吸血鬼との共存を頑張ろう

アクセシビリティ

16話 本能と煩悩(脚本)

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〇ゆるやかな坂道
赤城「元気でな、しずく」
赤城「・・・・・・」
赤城「・・・・・・」
赤城「待て」
赤城「待て待て待て」
赤城「そういやみくる」
赤城「“二人で”幸せにって言ってたな」
赤城「しずくはいなくなってないってことか?」
赤城「そうだ、しずくは」
赤城「吸血鬼が好きだと確かに言ってくれた」
赤城「それを信じなきゃ失礼だ」
赤城「友達失格だ」
赤城「しずくはそう簡単に吸血鬼を怖がったりしない」
赤城「何を怖がるかも知らない」
赤城「まだ何も知らないんだ」
  (走り出す)

〇高級一戸建て
赤城「みくる!家に入らせてくれ!」
赤城「中でしずく待ってるだろ!」
華城みくる「あーあ、戻ってきちゃったかぁ」
華城みくる「戻ってこなかったらあの子にもデタラメ言って」
華城みくる「シュウくんのこと嫌ってもらうつもりだったけど」
華城みくる「あなたの想いも本物みたいね」
華城みくる「仕方ない」
華城みくる「勇者よ、囚われのお姫様を助けてやりなさい」
赤城「ほんと何様のつもりなんだ!?」
華城みくる「あっ結局殴ったわね!?」

〇小さい倉庫
藍原しずく「んん・・・暇すぎて眠くなってきた・・・」
羊山「私もです・・・」
羊山「あれ、みくるお嬢様・・・」
羊山「こんなところで寝たら風邪引きますよ・・・」
藍原しずく「私みくるさんじゃない・・・」
藍原しずく「それよりあなたの顔って・・・」
藍原しずく「トマトだったんだ・・・」
藍原しずく「最高のトマトジュース作れそう・・・」
藍原しずく「潰していい・・・?」
  (顔に両手を添える)
羊山「はい・・・お嬢様のお望みなら喜んで・・・」
  バンッ
赤城「大丈夫かしずく!!」
赤城「・・・って」
赤城「何してるんだお前ら!?!?」
赤城「そんな近距離でじゃれ合って!!」
赤城「キスか!?キスしたのか!?」
藍原しずく「んぇ・・・?」
  (とろんとした顔)
赤城「アアア絶対してる!!」
赤城「未成年淫行だぞお前!!」
  (肩揺さぶる)
羊山「うぇ・・・?」
羊山「お嬢様は成人してますが・・・?」
赤城「JKだ!!漢なら見れば分かるだろ!!」
羊山「背高いのでよく間違われますが・・・」
羊山「私は女ですよぉ・・・」
赤城「あっ女か」
赤城「なら良いか」
赤城「いや良くはないが」
赤城「ほらしずく、呆けてないで帰るぞ」
藍原しずく「んぁ〜」
  ズルズル
赤城「ちゃんと歩けって」
藍原しずく「だるい・・・動けない・・・」
赤城「ったく我儘なお姫様だな」
赤城「お姫様抱っこでもしてやろうか?」
  (身体に触れる)
赤城「うわ熱ッ!?」
赤城「これ38度は超えてるぞ!」
赤城「こないだの俺の風邪が伝染ったのか」
赤城「だから帰れって言ったのに・・・」
藍原しずく「んやぁ・・・まだ帰りたくない・・・」
藍原しずく「シュウさんでトマトジュース作る・・・」
赤城「意味深なことを言うな」
  ガチャッ
華城みくる「し、しずくちゃん」
華城みくる「あなたの言う通りちゃんと振られてきたわ」
華城みくる「謝っても許されないって分かってるけど」
華城みくる「色々とごめんなさ・・・」
華城みくる「えっシュウくんこの子に何したの!?」
華城みくる「怒って殴った!?DV!?」
赤城「ほぼお前のせいだぞ!!」
華城みくる「キャーッDV反対!!」
羊山「あっお嬢様に何てことを!」
羊山「お眠りなさい!羊だけに!」
赤城「なんでえええ!!」

〇一戸建て
赤城(お詫びに黒リムジンで送ってもらったが)
赤城(あんなに金持ちで心が狭いの本当に腹が立つな)
赤城(社交辞令で『みくるも幸せにな』とか返したが)
赤城(ちょっとは痛い目に遭え、血フレクビになれ)
藍原しずく「あむあむ、これがシュウさんの血かぁ」
藍原しずく「鉄っぽくて確かに美味しいかもー」
赤城「おいおい家の鍵食うな!!」
赤城「使うから貸せ」
藍原しずく「あーシュウさんの血がシュウさんに戻っていくー」
赤城「どんな光景が見えてるんだ・・・」

〇簡素な一人部屋
赤城「ほら布団かけてさっさと寝ろ」
藍原しずく「暴走吸血鬼め、宇宙まで吹っ飛べ〜」
  (布団蹴り飛ばす)
赤城「誰が暴走吸血鬼だ」
赤城(熱出ると本当に駄目になるタイプか)
赤城(親は帰り遅いらしいし)
赤城(一人で放置するのも心配だな)
赤城(かといってずっと付き添うのもな・・・)
  ♪ピロン
赤城「え、みくるからLIME?」
赤城「交換してないはずだが・・・」
赤城「盗んだ時に勝手に追加したのかあいつ!!」
赤城「例のNTRビデオも俺が送ったことになってるし」
赤城「なぜかしずくが俺に成りすまして天音とやり取りしてるし」
赤城「スマホのロックって本当に大事なんだな!!」
  『人は弱ってる相手に弱いけど』
  『シュウくん、一匹狼気質だからって』
  『送り狼になっちゃダメよ?』
赤城「やかましいわ」
  『♡mikuru♡をブロックしました』
赤城「病人を襲うほど非常識じゃないわ」
赤城「だがやっぱりアレだから帰るか」
赤城「じゃあな、安静にしてろよ」
藍原しずく「え・・・」
藍原しずく「いかないでシュウさん・・・」
  (袖を掴む)
赤城「ヘアッ!?!?」
赤城「ちょっ、しず、離し・・・」
藍原しずく「やだ、離さない」
藍原しずく「シュウさんがいないと私」
藍原しずく「おかしくなっちゃう・・・」
赤城「既におかしくなってるぞ!?」
藍原しずく「シュウさん・・・シュウ・・・」
藍原しずく「シュウマイ弁当・・・」
赤城「誰がシュウマイ弁当だ」
赤城(これは全部熱のせいなのか?)
赤城(それともこんなに俺のことが・・・?)
赤城(駄目だ、俺もおかしくなってくる)
赤城(早く離れないと)
藍原しずく「シュウマイ弁当あったかいね・・・」
  ぎゅっ
  (後ろから抱きつく)
赤城「ウワアアア!?!?」
赤城「何だお前!?」
赤城「誘ってんのか!?」
藍原しずく「サソリ?海にいると思うよ」
赤城「サソリっていんのか?じゃない!!」
藍原しずく「サソリも吸血鬼も」
藍原しずく「この世には確かに存在しているんだよ」
藍原しずく「存在を疑ってはいけない」
藍原しずく「いるのが当然だという認識を・・・」
赤城「サソリの話はもういいから!!」
赤城「早く離れてくれ!!」
藍原しずく「シュウマイ弁当食べるのー」
赤城「食べるって・・・」
赤城「どういうつもりで言ってるんだ」
藍原しずく「そのままの意味だけど」
赤城「ほう?そっちがその気なら」
赤城「こっちも何してもいいんだな?」
藍原しずく「いいよ」
  (ベッドに転がる)
赤城「え?」
藍原しずく「シュウさんになら何されてもいいよ」
赤城「・・・・・・」
赤城「分かった、じゃあいくぞ」
藍原しずく「うん、来て」

〇簡素な一人部屋
  ガブッ
赤城「アーッ病人の血最高!!」
赤城「熱くとろける濃厚なスープ!!」
赤城「弱っているおかげで普段より激甘!!」
赤城「不謹慎だがそれがまた美味い!!」
赤城「美味すぎてハイになってくる!!」
藍原しずく「んぅ・・・ゆらゆらする・・・」
藍原しずく「サソリになって海を泳いでる・・・」
藍原しずく「シュウマイのエビを追いかけてる・・・」
赤城「ハハハ、愉快だなぁ!」
藍原しずく「楽しい・・・楽しい・・・」
赤城「あ〜満足したら眠くなってきた」
藍原しずく「私も泳ぎ疲れて眠い」
赤城「本当に今日は疲れたな」
赤城「でも・・・」
赤城「なかなか悪くなかった」
藍原しずく「私も、こんなの初めて」
赤城「俺のこと待っててくれて」
赤城「ありがとうな、しずく」
藍原しずく「別に何もしてない」
赤城「お、ツンデレか?」
赤城「寝ぼけたふりしてたのか?」
藍原しずく「そうだよ」
藍原しずく「私はただエビを獲っただけ」
赤城「めちゃくちゃ寝ぼけてたわ」
赤城「何だエビって」
藍原しずく「ねぇエビさん」
赤城「せめてシュウマイにしてくれ」
藍原しずく「エビさん、私もね」
藍原しずく「来てくれて嬉しかった」
藍原しずく「ありがとう」
赤城「!」
赤城「い、いやぁそんな」
赤城「俺は当然のことをしたまでで・・・」
藍原しずく「エビさんを譲ってくれて」
藍原しずく「ありがとう、みくるさん」
赤城「みくるかい」
赤城「あんなに狂わせておいて感謝って」
赤城「お前性格悪いな」
藍原しずく「ふっふっふ」
赤城「はは、真顔で笑うなって」
藍原しずく「あっはっは」
赤城「はは・・・」
赤城「は・・・」
赤城「Zzz・・・」
藍原しずく「あ、エビが死んだ」
藍原しずく「捕食チャンス」
藍原しずく「いただきまー・・・」
藍原しずく「Zzz・・・」

〇小さい倉庫
羊山「人が訪れた後はお掃除お掃除〜」
羊山「おっと、壊れた無線機を発見」
羊山「お嬢様の為に直してご覧にいれましょう!」

〇綺麗な部屋
華城みくる「あ・・・あぁ・・・」
華城みくる「この世の終わりよ・・・」
華城みくる「もう何も見たくない・・・」
華城みくる「何も聞きたくない・・・」
華城みくる「あ、でも今夜は新ドラマ」
華城みくる「『極上不倫パラダイス』」
華城みくる「略してフリパラが始まる・・・」
華城みくる「それはちょっと見たいかも・・・」
  ガチャッ
羊山「無線機直りましたよお嬢様〜!」
華城みくる「はぁ!?捨てといてって言ったでしょ!!」
羊山「物を捨てても新たな縁は舞い込んできませんよ?」
羊山「物も人も大事にしてこそ幸せを得られるのです!」
羊山「スイッチオン!」
華城みくる「やっ、やめ・・・!!」
無線機「なかなか悪くなかった・・・」
無線機「私も、こんなの初めて・・・」
羊山「あれ、AVと繋がってます?」
華城みくる「イヤアアアア!!」
華城みくる「病人襲うとか無理無理無理!!」
華城みくる「やっぱりアイツ一生嫌い!!」
華城みくる「羊山、今夜はヤケ食いするわよ」
華城みくる「ラム肉ステーキ焼いてちょうだい!」
羊山「承知しました」
羊山「お嬢様の為なら喜んでステーキに!」
華城みくる「いやカニバリズムじゃないのよ」
  つづく🍅

次のエピソード:17話 皆違って皆ハッピー

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