつい ひより)「万全な状態ってこと・・・?」
六道 睦月(ろくどう むつき)「その通り。そしてここは装置のある場所」
六道 睦月(ろくどう むつき)「つまり──」
六道 睦月(ろくどう むつき)「俺の能力を強化できる場所なのさ!」
白宵 覚(しらよい さとる)「うあああっ!」
  今度こそ1ミリも残さず廃人にしてやるよ
白宵 覚(しらよい さとる)「やめろ・・・む・・・つき・・・」
  じゃあな、インソムニア。そして──
  今度こそさよならだ、覚

〇黒背景
三井 陽和(みつい ひより)「また・・・あのときの」
三井 陽和(みつい ひより)「消えていく・・・皆の心が・・・」
九条 醒夜(くじょう せいや)「ひよりん? みんな? どこいったんや!?」
九条 醒夜(くじょう せいや)「あかん・・・意識が・・・」
明闇 暁仁(みょうあん あきひと)「思い出した! これは・・・教授室の」
涅群 騎士(くろむら ないと)「情報が・・・僕の情報が消える・・・」
アルテミス「みんな! 一体どうしたんだよ!」
アルテミス「ナイト! 醒夜! 明闇! ひより!」
白宵 覚(しらよい さとる)「アルテミス・・・」
アルテミス「覚は大丈夫だよね、だって予知の力が──」
白宵 覚(しらよい さとる)「逃げ・・・ろ」
アルテミス「覚ーーーー!」

〇研究施設の廊下
アルテミス「はあ、はあ、はあ・・・」

〇暗い洞窟
アルテミス「誰か・・・誰か助けて・・・!」

〇墓石
アルテミス「誰か・・・誰かーー!」
アルテミス「痛たた・・・」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「あら? 猫?」
小判 早馬(こばん そうま)「この猫、いま喋りませんでした?」
アルテミス(凄腕刑事の二人・・・!)
アルテミス(えーい! この際誰だっていい!)
アルテミス「お願い、刑事さん! 仲間を助けて!」
小判 早馬(こばん そうま)「うわ、本当に喋った!」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「この猫ちゃん、確かスタジオで──」
アルテミス「僕をどこで見たかなんて別にいいでしょ」
アルテミス「それより、僕の仲間を助けて!」
アルテミス「六道っていう悪い奴に襲われてるんだ!」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「だそうよ。小判くん」
小判 早馬(こばん そうま)「よし、猫くん。案内してくれ」
アルテミス「信じてくれるの?」
小判 早馬(こばん そうま)「我々は人の記憶を消す犯罪者を追っている」
小判 早馬(こばん そうま)「今さら猫が喋ったところでさほど驚かんよ」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「お喋りする猫ちゃん。可愛すぎよぉ」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「助けるに決まってるじゃない」
アルテミス「で、でも僕は──」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「何も言わないで。市民を助けるのが警察よ」
女鮫 蜂利(めざめ はちとし)「ね、小判くん」
小判 早馬(こばん そうま)「ええ。それに君の仲間を襲ってる人間」
小判 早馬(こばん そうま)「我々の追ってるホシと同じようなのでね」
アルテミス「そ、それじゃあ──」
小判 早馬(こばん そうま)「君の仲間の救出、警視庁五課が引き受ける」

コメント

  • わーん、睦月と社長がグル!
    信じてた二人が!
    これはトラウマレベルの案件ですよ〜!!
    しかもチート能力が増幅されるのはヤバいですね。どうなるのだろう。
    もう睦月の心に善意は残ってなさそうだし…。(悲しい😿)
    警察チーム、応援してます!

  • おおー!続きが気になる展開で終わったー😳
    九条は悪になりきらず仲間に戻って一安心と思いきやインソムニアの大ピンチに😱
    昨日の敵は今日の友とばかりに女鮫警部達の到着とは最高に盛り上がってきましたね。
    他人の妹まで手を出して……睦月が他人を犠牲にしてまで眠りに執着する人に言えない理由とは🤔

    更新ゆっくりでも、いつまでも楽しみに待ってます。

  • 更新待ってました😆✨️
    キャー!ここで警察コンビは激アツー!!🔥✨️
    裏切り者の回帰、冒頭シーンの回収、絶望的な敵の力、対立勢力の共闘。興奮要素がドバドバです!

    睦月のここに至る心情が気になります。
    妹ちゃんはずっと眠らされてるんですか……
    九条とひよりも気になりますね。

    続き楽しみにしてます!

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ