第五章2 戦艦デウス号(脚本)
〇宇宙船の部屋
数日後。
藤堂マルコ「隊長!」
神楽坂裕也「ん、んん・・・」
神楽坂裕也「って、どうしたんですか皆さん、隊長は剛田さんでしょう?」
来須翔吾「俺達にそんな喋り方しないで下さいよ!俺達の隊長は、神楽坂さん以外にいないんですよ!!」
神楽坂裕也「でも権利書はあいつの物になっちまったし・・・」
豊田レイジ「俺達の隊長は神楽坂さんです!異論があるなら、そいつらは俺達が潰します!」
藤堂マルコ「あれから何日もしましたが、剛田の言う事やる事はおかしいです!町中の怪獣やゴーストにミサイルを撃てだの、」
藤堂マルコ「まだ市民の避難が終わって無いのに怪獣を攻撃しろとか!あいつは俺達をゲームの駒としか思ってません!」
神楽坂裕也「あぁ、それは俺も肌で感じてた・・・だから今こうして寝てたんだし・・・」
天上院聖奈「隊長、もしそう感じてるのなら、何か行動を起こしても宜しいのでは無いですか?」
神楽坂裕也「天上院・・・そりゃ言いたい事は分かるが・・・」
神楽坂裕也「ん?どうしたんだよ椿?」
椿遥「ヒック・・・ヒック・・・」
天上院聖奈「遥!私が付いてるから大丈夫よ!」
椿遥「はい・・・はい!」
天上院聖奈「今ここに来る前に、遥は剛田の夜の相手を強制されそうになった所を私が見掛けて、止めようとしたら私も危うく」
天上院聖奈「銃を向けられて・・・」
神楽坂裕也「マジか・・・んで、剛田は?」
天上院聖奈「何とか諦めてもらいましたが、今後この様な状況が続けば、隊員達は確実に潰れます・・・」
神楽坂裕也「なるほどな・・・全ては俺が巻いた種って事か・・・」
藤堂マルコ「そんな事ありません!隊長!もうあんな奴の下にいるのは止めて逃げましょう!今ならまだ間に合います!」
神楽坂裕也「あぁ、でもお前ら、逃げた後どうするんだ?」
藤堂マルコ「え?」
天上院聖奈「どう言う事です?」
神楽坂裕也「別に逃げる事は悪い事じゃねぇよ・・・でも、逃げた後何をどうするのか決めてんのか?」
藤堂マルコ「いや、その・・・」
神楽坂裕也「全く馬鹿だなぁ・・・逃げるって言うならその後の事も確り考えろって・・・その後の事ができなきゃ本末転倒だろ?」
藤堂マルコ「は、はぁ・・・」
神楽坂裕也「何で俺がお前らを誰一人辞めさせなかったか分かるか?お前らを守るのは隊長の役目だって忘れたか?」
天上院聖奈「あの、隊長?」
神楽坂裕也「来須、あれを出してくれ・・・」
来須翔吾「え?宜しいのですか!?」
神楽坂裕也「お前らの隊長は俺なんだよな?だったらこの命令、聞いてくれるだろ?」
来須翔吾「あ、はい!」
天上院聖奈「隊長、これは?」
神楽坂裕也「お前らの気持ちは良く分かった・・・だが、これからやる事は、完全にガードの規律に違反する事だ・・・それでも行くか?」
天上院聖奈「・・・・・・」
天上院聖奈「当たり前です!隊長の支持は副隊長としての責務ですから!」
来須翔吾「・・・!当たり前じゃ無いですか!隊長の為なら規律なんてクソ喰らえです!」
藤堂マルコ「隊長!俺はまだあんたに対して恩返しができて無い!飛行機でも戦車でも乗りこなして見せます!」
豊田レイジ「見てて下さい!俺が隊長の、皆の盾になって見せます!」
椿遥「・・・・・・」
神楽坂裕也「椿、お前が疲れてるってんなら、お前の素直な気持ちを聞かせてくれ・・・」
椿遥「私は・・・」
椿遥「隊長!私は剛田が許せません!あいつを見返す為なら、私も何でもします!だから!」
神楽坂裕也「決まりだな・・・」
神楽坂裕也「良し!皆俺に付いて来い!取って置きを見せてやる!」
〇地下空間の戦艦
天上院聖奈「こ、これは!?」
藤堂マルコ「信じられませんが、戦艦です!ガード基地の地下深くにこんな物があっただなんて!」
神楽坂裕也「別に驚く事でも無いだろ?上層部の連中と話し合ってる時に俺から提案してな・・・時間と金は大分掛かったが、」
神楽坂裕也「今日に至ってやっと飛べる様にはなったんだ・・・」
藤堂マルコ「いやいや!俺も戦艦の操縦訓練は受けましたが、これ本当に動かせるんですか!?」
神楽坂裕也「おいおい、動かなきゃ只の展示品だろ?」
藤堂マルコ「簡単に言ってくれますね・・・」
天上院聖奈「来須君、あなたはこの事をずっと知ってたの?」
来須翔吾「はい、隊長が有事の際を想定してとの事で上層部の了解を得て開発部に依頼して造らせてたんです・・・これだけの規模なので、」
来須翔吾「極一部の人間しかこの事実は知らなかったんです・・・後、俺が万が一辞める事になったらあのカードキーも返す予定でして・・・」
天上院聖奈「なるほど・・・全くやってくれたわね・・・」
神楽坂裕也「まぁ何がともあれ、武器も食料もあるだけ積んであるし、ライフラインも充実してる・・・いつもの基地じゃ無くても、」
神楽坂裕也「こいつがあれば大抵は何とかなる・・・」
天上院聖奈「はい・・・では隊長、出発はいつ?」
神楽坂裕也「お前らがこいつの事を把握して、忘れ物の確認が終わり次第だな・・・」
天上院聖奈「・・・分かりました!皆、行きましょう!」
〇潜水艦
豊田レイジ「凄ぇな・・・中も本格的な作りになってる・・・」
椿遥「何だか夢を見てる気分ね・・・」
神楽坂裕也「興奮する気持ちは分かるが、俺達には余り時間はねぇ・・・艦の使い方が分かれば、後は各々の培った能力で応用が利く・・・」
椿遥「・・・隊長!私の席はどこですか?」
神楽坂裕也「あぁ、椿は向こうだ・・・」
椿遥「はい!」
豊田レイジ「そうだな・・・射撃屋なら、武器がどんな感じか調べて置かないと・・・」
藤堂マルコ「隊長、操縦席は正面の方ですか?」
神楽坂裕也「あぁ、確り頼むぜ・・・」
藤堂マルコ「はい!」
天上院聖奈「隊長、艦のマニュアルは?」
神楽坂裕也「あぁ、ちゃんとあるぜ・・・」
天上院聖奈「ありがとうございます・・・5分で把握します・・・」
神楽坂裕也「あぁ、頼むぜ・・・」
来須翔吾「隊長!全システム異常ありません!いつでも飛べます!」
神楽坂裕也「分かった、後はあいつらの準備が終わり次第だな・・・」
巨大戦艦を目の当たりにした隊員達は驚きながらも戦艦の把握に尽力した。その数分後。
椿遥「隊長!通信システム等の把握は完了です!」
豊田レイジ「銃火器類は任せて下さい!」
藤堂マルコ「俺も、いつでも艦を動かせます!」
天上院聖奈「私も準備万端です・・・」
神楽坂裕也「良し!お前ら忘れ物は無いな?これより、基地のシステムを一時的にダウンさせて、俺達は基地を脱出する!」
神楽坂裕也「椿、やれるな?」
椿遥「はい!直ぐに取り掛かります!」
天上院聖奈「隊長、一つ質問宜しいですか?」
神楽坂裕也「ん?どうした?」
天上院聖奈「この艦の名前、教えてもらっても・・・」
神楽坂裕也「あぁ、まだ決めて無かったな・・・」
神楽坂裕也「そうだな・・・」
神楽坂裕也「分かり易くて、デウス号なんてどうだ?」
天上院聖奈「分かりました!遥のハッキングが終わり次第、デウス号、発進致します!」