ABS

山本律磨

二話(脚本)

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山本律磨

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〇先住民の村
アシハラの民「ドキさま。今日は大漁でございますね!」
アシハラの童「神様が現れたんだよ!」
ドキ「神でよい。様などいらぬ」
ドキ「大漁も、我ら『人』が『神』を制しておる証ぞ」
アシハラの民「ところで、その人は?」
ドキ「人ではない。タコじゃ」
エビス「新種のな」

〇太子妃の御殿
ドキ「大王様の御前である。戒めを解いてやれ」
エビス「左様。我は神ぞえ」
アシハラの民「暴れませんかね?このタコの神・・・」
ドキ「手足は半分しかない故、墨にさえ気をつければ大事なかろう」
エビス「言いたい放題だなお主ら・・・」
ドキ「それに我らは最早神の奴隷ではない。礼法に従い野蛮なる行いは慎むのだ」
アシハラの民「ははっ!」
エビス「うむ。それでよい」
エビス「では失礼する」
アシハラの民「・・・」

〇黒

〇太子妃の御殿
エビス「結局縛るのではないか」
ドキ「無礼に用いる礼などないわい」
ドキ「ところでその装束。おぬし渡来の民か?」
エビス「神というておろう」
ドキ「タミと名乗った方が身の為だぞ」
ドキ「タコでもよいぞ」
エビス「カミじゃい!」
ドキ「分かった。では神として扱う」
ドキ「我らアシハラの敵!タカマガハラの手の者としてな!」
エビス「え?」
エビス「タカマガハラ?何、それ?」
ドキ「者ども!出あえい!」
アシハラの兵「神じゃ神じゃ!」
アシハラの兵「タカマガハラの尖兵じゃ!」
アシハラの民「コーローセ!コーローセ!タコ神コロセ!」
「しばくぞ!」
エビス「ひいいっ!何をする!」
エビス「神は畏れ敬い崇め奉るものではないのか!」
エビス「よくは知らんが、洋の東西を問わず世の中大体そんな感じと伝え聞くぞ!」
ドキ「渡来の神か。ならばよく聞くがよい。この地では神は既に死んでおる」
ドキ「っていうか、殺す」
ドキ「天の楔を解き放ち地に王国を築くわれらにとって神という存在自体が罪なのだ」
ドキ「ここは『人の地』アシハラである!」
エビス「なるほど。そういう仕儀か」
エビス「まさか神と人が相食む島であったとはな」
エビス「ならば話は早い・・・」
エビス「改めて自己紹介を。僕はエビスよしかず」
エビス「もちろん人間です。宜しくね」
ドキ「なにがよしかずじゃ!もう遅いわあッ!」
エビス「ひいいいいいいッ!」
  『待てーーーーーーーーーーーーッ!』
  『その勝負、俺が預かったーーーッ!』
ドキ「だ、大王様・・・!」
アシハラの兵「うおーーーーーーーーーーーーーッ!」
アシハラの兵「大王様のお出ましだーーーーーーーッ!」

〇白

〇パチパチ

〇太子妃の御殿
タケル「うっひゃーーーーーーーーーー!」
エビス「うひゃ?」
タケル「おめえ、面白え服着てんなーーーッ!」
タケル「髪型も妙ちくりんだなーーーーッ!」
タケル「俺、タケルってんだ!よろしくな!」
エビス「な、何だこの『圧』は?」
ドキ「そう、その『圧』」
ドキ「人間界の未来を担う少年達の心をガッチリ掴むウザさ・・・いや『圧』こそアシハラ大王の証!」
ドキ「我等が大王、タケル様である!」

〇カラフルな宇宙空間
タケル「うおーーーーーーーーーーーーーッ!」
タケル「面白くなってきたぜーーーーーーッ!」
タケル「いっちょやってみっかーーーーーッ!」
  ABS
エビス「タイトルの出るタイミングがおかしいだろ」
  つづく

次のエピソード:三話

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