バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

17話 リアリナが娼館へ???(脚本)

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〇市場

〇お花屋さん
花屋店員「いらっしゃいませ。 どのお花をご入用ですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「白百合の花束を作ってくださるかしら?」
花屋店員「かしこまりましたー」
花屋店員「お待たせしましたー。 こちらでいかがでしょう?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まあとっても素敵。いただくわ」

〇神殿の門
「おい! 待つのだ! リアリナ!」
「ここは娼館であるぞ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ、そうよ。ここに用があるの」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「こんな場所で何を買うというのだ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何って、それは」
テオフィル・ベフトン「リアリナお嬢様が娼館?」
テオフィル・ベフトン「ぅう・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ゃー! テオ! しっかりしてえ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「このような場所に足を踏み入れるなど、社交界の笑いものにでもなりたいのか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「はあ・・・失敗だわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「失敗?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタンがそんなに頑固だと思ってなかったわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「はあ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「社交界で笑いものになるですって?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そんなこと、どうでもいいのです!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「たとえ笑い者にされたとしても、今日を成し遂げなければ、未来が訪れないのですから!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「未来が訪れぬだと? こんな場所で何を成し遂げるというのだ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「許さん!  行くのなら、今すぐ婚約を取り消すぞ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「好都合ですわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下とは、ここまででございますわね! ごきげんよう!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「お、おい!」
「リアリナ!」

〇ホテルのエントランス
リアリナ・シャルルド・グレイ(2人を振り払って、中に入ってしまった)
リアリナ・シャルルド・グレイ(もう進むしかない)
娼館のマダム「ちょいと、おまえさん。 営業時間外だよ。月が出てから来ておくれ」
娼館のマダム「おやおや、これまた・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あなたがマダムね?」
娼館のマダム「へえ。あたしを知っているのかい?」
リアリナ・シャルルド・グレイ(やはり娼館のマダムだわ。 ゲームの中と喋り方もそっくりね)
娼館のマダム「貴族のような身なりだが・・・娼館に来るなんて、どんなわけありだい?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「これをマダムに差し上げに来ました」
娼館のマダム「・・・・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「間違った?」
娼館のマダム「はあん・・・そっちの客だったかい」
娼館のマダム「ついてくるんだよ」

〇けばけばしい部屋
娼館のマダム「セミラミス、客だよ」
セミラミス「いらっしゃい。 ははっ。女の客とは珍しい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あなたが淫魔のセミラミスね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「初めまして。私はリアリナ・シャルルドグレイ。リアリナって呼んでちょうだい」
セミラミス「グレイだと?」
セミラミス「はははははは!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「な、なに?」
セミラミス「まさかグレイ侯爵家の娘がくるとは思わずな」
セミラミス「どんな因果であるか。くくっ」
セミラミス「それで、なにしに来た?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それはもちろん、”アレ”を売って欲しいの」
リアリナ・シャルルド・グレイ「お金ならたっぷり用意したわ」
セミラミス「金か。そんなものには興味はない」
セミラミス「欲しいのは・・・お前の血だ。 グレイ家の娘よ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「血???」
セミラミス「貴様の血と交換だ。それができぬのならこの話は無しだ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・いいわ。 私の血を差し出せばいいのね」
セミラミス「では、ベッドに座れ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「え、ええ」
セミラミス「動くなよ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ふあっ!」
セミラミス「痛まぬよう、優しく噛んでやる」
セミラミス「はむっ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「んあぁあっ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今のは・・・な、何?」
セミラミス「淫毒は甘い刺激を伴う」
リアリナ・シャルルド・グレイ「い・・・ん。ど・・・く?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・なんだか、どんどん体が熱くなって、これも淫毒・・・のせい、なの?」
セミラミス「ああ、そのうち腹の底から疼いてくるだろう」
セミラミス「まあ・・・接吻すらまだの小娘には、どんな感覚か、わからんだろうが」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんでわかるの?」
セミラミス「わたしは淫魔だぞ、全てお見通しだ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「な、なんか悔しいわ」
セミラミス「・・・ふむ。さすがはグレイ家の血筋だな。マナが多い。それに」
セミラミス「呪いの味がする・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「呪い?」
「この、淫魔め! リアリナ様から離れろ!」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様! ご無事ですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオ!」
セミラミス「なんだ? 人の腹ごしらえの時間を邪魔しおって」
セミラミス「死にたいのか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「待って! セミラミス !  彼は私の従者なの!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオ。剣を収めなさい」
テオフィル・ベフトン「しかし!」
テオフィル・ベフトン「こいつは、お嬢様におぞましいことを!」
テオフィル・ベフトン「許せません!」
セミラミス「ふん!!!!︎」
テオフィル・ベフトン「ぐぐぐっ!」
テオフィル・ベフトン「こ、、拘束魔法など!」
テオフィル・ベフトン「卑怯だぞ」
セミラミス「落ち着け。テオフィル・ベフトン」
テオフィル・ベフトン「うわあ!!」
セミラミス「貴様の主人は、自ら望んで私に血を差し出したのだ」
テオフィル・ベフトン「嘘だ! 言葉巧みに騙したに違いない!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「彼女のいう通りよ。 私から血を差し出したの」
リアリナ・シャルルド・グレイ「どうしても、手に入れたいものがあったから」
テオフィル・ベフトン「そんな・・・、グレイ侯爵家の血を差し出すなど、なりません!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね。テオのいう通りだわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でも、必要なことなの。わかって!」
テオフィル・ベフトン「・・・できません。納得など!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオ!」
セミラミス「なら、この商談は不成立だ」
セミラミス「客じゃないなら、ここから出ていけ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね。帰りましょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオ?」
テオフィル・ベフトン「お待ちください」
テオフィル・ベフトン「代わりに私が血を差し出します」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なにを言っているの?」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様はグレイ家の血を継ぐ者。 ですが私は一介の騎士です」
テオフィル・ベフトン「グレイ家に仕えるものとして、主人の代理になるのは本望。喜んで差し出しましょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「いいえ。この件は破断にしましょう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「他の方法を、考えるわ・・・」
セミラミス「アハッハハ!」
セミラミス「面白い・・・」
セミラミス「グレイ家の従者の勇気に免じて、今回はサービスしてやる」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ありがとう! セミラミス!」
セミラミス「これは淫魔が作った媚薬。“月の涙”」
リアリナ・シャルルド・グレイ「媚薬⁈」
セミラミス「ひと粒飲めば、どんな屈強な魂の持ち主であろうとたちまち快楽の渦へ堕ち、」
セミラミス「ふた粒飲めば三日三晩、淫夢に溺れ、」
セミラミス「3粒飲めば、十月十日、淫魔が舞い降りる」
セミラミス「ただし、一度に4粒を超えて飲んではならぬ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「飲むと、どうなるの?」
セミラミス「淫魔に心臓を支配され、我らの道化となる」
セミラミス「淫魔の奴隷になりたいなら、迷わず4粒飲むがいい」
テオフィル・ベフトン「っく・・・」

〇市場
リアリナ・シャルルド・グレイ(よかった)
リアリナ・シャルルド・グレイ(これで、あの公爵を外へと引きずり出せるわ!)
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、その薬を一体なにに使うおつもりです?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あ、えっと・・・」
テオフィル・ベフトン「その薬は、淫魔が作ったもの」
テオフィル・ベフトン「悪魔が作った毒と同じなのです」
テオフィル・ベフトン「毒に侵され、淫魔に心を支配されてしまう」
テオフィル・ベフトン「決して使ってはならない、危険な薬です」
テオフィル・ベフトン「それを使うおつもりなら、私は全力で止めねばなりません」
リアリナ・シャルルド・グレイ「やだ。テオ、なんだか怖いわよ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「大丈夫、この薬を良く知る人にあげるだけだから」
テオフィル・ベフトン「ご自身が使われるのでは、ないですね?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もちろんよ! こんな怖いの使おうなんて思わないわ」

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