エピソード2(脚本)
〇おしゃれなキッチン
家に着くと、夕飯の準備をしている長女ケイコの隣で、次女のシュンが騒いでいた。
ケイコ「おかえり~!今日のご飯はチャーハンとオムライスだ!」
ダブル炭水化物!
シュン「聞け!幽霊見たアル!初体験ネ~🤍」
〇綺麗なダイニング
リナ「幽霊?どこで見たの?」
シュン「隣街にある大きなお屋敷ネ!」
カリナ「大きなお屋敷の幽霊?もしかしてそれって‥おじいさんの幽霊だった?」
シュン「いーや?小さな女の子ネ」
シュン「窓からこっちを見てたから手を振ったけど、うつろな表情で無反応だったアル」
ケイコ「愛想が悪いただの人間だろ」
シュン「違う!だって友だちには見えてなかったネ!」
〇モヤモヤ
ケイコ「その屋敷に住んでいる子どもじゃないのか?」
シュン「あそこは長いこと空き家ネ!ワシとタナカでよくサバゲーやってる屋敷アル」
ふむ。あそこか。確かに、いかにも出そうな雰囲気の屋敷ではあるが。
シュン「あの子は、あの屋敷に住み着く幽霊アルネ!」
リナ「どうしてそう言い切れるの?」
シュン「だって、白い服着てたネ!」
シュン「髪も長かったアル!」
幽霊に対する偏見がすごい。
ケイコ「とりあえずご飯食べよ!腹減った!」
〇綺麗なダイニング
リナ「それにしても、今日はやたら幽霊モドキに出くわす不思議な日だね」
ケイコ「ハハたちも幽霊見たのか?どこで?」
カリナ「ウッデントイズっていうおもちゃ屋さん」
シュン「それ!屋敷の近くアル!」
ケイコ「そっちはどんな幽霊だったんだ?」
カリナ「「これじゃない」ってつぶやきながら延々と何かを探してるおじいさん」
リナ「幽霊かどうかは分からないんだけど、この前テレビで特集してたやつに特徴が似てたの」
リナ「「カゲクイ」っていう名前の幽霊」
なるほど「カゲクイ」のことだったか。確かにアイツは実在する厄介者。だがアイツは‥
リナ「あ!ちょっとタナカ!私のスマホに猫パンチしないでよ~!壊れるでしょう?」
ケイコ「スマホ‥そうだ!」
ケイコ「カゲクイって幽霊のこと、私も詳しく知りたい。スマホで検索してみようぜ!」
〇サイバー空間
シュン「カゲクイとは。人がいなくなった屋敷に住み着き、自分の影を探し屋敷を徘徊する妖怪」
カリナ「妖怪なんだね」
カリナ「ふむふむ‥「カゲクイは全身が漆黒の影で覆われており、光を当てると消滅する」」
リナ「え、消えちゃうの!?」
カリナ「「よって夜にしか姿をあらわさない」だって」
ケイコ「となると、二人が見たのはカゲクイではなさそうだな」
〇綺麗なダイニング
リナ「でも‥光にあたらないと影は出来ないよね」
ケイコ「カゲクイは、どう足掻いても手に入らないものを探し続けているんだな」
リナ「なんか‥切ない妖怪だね」
リナ「あのおじいさんも、何かを必死に探していてツラそうだった」
ケイコ「そっか・・・それにしても・・・」
ケイコ「怖い話をしたら腹減ったな!」
ケイコ「アイス買いに行こう!」
いま夕飯を食べたばかりじゃないか!
シュン「ついでに屋敷を見に行くネ」
ケイコ「イイネ!法螺貝もってくよ!」
シュン「父の形見で悪霊退散アル!」