Serendipity∞Horoscopeつまみ食い!

神月

50_知りたい真意(脚本)

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神月

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〇体育館の中
アクア「二度と関わるなと言ったはずだ」
神月彩音「な・・・ なんでアクアがあいつと知り合って・・・」
アクア「お前には関係ないことだ。 というよりそれを知る必要はない」
  これまでの傾向からアクアが邪魔しに来る可能性は考えていた。
  しかしそれを考えた上で行動しなければ真実は確かめられないと、翔太の視線は彩音へと向けられ
上田翔太「俺のした事が許されるとは思ってない。 けどだからってこのまま放置していい問題なのか?」
神月彩音「な、何を言って・・・」
上田翔太「お前が俺を嫌って恨んでる事を承知で聞きたいんだ」
上田翔太((もし、アクアの言う通りもう罪滅ぼしさえも傷つける要因なんだとしたら))
上田翔太「嫌われてもいい。 恨まれてたとしても構わない」
上田翔太「友達じゃなくなっても・・・ただまた同じ事を繰り返さない為にいちゃいけないのか!?」
神月彩音「・・・・・・」
上田翔太「これは正義感なんて大層なものじゃなくて罪滅ぼしだ」
上田翔太「けど、それさえもかえって傷を抉るだけで、お前にとって傷つけるだけの存在だと言うのなら・・・・・・」
上田翔太「俺は二度とお前に近づかない」
  どれだけ傷つけたのか、その全てを分かりきることは出来ないけど何も言わないわけにはいかない。
  どれだけ失望させたとしても、あの時再会した時から俺の本心は変わらないのだから。
上田翔太(俺は決めたんだ。二度と同じ事は繰り返さないって・・・!)
アクア「──貴様は何も分かっていない」
上田翔太「な・・・・・・?」
アクア「”それ”を思い出させる要素がある時点で、傷つけていると分からないのか・・・!」
上田翔太「!」
  そう言われた瞬間、心を抉るような衝撃に言葉を失った。
  信じていたものに裏切られ、味方が誰一人いなくなり拒絶される。
  そのまま人を信用しなくなったことも、だから過去に関わる人間を嫌う理由も納得出来ていたつもりだった。
  けど、今の今までアクアに言われるまでそれに気づけずそれがあいつの怒りの答えだ、と理解してしまうと俯き
上田翔太(俺は分かった気になって、だから罪滅ぼしの為に今度は助けたいと思って)
上田翔太(けど、結局俺は自分を正当化したかっただけなんだ)
アクア「貴様らのようなぬるま湯に浸かっていた奴らには理解し難いだろうな」
神月彩音「アクア、どういう事なの・・・!?」
神月彩音「アクアはともかく、こいつはアクアの事は知らないはずで・・・なのに、まるで知ってるみたいに話を続けて」
アクア「それをお前が知る必要はない。今必要なのは、目の前からこいつの存在を消すことだけだ」
  そうアクアは刃を翔太に向けた。
アクア「二度と近づけないようにしてやる」
アクア「二度と希望など持てぬように、あの時の俺らのように二度と光のない絶望を味わわせてやる・・・っ!」
アクア「あんな事をしておきながら、さも過去をなかったかのように関ろうとするなど万死に値する」
アクア「視界に入っただけで不快だというのに」
アクア「罪悪感がないのか言葉を交わそうなどと、過去に貴様らがしたことを忘れたのか」
上田翔太「俺は忘れてなんかない!」
アクア「ただ覚えているというだけで俺達が納得できるとでも?」
アクア「貴様らの中にある記憶と彩音が受けた記憶は天と地の差」
  受けた傷は消えず、忘れることも無い。
  その記憶が、傷が一生消える事はない。
アクア「あの日俺達は絶望を知った。その気持ちが貴様らに分かるものか・・・!」
アクア「こいつがどれだけ助けを望んで、奇跡を願って・・・」
アクア「何度も何度も希望を見出そうとした果てに悟った時の喪失感を・・・!」
  分かった気で正義を語るお前達が嫌いで仕方ないと、これまで淡々と冷徹を装っていたアクアの感情的な声が響き続ける。
神月彩音(・・・きっと皆がそうじゃないってわかってても、優しさも、喜びも、全てどこかで偽物だって思うようになってしまった)
神月彩音(どんなに仲が良いと思ってても、一瞬で崩れてしまうんだ)
アクア「そんな俺達のことも知らず貴様らはこうして生きている。今頃他の連中も何食わぬ顔で生きてるんだろう」
上田翔太「・・・・・・」
アクア「こうしてお前を見るとあの時の感情を思い出す」
アクア「ある日世界が滅んでも構わない。悪魔に魂を売っても構わない」
アクア「力を手にして、ずっと復讐したいと思っていた感情を」
  アクアは切っ先を天井に向け掲げると意思に呼応するように剣は光に包まれ、やがて槍へと姿を変えた。
  それを握り直すとアクアは棒の端を勢いよく地面に叩きつけ、直後翔太の視界は歪み始める。

〇溶岩池のある洞窟
  体育館全体に渡って視界が歪み始めると変化していき、火柱が至る所に噴き出てまるで火山地帯にいるかのような光景。
  突然変わる視界に呆然と立ち尽くしているとふいに何かの気配に気づくが、それが何かを判別するより先に身体の自由は奪われた。
  虚空から伸びた紫のオーラを放つ黒い蔓が腕や足など至る所に絡みつき
上田翔太「くっ、動け、ない・・・」
  蔓を解こうとしようも緩まる気配はなく、更に違う気配に気づき見上げた先にはアクアの姿が前方にあった。
  一歩、また一歩と近づいてくる中彼女の握る剣が目に入り、翔太に迫りあと数歩、という所で足が止まると
上田翔太「・・・俺を、殺すのか」
アクア「殺す? そんな生温いことをするものか」
アクア「あの時、俺達が感じたように絶望と恐怖を知れ。そして目に映るもの全てが信じられなくなればいい」
アクア「そうすれば、俺の言葉の意味も分かるだろう」
  やがて、全てを悟った翔太は抗う力を止め、目を閉じ告げる。
上田翔太「・・・好きにしろ。 それでお前の気が済むならな」
アクア「・・・・・・」
上田翔太「こう身動き取れないんじゃ、俺にはどうすることもできない」
上田翔太「お前の言う通り、あいつが受けた本当の苦しみを解る事は不可能だ」
  だから、当事者でもあるアクアが望む事なら受け入れるしかない
  と諦めの意を見せるとそれを見ていたアクアは握っていた剣をゆっくりと振りかざす。
アクア「永遠に、闇の中を────」
神月彩音「アクアっ!」
  その時、どこからか声が聞こえた気がしたがアクアは剣を翔太に向けて振り下ろした。
上田翔太「──────」
  アクアが剣を振り下ろした直後、刃と刃がぶつかる音がした。
  痛みも違和感もない事に疑問を感じた翔太がおそるおそる顔を上げると、振り下ろされた剣は違う剣によって止められていた。
アクア「っ!?」
アクア「な・・・・・・」
  その人物は緑色に輝く宝石がはめ込まれた剣を握り
アクア「何を・・・。・・・っ!」
  アクアは距離を取るように翔太から離れると彩音とアクア、互いの間に長い沈黙が流れていった。
アクア「何故、止める・・・?」
  予想外と言わんばかりに、心底理解出来ないと言った表情を彩音に向けながら
アクア「お前も俺も、あの日からずっと人間を恨み復讐したいと思っていた」
アクア「俺は、あの時誓った事を今ここでしようとしただけで、それはお前の望みでもあったはずだ・・・!」
神月彩音「・・・そう、だね。 それは紛れもない私の望みだった」
神月彩音「だけど、させないよ」
アクア「何故だ」
アクア「まさか、あの時の事を許すとでも言うのか・・・!?」
神月彩音「・・・そんなつもりはない」
  そう聞こえた声に翔太も顔を上げ
神月彩音「あの時の事は忘れないし許すつもりもない」
神月彩音「アクアの言う通り、何もかもを失って、きっと二度と忘れることもなくて・・・」
アクア「・・・・・・」
神月彩音「でも、私はこんなやり方はしない」

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