掟破りのヒーロー

夏目心 KOKORONATSUME

第三章3 保護(脚本)

掟破りのヒーロー

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

掟破りのヒーロー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇秘密基地のモニタールーム
  それから神楽坂達はマユリと怪獣を連れて基地へと戻り、怪獣の調査を開始した。
来須翔吾「それでは、何か分かり次第連絡します・・・」
神楽坂裕也「あぁ、任せた・・・」
椿遥「隊長、お疲れ様です・・・」
神楽坂裕也「おう、それで、被害の方はどうだった?」
椿遥「はい、幸い怪我人と死者は一人も出てません・・・」
神楽坂裕也「そうか・・・それは幸いだな・・・」
天上院聖奈「被害が最小限だったのは良かったんですが、何で彼女の父方は殺されるなんて事に?」
神楽坂裕也「分からんな・・・自分の家族を殺されて怒りや悲しみに暮れない奴の気持ちは分からなくも無いが、何か不自然なんだよな・・・」
椿遥「そうですか・・・所で、マユリさんは?」
神楽坂裕也「その事だが、今紅炎が相手してる・・・」
天上院聖奈「えぇ・・・彼に任せて大丈夫ですか?」
神楽坂裕也「言いたい事は分かるが、どうしても相手したいって聞かなくてな・・・」
天上院聖奈「・・・本当美人な人を見たらこれだもの・・・」
神楽坂裕也「まぁあいつの事は今は置いといて、藤堂はいるか?」
天上院聖奈「え?藤堂君?分かりました、直ぐ呼びます・・・」
藤堂マルコ「お呼びですか?隊長・・・」
神楽坂裕也「藤堂、仕事を頼みたい・・・マユリさんの家に戻って、もう一度マユリさんの父親の死体を調べてもらえないか?」
藤堂マルコ「・・・?分かりました、何か気になる事でも?」
神楽坂裕也「まぁ、念の為だ・・・」
豊田レイジ「隊長!俺も行かせて下さい!」
神楽坂裕也「おいおい、怪獣に突進されて右腕痛めただろ?少し休んでろ・・・」
豊田レイジ「でもまだ左腕が無事です!銃は駄目でも、ナイフ位なら!」
藤堂マルコ「おいおい止めとけ・・・今のお前じゃ荷物持ちもできないだろ?」
豊田レイジ「なら、持てる分だけ持てば良い!」
藤堂マルコ「俺一人で充分だ・・・だから・・・」
神楽坂裕也「分かった、藤堂、豊田と一緒に調査してくれ・・・」
藤堂マルコ「ちょ!隊長!豊田は今万全じゃ無いんですよ!?」
神楽坂裕也「それは俺が一番分かってる・・・でもな、俺が無闇に相手を抑え付ける事は容易い・・・そいつがやりたいってのに」
神楽坂裕也「それを抑え付けたら後で変な亀裂が生じる・・・そいつがやりたいなら、先ずやらせてやるのが礼儀ってもんだ・・・」
神楽坂裕也「だけど豊田、有事の際には絶対無理するな・・・これは命令だ・・・」
豊田レイジ「・・・!はい!」
藤堂マルコ「・・・全く、じゃあ豊田、危なくなったらお前だけで逃げろよ?」
豊田レイジ「そうならない事を願うよ・・・隊長、行って来ます!」
椿遥「隊長、本当に良かったんですか?」
神楽坂裕也「あぁ、余程無茶じゃなければ問題無い・・・」
神楽坂裕也「それよりもっと問題なのがいるからな・・・」

〇宇宙船の部屋
  一方。
日高紅炎「ねぇねぇ!お姉ちゃん彼氏とかいるの?普段はどんな仕事してるの?」
マユリ「・・・・・・」
日高紅炎「ねぇってば!どこに住んでるの?良かったら俺と遊び行かない?電話番号とか交換しようよ!」
マユリ「あの、さっきから気になってたんですが・・・」
日高紅炎「あ!やっと喋ってくれた!何?俺で良ければ何でも答えるよ!」
マユリ「あなた、そんなに女性の事が好きなんですか?」
日高紅炎「そりゃもう!可愛いし美人だし!スカートだって履いてるし思わず声掛けたくなっちゃうよ!」
日高紅炎「あ、でもブスやデブは論外かな・・・そいつらは触りたくもねぇ・・・」
マユリ「そうなんですね・・・あの、あなたから見て私はどうですか?お喋りしたり仲良くしたいと思いますか?」
日高紅炎「そりゃ勿論!そうでも無きゃ電話番号交換しようなんて言わないし!」
マユリ「そうですか・・・だったら、私のお願い聞いてくれますか?」
日高紅炎「お願い?何々?」
マユリ「あなた方が保護した怪獣を殺して下さい・・・」
日高紅炎「え?でもあのおっさんに止められてるし・・・」
マユリ「どうしてもあの怪獣を始末して欲しいんです・・・もしあなたがやってくれるなら・・・」
マユリ「私、あなたと結婚して上げても良いですよ?」
日高紅炎「え?け、結婚!?それ本気で言ってるの!?」
マユリ「勿論です・・・この身体も、好きな風に触ってくれて構いませんので・・・」
日高紅炎「・・・・・・」
日高紅炎「よっしゃ!よっしゃ〜!!そこまで言うなら俺に任せろ〜!!!」
マユリ「ふふふ、これであの怪獣が倒せれば・・・」

〇秘密基地のモニタールーム
神楽坂裕也「こちら司令室・・・」
通信機「来須です!例の怪獣に付いて色々調べて見たんですが、この怪獣、地球の生物ではありません・・・」
神楽坂裕也「マジか・・・宇宙生物って認識で良いのか?」
椿遥「宇宙生物・・・それが何で地球に飛来したんでしょうか・・・仮にそうだとしても、あの怪獣が自力でここまで行けるとは・・・」
通信機「恐らくですが、外宇宙の住民が何かしらの目的で護送して、その道中で落とした物かと・・・」
神楽坂裕也「なるほどね・・・椿、天体観測センターに問い合わせて見てくれ・・・」
椿遥「分かりました!」
神楽坂裕也「来須、引き続き調査を頼む・・・俺はドッグに頼んで宇宙へ出れる準備をする・・・」
神楽坂裕也「出身地がどこか分かり次第、あいつを帰してやりたいからな・・・」
通信機「はい!それでは失礼します!」
神楽坂裕也「見慣れないとは思ってたが、まさか宇宙生物とはな・・・見慣れない雰囲気見て混乱してたんだろうな・・・」
神楽坂裕也「お、来たか・・・」
神楽坂裕也「俺だ、聞こえるか?」
通信機「隊長!豊田です!マユリさんのお父さんなんですが!」
神楽坂裕也「え?どうしたんだ?」
通信機「たった今目を覚ましました!」
神楽坂裕也「・・・・・・」
神楽坂裕也「は、はぁ!?」

〇おしゃれなリビングダイニング
藤堂マルコ「えっと、大変失礼ですが、マユリさんのお父さんですよね?」
モブ「だから、一体何の事言ってるんだ?俺はずっと前から独身で、結婚なんかした事無いぞ?あんたらガードなんだろ?」
モブ「何寝ぼけた事言ってるんだよ?」
豊田レイジ「ってな感じで、彼はマユリさんの事全く知らないって・・・」
通信機「ま、マジかよ・・・」
藤堂マルコ「い、一応質問です・・・最近何かこう、変わった事とかありませんでしたか?」
モブ「変わった事ねぇ・・・そう言えば、この前帰る道中何かにぶつかった様な衝撃を感じた気がしたが・・・」
モブ「帰る前に酒飲んでたから良く分からないなぁ・・・」

〇秘密基地のモニタールーム
通信機「てな感じなんです・・・」
神楽坂裕也「彼はマユリさんの事を知らない・・・でも父親だと嘘を付いて俺達に怪獣を倒させようとした・・・」
神楽坂裕也「あの女、やっぱり何か企んでやがるな!豊田!藤堂!今直ぐ戻れ!あの女を尋問する!」
通信機「は、はい!」
神楽坂裕也「でも、肝心の目的は一体・・・」
椿遥「隊長!観測センターに問い合わせしたんですが、3日程前にあの怪獣が入れるサイズのカプセルが人気の無い山に落下したとの」
椿遥「記録が確認できました!」
神楽坂裕也「そうか・・・あいつはカプセルに入れられて地球に来たのか・・・そう言えば・・・」
椿遥「え?緊急事態警報!?何が起きたの!?」
神楽坂裕也「おいおい!一体何の騒ぎだ!?」
通信機「こちら来須です!緊急事態です!紅炎が変身して怪獣を攻撃してます!」
神楽坂裕也「何だって!?あの馬鹿は何やってるんだ!?」
通信機「それが!怪獣を倒してマユリさんと結婚とか訳分からない事を!うわぁぁぁ!!」
椿遥「えぇちょ!来須さん?来須さぁん!!」
神楽坂裕也「やられた・・・紅炎の奴、あの女に誑かされたか!」
椿遥「た、隊長!このままでは!」
神楽坂裕也「あぁ、だが今は落ち着け・・・現地には俺が行く・・・天上院にも連絡を入れてくれ!」
椿遥「わ、分かりました!」
神楽坂裕也「紅炎・・・自分の利益に目が眩み過ぎるとどうなるか分からせてやる!」

次のエピソード:第三章4 攻防

ページTOPへ