冬が溶けて、春が咲く。

立坂雪花

冬が溶けて、春が咲く。(脚本)

冬が溶けて、春が咲く。

立坂雪花

今すぐ読む

冬が溶けて、春が咲く。
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教室
  私は明日、この学校を卒業する。
優菜(ひとつだけ、心に引っかかっている事がある)
優菜(玲奈とは卒業したらもう、会えないのかな)

〇桜並木
  ──冬が溶けて、春が咲く──

〇桜並木

〇黒
  もう、半年くらい
  玲奈と、話をしていない。

〇銀杏並木道
  去年の秋
玲奈「ねぇ、透とは何もないって言ってたよね?」
玲奈「なんでふたりで出かけてるの?」
玲奈「ふたりで仲良さげに街を歩いているの見たって、うちのクラスの女子達が言ってたんだから!」
優菜「事情も知らないくせに!」
優菜「すぐキレるの嫌い! ムカつく!」
  小さい頃からずっと仲良しだった玲奈と喧嘩した。
  透とは、高校生になり、同じクラスになってから仲良くなり、3人で遊ぶようになっていた。
  玲奈は、透が好きだった。

〇黒

〇広い公園
  玲奈とは小学一年生の時からずっと仲良しで
  小さい頃は、しょっちゅう喧嘩ばかりしても
  すぐに仲直り出来た。

〇ケーキ屋
  ずっと一緒にいるのが当たり前だと思っていた。

〇カラオケボックス(マイク等無し)

〇ベビーピンク
  学校でも、ずっと一緒にいすぎて、ゆなれなコンビって周りにも呼ばれていた。

〇教室
優菜(玲奈ーっ)
  謝れば許してくれるのかもしれないけれど
  ・・・・・・ごめんねって言葉が
  言えない。
  その時だった。
玲奈「えっ? なんで泣いているの?」
玲奈「大丈夫?」
優菜「えっ? どうしてここに?」
玲奈「それはこっちのセリフだよ」
優菜「・・・・・・」
優菜「今、玲奈の事考えてた」
玲奈「私もね、優菜の事考えていたの」
優菜「・・・・・・」

〇教室
  10分後
  いつの間にか仲直りしていた。
玲奈「ねぇ、”10年後ロケット”ってサイト知ってる?」
優菜「何それ?」
玲奈「メッセージを10年後に届けたいなって人の、連絡先と、送りたい画像、メッセージを書いて、サイトに登録するの」
玲奈「あ、もちろん自分宛でも大丈夫」
玲奈「そしたらね、登録した届けたい日に、それが相手に届くんだよー」
玲奈「その送る画像の写真撮ろうと思って、ここに来たんだぁ。思い出いっぱいの場所」
優菜「え、たのしそー! 私もやる!」
優菜「でも、10年後って、連絡先変わってて届かない確率高くない?」
玲奈「それね! 私も思ってた。でもね、10年後じゃなくてもいいらしいよ!」
優菜「明日でさえ、私はこの世界にいるのか分からないのに・・・10年後は先すぎるな」
優菜「・・・・・・うーん」
玲奈「私はとりあえず、1年後にしとこかな!」
優菜「私も!」
優菜(まず、送り先を登録して・・・・・・)
優菜(画像は・・・私もここにしようかな? ちょうど夕陽に包まれていて、いい感じ!)
  ふたりは、何枚も教室の写真を撮っている。
優菜(写真はこれにして)
優菜(後は、メッセージ・・・・・・)
優菜(出来た! これを登録!)
玲奈「ねぇ、優菜は誰にメッセージ書いたの?」
優菜「自分にだよー」
玲奈「私もー!」
優菜「ふふっ」
  帰る時
優菜「あ、ずっと渡しそびれていたの」
玲奈「何?」
優菜「ブレスレット!」
優菜「プレゼントだよ!」
  ずっと、買ってから鞄に入れっぱなしだった玲奈へのプレゼントを、やっと渡せた。
玲奈「・・・・・・」
優菜(えっ!? 何? 気に入らなかった?)
玲奈「ありがとうございます」
優菜「何で泣くの? 何でいきなり敬語?」
玲奈「うれしくて・・・・・・」
優菜「そんなにブレスレット欲しかったの?」
玲奈「プレゼントも嬉しいけど、また優菜とこうやって話せてだよ」
優菜「・・・・・・」
  ふたりでいっぱい泣いた。
  私は玲奈のこと、大好きなんだなと改めて思った。

〇大きな木のある校舎
  卒業式の日
  ふたりは笑顔で卒業式を迎えることが出来た。

〇ベビーピンク
  1年後の春

〇ベビーピンク

〇桜並木
優菜(そろそろ来るかなー)
玲奈「優菜ー!」
玲奈「天気良くていいねー!」
優菜「玲奈ー!」
  玲奈とは、あれからもずっと仲良し。
  変わった事といえば
透「優菜だー! 久しぶり!」
透「なんで玲奈、先にいっちゃうのさー」
玲奈「あはは、優菜に1秒でも早く会いたくて」
  透と玲奈は付き合っている。

〇大きな木のある校舎
  卒業式の日、玲奈は透に告白した。
玲奈「❤」
透「!!!」
透「❤」

〇桜並木
玲奈「優菜! そういえば、あれ来たよー」
玲奈「10年後ロケット!」
優菜「こっちも玲奈から来てたよー」
玲奈「お互いに送ってたんだね!」
優菜「お互い自分に送るって言ってたのにね!」
透「何? なんの話?」
玲奈「ふたりだけのはなしー」
優菜「ねー!」
透「なぁんだよーっ! トホホー」
玲奈「あはは」
玲奈「高校の時、喧嘩してた時間、なんか勿体なかったね!」
優菜「ほんとにね。でもいいんだ! あのおかげで玲奈のこと、ほんとに好きなんだなって思えたんだもん」
透「そういえば、あの時なんで喧嘩してたの?」
玲奈「すっごく、くだらない事ー」
優菜「玲奈と私、ふたりだけの秘密」
透「おい、おーい、そりゃ寂しいでー」
玲奈「ふふふ、大丈夫、透の事も好きだから」
透「お、おぅ! 俺も玲奈が好きだ」
優菜「私も玲奈のことだーい好き」

〇雑貨売り場
  喧嘩の原因になった、私が透と仲良さげに街を歩いていたという日
  玲奈に誕生日プレゼントをあげたいけれど、何をあげたら良いか、全く分からないと透に相談され
  私も玲奈にプレゼントを買おうと思っていたから、雑貨屋さんとか色んなお店をふたりでさまよっていた。
  そして、仲直りした日、私が玲奈にあげたブレスレットは
  その時、透が自分用にと、プレゼントのついでに買っていた、ゴールド色のブレスレットの色違い。
  ピンクゴールド。
  透と玲奈、色違い。
  そして、
  もうひとつ、ピンクゴールドを私の分も買っちゃった。
  私と玲奈、同じ色。

〇桜並木
玲奈「10年後ロケット、また書こうかな」
優菜「私も書こうっと!」
玲奈「1年後の自分宛に」
優菜「私も! 自分に」
玲奈「そうそう、自分にね!」

〇教室
  回想
優菜「玲奈と教室、こっそり撮っちゃえ!」
優菜(玲奈に送ろっと!)
優菜(送信先は玲奈で)
優菜(メッセージは)

〇ベビーピンク
  1年後も、玲奈が幸せだといいなぁ。
  ずっとずっと大好き! 仲良しでいてね!

〇桜並木
優菜(玲奈からも、全く同じ内容のが来たんだよね)
優菜「玲奈、大好き!」
玲奈「ありがとう! 私も優菜大好き!」
玲奈「ふふっ」
透「仲良しだな!」

〇桜並木
  春は満開

〇黒

コメント

  • 心まで許しあえる友達って宝物ですよね。
    二人の仲の良さが伝わってきて、読んでるこちらまでほっこりしてしまいました。
    今は彼も含めてみんなで仲良しでよかったです。

  • 大人になるにつれて、仲直りするのって難しくなりますよね。2人が仲直りできて良かったです!卒業後に自分に送ると言っていたメッセージも、お互いに送っているんでしょうね。この先も仲良しな2人の絵が目に浮かびます😌

  • 結果的にはみんな仲良くなって本当に良かった!
    青春は恋だの意見の食い違いなどで喧嘩になることもありますよね。大人になると…人によりますが、喧嘩を避けてしまいがちです。
    経験や、大切な友達、いいなぁ。

コメントをもっと見る(6件)

成分キーワード

ページTOPへ