吸血鬼との共存を頑張ろう

アクセシビリティ

2話 ゴキブリ以下(脚本)

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〇教室
田中先生「こ、こら藍原さん」
田中先生「飲み物の嗜好は自由ですが、限度ってものがあるでしょう」
田中先生「せめて3本程度にしなさい」
藍原しずく「・・・・・・」
  ちゅーーー(トマトジュースを吸う音)
田中先生「ちょっ聞いてるの!?無視!?」
藍原しずく(うるさいな)
藍原しずく(優雅なトマトジュースタイムを邪魔しないでほしい)
藍原しずく(些細なことばっかり重箱の隅つつくみたいに取り締まって)
藍原しずく(いじめは見ないふりするくせに)

〇まっすぐの廊下
鈴木「ねぇ藍原さん!」
藍原しずく「誰?」
鈴木「誰って・・・同じクラスの鈴木だよ!」
藍原しずく「そんな人いたっけ」
鈴木「まさかクラスメイト覚えてないの?」
藍原しずく「うん一人も知らない」
藍原しずく「せいぜい担任くらい」
鈴木「担任の名前は?」
藍原しずく「中田」
鈴木「田中だよ・・・」
藍原しずく「別にどうでもいい、皆嫌いだし」
鈴木「人前ですごいこと言うな」
藍原しずく「用無いならもう行くから」
鈴木「いや用言うのは今からだから!」
鈴木「良かったら一緒に帰らない?」
藍原しずく「なんで?」
鈴木「な、なんでって言われても・・・」
鈴木「面白い子だなぁと思ったからかな?」
藍原しずく「どういう意味?」
鈴木「普通に面白いって意味だよ」
藍原しずく「ふぅん・・・」
藍原しずく「でしょ、自分でもそう思う」
鈴木「自画自賛かい」
藍原しずく「具体的にどの辺が面白いの?」
鈴木「そんなの明確だよ」
鈴木「トマトジュースめっちゃ飲んでたり」
鈴木「危険な武器集めてるって噂があったり」
藍原しずく「それは別に普通だと思うけど」
鈴木「あ、普通の認識ずれてるんだ・・・」
藍原しずく「逆にあなたがずれてるだけ」
鈴木「どの辺が?」
藍原しずく「どうせあなただって」
藍原しずく「“普通”は吸血鬼なんかいないとおもってるんでしょ」
鈴木「え?そんなの当然じゃん」
鈴木「高校生にもなって吸血鬼とか馬鹿馬鹿しいよ」
藍原しずく「・・・もういい」
藍原しずく「あなたと話すくらいならトマトジュース飲む」
鈴木「ま、待って!友達になりたいんだよ!」
藍原しずく「根拠の無い言動じゃ誠意に欠ける」
藍原しずく「手っ取り早く手懐けたいならトマトジュースの一つでも寄越したら」
鈴木「本当にすごいこと言うな」
藍原しずく「じゃ、二度と話すことはないと思うけど」
鈴木「トマトジュースあげたら友達になれる!?」
藍原しずく「ならない」
鈴木「じゃあどうしたらなれる!?」
藍原しずく「知らない」
鈴木「うぅ、そんな・・・」
藍原しずく「・・・はぁ」
藍原しずく「そんなの私が知りたい」

〇教室
  〜翌日〜
花園清香「育休に入った田中先生の代わりに」
花園清香「今日から2年A組の担任を務めます」
花園清香「花園清香といいます!」
花園清香「皆さん是非仲良くして下さいね♡」
生徒「うおおおめっちゃ可愛い!!」
生徒「スタイルまで抜群!!」
生徒「仲良くするどころか結婚したい!!」
花園清香「ふふっありがとう♡」
花園清香「では出席を取りますね」
花園清香「1番は・・・藍原しずくさーん」
藍原しずく「はーい」
花園清香「あらっ!?その大量のトマトジュースは一体!?」
生徒(あぁ、あんな問題児無視していいのに・・・)
生徒(新任早々困らされて可哀想に・・・)
藍原しずく「無限に飲めるほどトマトジュースが好きなので」
花園清香「あ〜その気持ち分かるわ!」
花園清香「私もプロテイン1日1個って決めてるのに」
花園清香「美味しくてつい一箱分一気飲みしちゃうのよね〜」
藍原しずく「体鍛えてるんですか?」
花園清香「えぇ、全日本怪力大会で優勝したこともあるわ」
花園清香「プロテインを飲むと無限に力が湧いてきて」
花園清香「人も片手で摘めるようになるの!」
藍原しずく「それは確実に合法じゃないですね」
生徒(人を摘むって何!?)
生徒(うちの問題児もう一人増えたかも・・・)
生徒(まぁでも可愛いからいっか!!)

〇ファミリーレストランの店内
  〜放課後〜
藍原しずく(トマトジュースは幸福感は満たせるけど)
藍原しずく(お腹はなかなか満たせないらしい)
藍原しずく(お腹空いた、トマトパスタ食べよう)
藍原しずく(それとここに来た目的はもう一つある)
藍原しずく(例の吸血鬼は・・・)
藍原しずく(あの『赤城』ってネームプレートの店員だな)
  ピンポーン
赤城「はい、ご注文をお伺いしま」
赤城「なぜここにいる?」
藍原しずく「トマトパスタ一つ、デザートのプリンとドリンクバー付きで」
赤城「おい質問を無視するな」
藍原しずく「あなたこそ客の質問無視していいの?」
藍原しずく「店長呼ぶよ?」
赤城「クッ・・・ご注文を繰り返します」
赤城「〜以上でよろしいですか?」
藍原しずく「うん」
赤城「プリンは食後にお持ちします」
赤城「ドリンクはあちらからお好きにお注ぎ下さい」
藍原しずく「うん」
藍原しずく「それと食べ終わったら店の裏集合ね」
赤城「だからなぜ?」
藍原しずく「いいから次の注文行って、店長呼ぶよ」
赤城「迷惑な客だな・・・」

〇ビルの裏
赤城「血貰った分トマトジュース奢ってやっただろ」
赤城「まだ何か用か」
赤城「というかなぜ俺の職場を知っている?」
藍原しずく「この赤星が目に入らぬかー」
赤城「地図上のサミゼリアの位置を赤い点が指している・・・」
赤城「え、なんだこれ」
藍原しずく「位置情報追跡アプリ」
藍原しずく「こないだ去り際にあなたのリュックにチップを入れておいたから」
藍原しずく「このアプリと連動させればあなたがいつどこにいるのか丸分かり」
藍原しずく「便利な時代だよね」
赤城「ということはもしや住所も・・・?」
藍原しずく「把握済み」
赤城「ヒィッ怖い怖すぎる!!」
赤城「そんなに俺を恨んでるのか!?」
赤城「トマトジュース依存症にさせた責任なら」
赤城「予測不能の事故ってことで取り合わないぞ!!」
藍原しずく「安心して、今日来たのはお礼を伝える為だから」
赤城「お、お礼?」
藍原しずく「噛まれた時はどうなるかと思ったけど」
藍原しずく「結果的に良かった」
藍原しずく「トマトジュース依存症になってから私の人生は豊かになった」
藍原しずく「好きなものがある素晴らしさ、」
藍原しずく「トマトジュースの美味しさを教えてくれてありがとう」
藍原しずく「あなたには感謝してもしきれない」
赤城「えぇ・・・」
赤城「ストーカーしてまで感謝されても何も嬉しくないんだが・・・」
赤城「え、用ってそれだけか?」
藍原しずく「うん帰る」
藍原しずく「また何かあったら来る、けど多分もう何もない」
赤城「待て、そんなに感謝してるなら」
赤城「手土産に血くらいくれたらどうだ?」
藍原しずく「やだ」
赤城「おっと、感謝の気持ちが足りないようだな」
藍原しずく「感謝の分量はする側が決めることだし」
藍原しずく「こないだ飲ませてあげたばっかりでしょ」
赤城「あんな一回限りで足りるわけないだろ」
藍原しずく「それに噛まれると痛いし」
赤城「それはそうだろうが・・・」
赤城「あっほらよく聞くじゃないか」
赤城「女は吸血行為に痛みより性的快感を感じやすいって!」
赤城「あ、あれ?」
藍原しずく「気持ち悪い」
藍原しずく「ゴキブリより気持ち悪い」
赤城「辛辣すぎないか?」
藍原しずく「二度と関わらないで」
藍原しずく「感謝の気持ちなんて微塵もないから」
藍原しずく「早くくたばるよう祈ってる、じゃ」
赤城「・・・獲物選び間違えたな」

〇住宅街の道
藍原しずく(コンビニでトマトジュース雑誌立ち読みしてたらまた帰り遅くなった)
藍原しずく(ん?なんかカップルが揉めてる)
女性「ごめん、もう別れてほしいの」
如月天音「えっ僕何かしたっけ?」
女性「違う、天音くんは悪くない!」
女性「覚悟がなかった私のせい」
如月天音「それって・・・」
女性「天音くんが吸血鬼だって知ってから」
女性「どうしても怖くて、耐えられなくて・・・」
藍原しずく(へぇ、他にも吸血鬼いたんだ)
如月天音「・・・そっか」
如月天音「じゃあこれはどっちも悪くなかった不可抗力のお別れってことで」
如月天音「君がもっと良い人と幸せになれることを 願ってるよ」
女性「ありがとう、天音くんみたいに優しい吸血鬼に出会えて良かった」
女性「天音くんもどうか元気でね」
如月天音「あーあ、やっぱりこうなっちゃうかぁ」
如月天音「よぉし、ヤケ酒でもして忘れよっと!」
藍原しずく(吸血鬼も色々大変なんだな)
藍原しずく(ん?前からゾンビみたいな人が来る)
暴走吸血鬼「ヴゥ・・・血を寄越せぇ・・・」
藍原しずく(3体目の吸血鬼か)
藍原しずく(本当に治安の悪い街だな)
藍原しずく(理性を失ってるから気絶させよう)
暴走吸血鬼「・・・・・・」
藍原しずく(効かない、痛覚も失ってるんだ)
暴走吸血鬼「ヴアァーッ!!」
藍原しずく(まぁ吸われた回数が増えようが支障はないか)
藍原しずく(諦めて血をあげよう)
如月天音「オラァァァ!!」
暴走吸血鬼「グハッ・・・」
  バタッ
藍原しずく「おぉ飛び蹴りか、なかなかやるな」
如月天音「あはは、ストレス発散に丁度いいね」
如月天音「君もスタンガン使いとはなかなかやるね?」
藍原しずく「それほどでも、あります」
如月天音「とはいえ暴走化した吸血鬼は危険だよ」
如月天音「際限なく血を吸うから」
如月天音「相手が重度の貧血、もしくは死に至る可能性が高いんだ」
藍原しずく(つまりあのまま吸われてたら死ぬところだったのか)
如月天音「夜道は暴走吸血鬼出没率が高いから気をつけてね」
如月天音「極力誰かと帰った方が良いと思うんだけど」
如月天音「君、友達はいないのかな?」
藍原しずく「・・・・・・」
如月天音「あぁいないんだ、なんかごめんね?」
藍原しずく(こいつも殺るか)
如月天音「うわぁナイフまで持ってるの!?ごめんなさい!!」
如月天音「まぁ刺されても復活するから平気なんだけどね〜」
藍原しずく(腹が立つ)
如月天音「あれ、その首の傷跡」
如月天音「さては吸血鬼に噛まれたことあるね?」
藍原しずく「ありますけど何か」
如月天音「じゃあ君の血吸ってもいいんだ!」
  パンッ(手を合わせる)
藍原しずく「良くないですけど」
如月天音「長らく彼女に拒否されて生き血吸えてなかったんだよねぇ・・・」
如月天音「生JKの新鮮な血、有り難く頂くね♪」
藍原しずく「吸血鬼滅びないかな」
  つづく🍅

次のエピソード:3話 まともじゃない

コメント

  • トマトジュースが好きな無邪気な吸血鬼が可愛いですね!! 吸血鬼がいっぱい居るので、今後どのように世界が広がっていくのか楽しみです!!

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