第二章2 斬鉄剣(脚本)
〇通学路
神楽坂裕也「・・・・・・」
神楽坂裕也「狙われてるのは一流企業の人間・・・一流ならそれなりの金もある・・・大方金と殺人が目的と見るべきか・・・」
神楽坂裕也「これまでの場所で起きた殺人現場の位置を見て、次に現れるのは・・・」
神楽坂裕也「おっと!漸くお出ましだな!」
カラス「驚いた!見掛けに寄らず反射神経が宜しい様で!」
神楽坂裕也「そりゃそうだ!防衛隊の隊長にもなれば、観察力も危機対応能力も嫌でも身に付くからな!」
カラス「何と!防衛隊の隊長でしたか!それはそれは、さぞかし儲かってる事でしょうね!」
神楽坂裕也「・・・!?やっぱりテメェ、金目当てで!」
カラス「そうですよ!僕はお金と人が血を流してる所を見るのが大好きでしてね!この刀も、相手を確実にバラせる様に」
カラス「大金を注ぎ込みましたから!」
神楽坂裕也「なるほど・・・やっぱり斬鉄剣か!」
カラス「おや?中々のネーミングセンスですね?」
神楽坂裕也「骨まで斬るとなったらそう呼びたくもなる・・・お前さん、牢獄に入る準備はできたか?それと、名前なんて言うんだ?」
カラス「自分がバラされる準備の間違いでしょ?他人に名乗る名はありませんが、見た目がこれなので、カラスとでも呼んで下さい・・・」
カラス「防衛隊の隊長が死んだとなれば、どれだけのパニックが拝めるでしょうね!」
神楽坂裕也「くそ!飛んだサイコ野郎だぜ!」
カラス「ほう、流石に接近戦は不利と見ましたか・・・ですが、いつまで逃げられますかね・・・」
神楽坂裕也「どうする?仮にその手の心得があったとしても、いざ斬鉄剣を一発喰らえばはい終わりだ・・・見つけたは良い物の・・・」
神楽坂裕也「そうだ!せめて発信機を!」
日高紅炎「うい〜・・・ひっく!」
神楽坂裕也「え?」
日高紅炎「ガードがぁ・・・怖くてぇ・・・ナンパが・・・できるかぁ・・・」
日高紅炎「仕事なんてだりぃ・・・お姉ちゃんと遊んでる方が・・・ずっと楽しい・・・」
神楽坂裕也「う、嘘だろ?何であいつここにいるんだよ!?心無しか、何か様子が変にも見えるが・・・」
日高紅炎「お姉ちゃ〜ん・・・今度はいつ遊ぼうかぁ・・・」
日高紅炎「あぁん?」
カラス「ちょ、ちょっと何ですかあなたは!?」
日高紅炎「んだテメェ・・・人にぶつかっといて喧嘩売ってんのかぁ??」
カラス「いやいや、よそ見してた僕も僕ですが、あなたはここで何をしてるんですか!?」
日高紅炎「ゴチャゴチャうるせぇなぁ・・・やっぱ喧嘩売ってんだなテメェ・・・掛かって来いやぁ・・・!」
カラス「な、何なんですか一体・・・」
カラス「はう!?」
神楽坂裕也「さぁて!油断してくれたお陰で後ろを取れた!観念するんだな!」
カラス「抜かした事を!」
神楽坂裕也「おぉっと!」
カラス「ええい・・・今日は調子を狂わされた!今度会った時は細切れにしてやりますよ!」
神楽坂裕也「くそ!逃げられたか・・・だけど発振器は取り付けた・・・これなら作戦を立てられる・・・が・・・」
日高紅炎「うぃ〜・・・ヒック!」
神楽坂裕也「おい紅炎・・・お前基地にいたんじゃ無かったのか?」
日高紅炎「あぁん?何だテメェは?俺とやろうってのかぁ?」
神楽坂裕也「だからぁ、基地の外に出てお前は何をしてるんだって聞いてんだが?」
日高紅炎「ヒック!オメェも喧嘩売ってんのかぁ?上等だ・・・こらぁ・・・」
神楽坂裕也「お、おい紅炎!こんな所で寝るな・・・って、」
神楽坂裕也「え?アルコールの匂い?こいつマジで何してやがった??まぁ仕方ねぇ・・・迎えを寄越すか・・・」
それから、裕也は何故か酔っ払ってた紅炎を連れ戻す為に、本部から迎えの車を出すのだった。
〇秘密基地のモニタールーム
日高紅炎「皆さんお早うございま〜す!何か今日は気分良いなぁ!」
豊田レイジ「・・・・・・」
日高紅炎「あれ?何で皆こんなに不機嫌そうな顔してんの?何かあったの?」
椿遥「何かあった・・・じゃ無いわよ?」
日高紅炎「あ!遥ちゃん!今日も美人だねぇ!」
椿遥「紅炎君、隊長から聞いたわよ?」
日高紅炎「え?何を?」
椿遥「昨日隊長が任務中に酔っ払ったあなたを保護したって・・・」
日高紅炎「へ?マジで何の事?」
椿遥「あなた昨日どこで何してたの?ありのままに話しなさい・・・」
日高紅炎「え?そう言えば昨日、基地を抜け出して遊びに行ってたんだけど、街にガールズバーを見つけて、俺18だから入ったんだよ・・・」
日高紅炎「給料もあったし、そこでお姉ちゃん達とワイワイしてさ!ジュース頼んで遅かったから隣の席の奴のジュースこっそり飲んで・・・」
日高紅炎「あれ?その後どうしてたっけ?」
椿遥「あぁ・・・もう信じられない・・・」
日高紅炎「え?何だよ一体?」
来須翔吾「なぁ豊田、あいつどう思う?俺何であいつがガードやってるのか疑問で仕方無いよ・・・」
豊田レイジ「俺が聞きたいよ・・・人がナイフ術教えてるって時に自分だけ遊びに行って酒を飲むとか・・・」
豊田レイジ「あいつどんな神経してるんだ?全然理解できないよ・・・」
日高紅炎「え?お前らさっきから何喋ってるんだよ?」
藤堂マルコ「おいこの馬鹿・・・」
日高紅炎「あぁ!?誰が馬鹿だって!?」
藤堂マルコ「これ以上一人で好き放題やって見ろ、悪い奴より先に、俺がお前を潰すからな?」
日高紅炎「はぁ?スーパーパワーを持った俺に勝てるってのか?やって見ろよ!?」
藤堂マルコ「本当、もうウンザリだぜ・・・」
日高紅炎「何だよどいつもこいつも!陰口叩きやがって・・・」
椿遥「紅炎君、あなた学校には行ってたの?家ではどんな感じだった?」
日高紅炎「は?学校は中学までだよ、勉強なんて全くやって無いから高校も行けなかったし・・・毎日カツアゲとか人の物盗んだりしてたら、」
日高紅炎「親父もお袋もブチ切れて追い出されたんだよ・・・」
椿遥「・・・あなた、人の心とか持ち合わせて無いの?悲しんでる親の顔とか想像できない訳?」
日高紅炎「え?別にどうでも良いじゃん!あんな奴らどうなろうと関係ねぇし!」
椿遥「聞いた私が馬鹿だったわ・・・」
日高紅炎「・・・結局なんだったんだ?」
神楽坂裕也「お前ら集まったか?」
来須翔吾「隊長と副隊長!俺達は大丈夫です!」
神楽坂裕也「良し!それじゃあ作戦を話す!皆良く聞いてくれ!」
神楽坂裕也「通り魔の捕獲は今日の夜実行する・・・奴の活動時間は夜だってのはこれまでの事でハッキリした・・・そこてだ、」
神楽坂裕也「俺自身が囮になって奴を誘き寄せる・・・通り魔が俺に夢中になってる間に麻酔弾やスタンガンで相手を動けなくしてくれ・・・」
豊田レイジ「ま、待って下さい!隊長が囮になるんですか!?」
神楽坂裕也「あぁ、何か問題あるか?」
豊田レイジ「いや、こう言うのは俺らの誰かがやる物じゃ・・・」
天上院聖奈「豊田君諦めなさい・・・私もさっき昨日の事叱ったけど、全く聞いてくれなかったわ・・・ドッシリ構えるだけが」
天上院聖奈「隊長じゃ無いってね・・・」
豊田レイジ「そ、そうですか・・・なら、スタンガンは俺が握ります!」
神楽坂裕也「あぁ、頼むぜ!相手が同じ人間なら、殺す様な真似はできねぇ・・・だから無力化して警察に引き渡す、良いな?」
藤堂マルコ「はい!任せて下さい!」
神楽坂裕也「良し!全員準備に取り掛かれ!」