Xヒーロー

語り部

第63話 地に落ちた空賊(脚本)

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〇大樹の下
  2021年 イリノイ州 ウィネベーゴ郡 ロックフォード 自然公園内
  斎王達は自然公園内で職員や観光客に対して『子供を無理やり連れている人は居たか?』と聞いていた
  すると続々と『見かけた』という証言を得ていくと、1つの場所にたどり着いた。
斎王幽羅「キャンプ場···?使ってる人も居るっぽいけど···ここの何処かに?」
  すると凪園は建物の前に立っている管理人らしき男に近づき、問答無用で蹴り飛ばし中に強引に入る
斎王幽羅「あれマズくない···?俺達通報されちゃうんじゃ···」
キング「マズイな。通報はされんが見てみろあれ」
  キングがキャンプ場の方を指さすとキャンプの場所取りをしているであろう客が、一斉に武器を取り出し
  こちらに走ってくる様子が見えた
  すると凪園がひょこっと顔を出し『見つけたよー』と言い、2人に手招きをする。
  2人は凪園に誘われるがまま、建物の中にある『地下に繋がる道』を進んでいった

〇洞窟の深部
  自然公園内 地下道
斎王幽羅「とりあえず助かったけど···凪園はなんで敵だってわかったの?」
凪園無頼「え?何が?」
斎王幽羅「え?だって敵だってわかったから蹴り飛ばしたんじゃ···」
凪園無頼「邪魔だったからだけど?」
斎王幽羅「・・・凪園、今後はちゃんと確認しよう?何かあって通報されたら嫌だし」
  そんな斎王の言葉に凪園は『はーい』と返した。地下道は深いのかかなり奥まで続いている様子であった
  斎王達が歩いていると、道に『錆びて何かわからないガラクタ』が散乱している事に気づく
  キングはそんなガラクタを不思議そうに見つめながら歩くと、とあるガラクタを手に取り青ざめさせた
キング「これは・・・『ネイリングの剣』。間違いねぇ・・・ベオウルフだ」
斎王幽羅「知ってる人?」
キング「イギリス遠征組のリーダーだ。あんま知らねぇかもしれないがイギリスの叙事詩に出てくる英雄ベオウルフが実際に使った剣で」
キング「『竜の頭をかち割った』とされている剣だ」
斎王幽羅「かち割った?剣だから切り裂いた。じゃないの?」
キング「英雄ベオウルフの力が強すぎて竜の頭に切りつけると同時に折れたそうだ」
凪園無頼「えー?じゃあその剣そんな強くないんじゃないのー?」
キング「『剣』はな。だが変化武器ベオウルフは英雄ベオウルフと同じく『とんでもないフィジカル』の持ち主でな」
キング「叙事詩と同じで『竜や巨人を素手で殴り殺せる』レベルだ」
斎王幽羅「それってもう喧嘩王の領域じゃん・・・でもそんなベオウルフがその姿ってことは・・・?」
キング「イギリス組も全滅。残された変化武器は10人もいないってワケか・・・」
  傷心のキングに斎王はかける言葉を見つけられずにいた。そしてふと、ある事を思い出す
斎王幽羅(キングの錆を治し方・・・『魂の欠片を与える』。ポケットから取り出して与えるような物で『思い出』に関わる物・・・)
斎王幽羅(キングとの思い出・・・?でもギルドにいた時は一緒に撮った写真とかには何も起きなかったし・・・)
斎王幽羅(でも仮に俺の思い出だとして・・・俺の『何の思い出』を与えれば・・・?)
  斎王が頭を悩ませながら歩いていると、一つの大きな扉がそこにはあった
  耳を澄ませてみると、中からは『会話する声』が聞こえ、斎王達は扉を蹴破る。するとそこにあったのは・・・

〇秘密基地のモニタールーム
  自然公園内部 地下通路奥 謎の施設
斎王幽羅「なんだ・・・ここは・・・?」
  そこには一人の男と大量のアナザー、そして誘拐された子供達が居た。だがキングはそれ以上に驚いていた。
キング「ボールス、ドレーク、エルキドゥ・・・イギリス組の変化武器を・・・てめェ・・・!!」
斎王幽羅「キング、行くな!!あの数のアナザー相手は不利だ・・・相手の出方を見なきゃ・・・」
ピーター・オルセン「お?お前灰色の悪魔か!?待ってろー・・・お前にいいもの見せてやるよ・・・!」
  男はそう言うとパソコンを操作して何かを降ろす。斎王は降ろされたそれを見て青ざめた
斎王幽羅「キャプテン・・・お前なんて事を・・・!」
ピーター・オルセン「すげーだろ!空軍の爆撃で沈んだ船漁ったら見つけてよ!」
ピーター・オルセン「なんとか延命して今は大事な大事な『モルモット』くんってワケだ!下半身が消し飛んでるから延命も大変でよー!」
ピーター・オルセン「四代目Xヒーローメンバー 提督『ウォーリー・ワイズマン』。1人だと対して強くなかったなこいつ」
ピーター・オルセン「でもよ、こいつこんなでもまだうわ言みたいに同じこと言うんだぜ?」
ピーター・オルセン「『マリア・・・生き延びろマリア・・・』ってな」
  下半身が無く、上半身は鎖とチューブを数え切れないほど刺されているそれは紛れもなく斎王が知る『人物』だった
  吊られた男は目を開け、斎王を見つめると口を開く。しかしそこから言葉は発せられなかった
ピーター・オルセン「あれ?案外すぐ突っかかってくるもんだと思ってたぜ。まぁいいわ・・・じゃあ俺は実験続けるからそいつらと遊んでろな」
ピーター・オルセン「侵入者を排除しろ、アナザー」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第64話 錆

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