横取りの王子様

夏目心 KOKORONATSUME

3 社長の娘(脚本)

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〇オフィスのフロア
  竜二に彼女を横取りされて3日後。俺は何だかしがらみから開放された気分で仕事に向き合っていた。
釘宮竜也「さて、次の資料はと・・・」
釘宮竜也「ん?」
夏川めぐみ「お疲れ様です、もし宜しければ、これどうぞ・・・」
釘宮竜也「あ、ありがとう・・・君は確か・・・」
夏川めぐみ「う〜ん、やっぱ覚えてませんでしたか・・・あたし達、昔1回だけ会った事があるんですよ・・・」
夏川めぐみ「子供の時のここの社会科見学で・・・」
釘宮竜也「子供の時の社会科見学?」
夏川めぐみ「・・・って、やっぱ分からないですよね!あたし、夏川めぐみです!夏目カンパニー社長の娘で、昔1度お会いしました!」
釘宮竜也「え?夏川社長の娘さん!?」
夏川めぐみ「はい!あたし前から竜也さんとお話したかったんです!後でお昼一緒しませんか?」
釘宮竜也「そ、そうなんだ・・・後でゆっくりね・・・」
夏川めぐみ「はい!」
釘宮竜也「・・・あの子、見掛ける事はあるけど、会った事あるんだ・・・」

〇警察署の食堂
夏川めぐみ「今日はあたしが奢ります・・・何でも好きなの頼んで下さい・・・」
釘宮竜也「あ、あぁ、でも本当に良いのかい?」
夏川めぐみ「大丈夫です!先ずあたしがやりたくてやってますから!」
  それから俺は言われるがままに食事を注文して席へ座るのだった。
釘宮竜也「それにしても君、社長の娘さんなのは分かったけど、どうして俺と同じ部署でやってるの?」
釘宮竜也「どっちかと言うと社長秘書とかやってそうだけど・・・」
夏川めぐみ「それはまた飛んだ偏見ですね・・・竜也さん、あたしの父がどんな人か知ってますよね?」
釘宮竜也「え?まぁ、まだ子供だった俺らに、若い内から苦労しなさいって言う人だったよな・・・」
夏川めぐみ「そうですよ・・・あたしもその内の一人として、社会勉強と言う形で今の部署にいるんです・・・」
夏川めぐみ「あたしが上の人間になる上で、下の者の気持ちを理解して欲しいって・・・」
釘宮竜也「なるほどね・・・確かに夏川社長ならやりそうだな・・・」
夏川めぐみ「はい、竜也さんの事は竜也さんのお父さんからあたしの父を通して聞いてました・・・竜也さんが高校生になって、」
夏川めぐみ「一人暮らしを始めたって聞いたらあたしも負けてられなくて・・・今日まで頑張ってました・・・」
釘宮竜也「そ、そうなんだ・・・父さん、俺の事話してたんだ・・・」
夏川めぐみ「はい、それはそうと、竜也さんに聞きたい事があって呼び出したんです・・・」
釘宮竜也「ん?聞きたい事?」
夏川めぐみ「はい、最近相川先輩とお話してる所を余り見ない様になったんですが、何かあったんですか?」
釘宮竜也「あぁ、その事か・・・俺ら付き合ってたのは本当だけど、最近別れたんだ・・・」
夏川めぐみ「え?何があったんです!?」
釘宮竜也「俺の弟に竜二ってのがいてさぁ、麻友はそいつと俺とで二股してたっぽくってさ・・・最終的にあいつは竜二を選んだよ・・・」
夏川めぐみ「えぇ、相川先輩は竜也さんのどこが不満だったんですか!?」
釘宮竜也「まぁ、何と言うか、俺将来起業したいんだよね・・・でも、上手く行く保証は無いって思われてたから余り快く思われてなくて・・・」
釘宮竜也「何より、竜二がずっとここでやってく見たいな事言ってたし・・・」
夏川めぐみ「うわ、マジで・・・相川先輩、案外腹黒いと言うか・・・」
釘宮竜也「でも、正直俺、麻友とは別れたいと思ってたよ・・・遊びに行くにしても金を出すのは俺だけだったし、」
釘宮竜也「あいつ他人に対してそう言う罪悪感が無いと言うか・・・だから今、前よりは充実してるんだ・・・」
夏川めぐみ「あ、あぁ、何と言うか、大変だったんですね・・・て言うか・・・」
夏川めぐみ「竜也さん、今独りなんですよね?」
釘宮竜也「え?まぁそうなるね・・・」
夏川めぐみ「それなら、あたしが狙っても大丈夫ですよね?あたしもう遠慮しませんから!」
釘宮竜也「う〜ん、でも俺いつか起業して出てくつもりたけどそれでも良いなら・・・」
夏川めぐみ「分かってます!あたしも考えてありますから!」
釘宮竜也「・・・?まぁ良いけど・・・」
  何だかんだで俺達は正式に友達となった。昔会った事があると言っていたが、残念ながら俺にはその記憶は無い。
  ともあれ、俺は午後も黙々と仕事に精を出すのだった。

〇ショッピングモールの一階
  今日の仕事終わり。竜二はと言うと。
釘宮竜二「さぁて!麻友ちゃん!これからどうしようか!」
相川麻友「そうね・・・これから結婚するなら、生活に必要な家具とか見たいよ!」
釘宮竜二「分かった!でも必要な物って何かな?」
相川麻友「そうね・・・あ!」
相川麻友「私ちゃんとメモ持って来てたから!これ見よう!」
釘宮竜二「お!流石麻友ちゃん!どれどれ?」
釘宮竜二「うわ!こんなに沢山!しかも値段張ってるなぁ・・・」
相川麻友「うん、やっぱ厳しいかな・・・」
釘宮竜二「いや!これなら大丈夫だよ!イザって時はパパとママに相談すれば良いし、兄ちゃんに頼んで買ってもらおう!」
相川麻友「あ!そうだよね!イザって時は竜也君達が助けてくれるよね!」
釘宮竜二「うん!だから大丈夫!これからの生活楽しみだね!」
  これからの生活に備えて家具を見に来た竜ニと麻友。金が払えないとなれば家族に頼る気満々で、2人はこれからの事を
  話すのだった。

次のエピソード:4 起業

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