ゲーム三銃士

Watoto/3134

4章 秘密を持つ少女、花奏(脚本)

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〇街中の道路
  とある日の夜・・・
  航たちは夕飯の食材を買いに、
  出かけていた・・・
海世 永和「とっとと走って帰るぞ!」
空乃 快飛「早く急がないと洗濯物が・・・」
陸尾 航「あ、あいつら・・・ 人に荷物持たせて先行きやがった・・・」
  この日はゲリラ豪雨が降り、
  航たちは雨の中、びしょ濡れになりながら
  帰ろうとしていた。
  そんな時・・・
陸尾 航「・・・!!」
  どこからか、何かが
  倒れるような音がした・・・
陸尾 航「・・・路地裏の方か!?」
  航は近くの雨が当たらない所に
  荷物を置き、
  音がした路地裏へと向かった・・・

〇黒背景
  真っ暗な路地裏・・・
  ほんの少しゴミの臭いがする中・・・
  少しの視界を頼りに、
  路地裏の奥へと進む・・・
陸尾 航「・・・!!」
  路地裏の奥には、少女が倒れており──
陸尾 航「おい! 大丈夫か!!」
  ──よく見ると少女の体には、
  数多ものアザや擦り傷が付いていた。
???「・・・」
  少女は航の呼びかけに答えなかった・・・
陸尾 航「体温は・・・まだ温かい! ・・・待ってろよっ!」
  航は少女を背負い、荷物を持って
  家へと走り出した──

〇森の中のオフィス(看板無し)
陸尾 航「はぁ、はぁ・・・」
海世 永和「どうした航? 遅かったじゃ・・・」
陸尾 航「永和・・・ 今すぐに応接間のエアコンを! あと毛布も!!」
海世 永和「・・・! 分かった!!」
  あまりの必死さに永和も
  何かを感じ取ったのか、
  疑うこともせず急いで室内へと戻る──
陸尾 航「はぁ・・・ この子の分も飯を作らないとな・・・」
陸尾 航「もう少しの辛抱だから待ってろよ・・・」

〇シックなリビング
  応接間にて──
???「う・・・ん・・?」
???「・・・! こ・・・ここは?」
  少女は目を覚ますと、
  辺りを見回した──
陸尾 航「おっ! やっと目を覚ましたか!」
???「・・・!! 来ないで下さいッ!!」
  航が話しかけると、
  少女は臨戦態勢に入った──
陸尾 航「なッ・・・一旦、落ち着いてくれ。 別に取って食おうってわけじゃない。 それに──」
陸尾 航「その傷じゃ動くのも辛いはずだ、 絶対に危害は加えないから、 安静にしていてくれないか?」
???「・・・」
陸尾 航「それに言っておくが、 俺は平和保護局の人間だ。 ・・・ほら」
  航が手帳を見せると、
  少女は安心した顔でソファーに腰掛けた。
宮下 花奏「・・・私の名前は花奏(かなで)、 宮下花奏です。 助けていただいてありがとうございます。 先程は失礼しました・・・」
陸尾 航「いや、別に良いんだ、 誰だって知らない場所じゃ警戒するさ」
陸尾 航「俺の名前は陸尾航だ。 よろしく!」
陸尾 航「路地裏で倒れていたが、 何があったのか教えてくれるか?」
  航が事情を聞こうとした瞬間、
  『グウゥゥ・・・』とお腹の鳴く音が
  応接間に響いた。
陸尾 航「・・・先に夕食とするか!」
陸尾 航「飯持ってくるから、少し待っていてくれ」
宮下 花奏「・・・」

〇シックなリビング
  数分後・・・
  少女の前に夕食が用意された。
陸尾 航「さぁ、好きなだけ食べてくれ!」
宮下 花奏「い、いただきます・・・」
宮下 花奏(この人が平和保護局に勤めていることは 分かったけど・・・ もしかしたらあの組織と 繋がっているかもしれないし・・・)
  少女は疑う様に航を睨むが──
陸尾 航「どうした? 食べないのか・・・? 食べないんだったら俺らで食うぞ?」
宮下 花奏「あっ、いえ食べます!」
  そう言うと急ぐように
  夕食を食べ始めた。
陸尾 航「ゆ、ゆっくり食べろよ・・・ 時間がないわけじゃないんだから・・・」

〇シックなリビング
  数十分後・・・
宮下 花奏「ごちそうさまでした」
陸尾 航「食べ終わったか? 食器下げてくるから、 それまで待っていてくれ」
宮下 花奏「すいません、お願いします・・・」
陸尾 航「おうよ! ついでに菓子持ってくるから それまで寝ててくれ」
宮下 花奏(お姉ちゃんたちどうしてるのかな・・・)

〇黒背景

〇シックなリビング
宮下 花奏「・・・寂しいなぁ・・・ また会えるかな・・・」
陸尾 航「ほいよ、お菓子持って来たぞ」
  そう言いながら、航が少女の前にある
  椅子に腰かける──
陸尾 航「・・・それで聞くけど・・・ なんで花奏はあそこに居たんだ?」
宮下 花奏「実は、全て話すと長くなるんですが・・・」
陸尾 航「あぁ、話したくなけりゃ 話さなくて良いからな?」
宮下 花奏「お気遣いありがとうございます。 ・・・実は私、孤児で・・・」

〇黒背景
  そこから30分ほど話が続いた・・・
  ・・・花奏の話を要約すると、
  親代わりとなって育ててくれた
  おじいさんとお婆さん、20代の娘
  の計三人の家族がある施設に
  囚われており──
  そこから逃げ出した所、
  その施設の所長の手下たちが追ってきた、
  そこで福竜町へと逃げ込んできた──
  だが、飯も食わずに走り続けたからか
  空腹で倒れてしまった・・・
  そして、その倒れている所を俺が発見した
  ・・・と言うことらしい

〇シックなリビング
陸尾 航「・・・なるほど その施設の場所とかは分かるか?」
宮下 花奏「いえ、全く・・・ 逃げるのに必死でしたので・・・」
陸尾 航「そうか・・・」
  重苦しい空気が流れる中──
  『ピンポーン』
  ・・・チャイムが鳴った
陸尾 航「・・・! 来客か・・・ 少し待っていてくれ」
宮下 花奏(・・・)
  航が応接間から出ていった、その時──
宮下 花奏「!!!?」
  銃声が鳴り響いた──
亀田 治郎「よぉ、お嬢ちゃん・・・ 捜したぜ・・・」
宮下 花奏「なっ・・・! 近寄らないで下さいッ!」
亀田 治郎「おいおい・・・ わざわざ迎えに来たんだったのに、 冷てぇなぁ・・・」
  そう言うと男は、
  少女の首を掴み上げた──
宮下 花奏「くッ・・・ わ、航さん・・・」
亀田 治郎「その『航』ってヤツは知らんが、 赤い野郎なら、さっき眉間に鉛玉 撃ち込んできたぜ」
宮下 花奏「!!!?」
  あまりにも突然の事に、
  声が出なくなる少女──
亀田 治郎「さぁ、選びな このままあの野郎を見殺しにして 大人しく戻るか、 それとも──」
亀田 治郎「ここであがいて、あの家族を殺すか──」
宮下 花奏「・・・・・・・・・分かりました 大人しく戻ります・・・」
亀田 治郎「賢明な判断だな ・・・おい!」
手下「はっ!なんでしょうか!」
  男が呼ぶと、男の手下たちが来た
亀田 治郎「この建物に居る奴ら全員殺してこい、 情報を漏らす訳にはいかんからな」
手下「はっ!分かりました!」
宮下 花奏(航さん、ごめんなさい・・・)
亀田 治郎「・・・さて、一旦アジトに戻るとするか! ・・・ついて来い」

〇黒背景
亀田 治郎「ったく、天気が悪いったらありゃしねぇ」
宮下 花奏(・・・)
亀田 治郎「さぁ、早く車に乗りな! じゃねぇと、死体を見ることになるぞ!」
空乃 快飛「待ちな!」
亀田 治郎「・・・! あの野郎の仲間か!」
空乃 快飛「その子を離してもらおうか!」
  そう言いながら快飛は銃を構える──
亀田 治郎「悪いが、コレも仕事なんでね・・・ ここで引く訳には行かねぇんだ──」
亀田 治郎「それじゃあな──」

〇黒背景
  その瞬間、辺りに煙が立った──
空乃 快飛「くッ、煙幕か!」

〇黒背景
  煙幕が晴れる頃には、
  姿は既に消えていた・・・
空乃 快飛「・・・逃したか・・・」
空乃 快飛「・・・とりあえず家で作戦を立てるか!」

〇明るいリビング
  その頃、リビングでは・・・
  男の手下たちが全員倒れている中──
陸尾 航「痛っててて・・・ もう少し丁寧にやってくれ・・・」
海世 永和「・・・ったく、なんで実弾撃ち込まれて 生きてんだか・・・」
  永和が航の傷の手当てをしていた。
空乃 快飛「・・・駄目だ、逃げられた・・・」
海世 永和「・・・どうする航?追うか?」
陸尾 航「目の前で助けを求められてんのに、 助けねぇ馬鹿がどこにいる?」
空乃 快飛「あの車にGPSを付けておいたから、 追えるっちゃ追えるけど・・・」
海世 永和「あ〜・・・ お前、今の状態で動けるか?」
陸尾 航「行けるけど・・・、痛てて・・・」
海世 永和「・・・俺らで行くか・・・快飛、準備しろ」
陸尾 航「なっ、俺も行くぞ!」
海世 永和「はぁ・・・ 無理だけはすんなよ・・・」
空乃 快飛「・・・とりあえず車、出して来るよ」
海世 永和「あぁ頼む・・・」
海世 永和「・・・とりあえず、この手下たちを 縛り上げてから行くか・・・」

〇走行する車内
  車内にて・・・
陸尾 航「快飛!、次は!?」
空乃 快飛「300m先、右方向に曲がって!」
陸尾 航「了解!」

〇物置のある屋上
  その頃、あるビルの屋上にトランシーバーを持った不審な影があった・・・
園田 元貴「・・・狙撃対象を発見、三人居る──」
亀田 治郎「・・・三人!? あの赤い野郎、生きてたのか!?」
園田 元貴「赤い野郎を知らんが、 恐らくもう一人の仲間か何かだろう・・・ 怯える必要もない──」
亀田 治郎「・・・お前の射撃精度は分かっているが、 一応注意くらいしとけ。慢心し過ぎると、 不意をつかれるかもしれんぞ」
園田 元貴「大丈夫だ、この距離だったら・・・」
  そう言うと、男は銃を構える──
園田 元貴「100%当たる筈だ──」

〇走行する車内
空乃 快飛「・・・! 永和さん!狙われてます!」
海世 永和「!分かった!」
海世 永和「危ねぇ・・・ どこからだ!?」
空乃 快飛「恐らくあの屋上に──!」

〇物置のある屋上
園田 元貴「──!!!? 避けられただと!?」
亀田 治郎「何!? 気付かれたか!?」
園田 元貴「いや・・・、気付かれていないみたいだな ・・・まさか避けるとはな・・・」
  その瞬間、男の胸部に何かが当たった──
亀田 治郎「なッ!!!? 何があった!元貴!返事をしろ!」
「・・・」
亀田 治郎「・・・撃ち返されたか・・・」

〇走行する車内
空乃 快飛「・・・恐らく、あの屋上の 狙撃手は倒したかと・・・」
陸尾 航「・・・いつ見てもすげぇな・・・ 快飛の遠距離射撃・・・」
海世 永和「航、ここを左に曲がってくれ、 その先にある山にGPSの反応がある!」
陸尾 航「おっし!」
空乃 快飛「・・・もうすぐですか!」

〇山奥の研究所
  ・・・アジト前──
陸尾 航「花奏はこの中に居るはずだ! ・・・みんな、行くぞ!」
全員「おう!」

〇古い施設の廊下
  アジト内にて・・・
「敵襲!敵襲! 三人の見知らぬ男が入って来た! この放送を聞いた者は、 直ちに攻撃態勢の準備をしろ!」
陸尾 航「どうやら相手も全力で来るらしいな・・・」
構成員「居たぞ! あいつらだ!」
海世 永和「・・・奥義『尼水』」
  永和が奥義を出すと、
  水でできた龍が構成員たちを襲った──
構成員たち「グワァーッ!」
海世 永和「手分けするぞ!俺は一階を調べる! 快飛は二階を!航は地下を調べてくれ!」
空乃 快飛「分かりました!」
陸尾 航「おう、分かった!」

〇謎の部屋の扉
  地下入口にて・・・
  地下へ降りると、
  目の前に強固な扉があった──
陸尾 航「まいったな〜・・・ 扉が開かねぇ・・・」
陸尾 航「永和に無意味に物を壊すなって、 言われてるけど・・・」
陸尾 航「・・・・・・しょうがない!」

〇地下の避難所
  『バコオオォン・・・』と、
  大きな音と共に、扉が壊れた。
  その先に広がる空間に居たのは──
陸尾 航「・・・花奏! 大丈夫か!?」
宮下 花奏「わ・・・航さん!?」
亀田 治郎「チッ・・・生きてやがったか・・・ しぶとい野郎だ・・・」
陸尾 航「さぁ!花奏を返してもらおうか!」
亀田 治郎「・・・あんまりこう言う手は 使いたくなかったんだがな・・・」
  そう言うと、男は刃物をポケットから出し
  少女に突きつけた──
亀田 治郎「・・・残念だがそれは出来ねぇ、 これ以上近づくなら、嬢ちゃんが 無傷じゃ済まないぞ!」
陸尾 航(・・・やはり人質にしてきたか・・・ このまま去っても花奏は・・・ ・・・)

〇黒背景
  ・・・その瞬間、航の中で何かが切れた─

〇地下の避難所
亀田 治郎「・・・なッ!? 消えた!?」
陸尾 航(怒り状態)「お前に手加減をする必要は ないみたいだな・・・」
亀田 治郎「しまっ・・・」
  その瞬間、航は男の持っていた刃物を
  蹴り上げ、蹴り上げて出来た一瞬の
  隙をついて──
陸尾 航(怒り状態)「・・・『連撃』」
亀田 治郎「ガァッ・・・!」
陸尾 航「・・・大丈夫か、花奏? ケガは無いか?」
宮下 花奏「・・・ウグッ、グスッ・・・」
陸尾 航「なッ・・・大丈夫か!?」
宮下 花奏「すみません・・・ 助けに来てくれるとは、 思ってもなくて・・・ こう言うの、今までもずっと 1人で対応してたので・・・」
陸尾 航「・・・」
  すると航は、少女をギュッと抱きしめた─
宮下 花奏「・・・えっ・・・」
陸尾 航「・・・安心しな、俺達は花奏を守る。 この命がたとえ燃え尽きようとも・・・ 守ってほしいと思う限り・・・」
陸尾 航「だから花奏、君の夢も俺たちが叶える。 夢見た未来は俺たちが直ぐに運んでくる、 約束しよう」
亀田 治郎「・・・この・・野郎!」
宮下 花奏「・・・! 航さん!」
陸尾 航「・・・だから」

〇黒背景
「──『クロス・サンダー・・・」
「レイン』!!」

〇地下の避難所
亀田 治郎「くッ!!・・・」
陸尾 航「──俺たちを頼っちゃくれねえか?」
宮下 花奏「・・・はい!」
陸尾 航「・・・いやー、すまねぇな! 来るとは思ってたが!」
海世 永和「・・・ったく毎度のこと・・・ 人使いが荒いやつだ・・・」
  ・・・かくして、戦いは終わった。
  ・・・だが少女を巡る戦いは、
  始まったばかりである──

〇森の中のオフィス(看板無し)
  ・・・数日後、航たちの家に
  新たな住人がやってきた。

〇明るいリビング
陸尾 航「えーっと・・・・・・」
海世 永和「? どうした航?」
宮下 花奏「実は算数のグラフについてで・・・」
海世 永和「・・・」
海世 永和「航! この前の授業でやったばっかだろ!?」
陸尾 航「その時俺休んでたって!」
宮下 花奏「あの〜・・・ 大丈夫ですか?」
陸尾 航「・・・よし、一旦昼休憩としよう!」
海世 永和「はぁ・・・ったく」

〇森の中のオフィス(看板無し)
  花奏は現在、小学校に入る為、
  勉強を頑張っているとか・・・
陸尾 航「花奏! 昼飯何が良い?」
宮下 花奏「・・・炒飯とか?」
陸尾 航「よっしゃー! 腕によりをかけて作るぞ!」

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