第ニ章1 通り魔(脚本)
〇通学路
モブ「あぁ、今日も疲れたなぁ・・・次の休みいつだったかなぁ・・・」
モブ「え?何だ今の・・・」
モブ「あ!かは!?」
カラス「おぉ!この刀、こんなに斬れ味が良いなんて!」
カラス「さて、次は何を斬りに行こうかな?」
通りすがりの人を刀で切り裂いた通り魔の男。今回の物語は、ここから始まるのだった。
〇通学路
天上院聖奈「なるほど・・・だから私達に連絡が来たと言う事ですか・・・」
男性警官「はい、我々が追っていた通り魔は何かしらの刃物で標的を狙ってます・・・これまで狙われた人達は一流企業に」
男性警官「所属する人ばかりで、今回の件を含めて皆酷い有り様で殺されています・・・」
天上院聖奈「通り魔は只のチンピラと捉えない方が良いわね・・・」
来須翔吾「副隊長!必要なデータのサンプリング終わりました!」
天上院聖奈「お疲れ様、来須君は直ぐ本部に戻って、遥と一緒に解析して!」
来須翔吾「分かりました!」
豊田レイジ「しかしまぁ、本当に酷い有り様でした・・・上と下をバラされるだなんて・・・」
天上院聖奈「あぁ、聞いただけでも悪寒がするわ・・・」
豊田レイジ「副隊長、通り魔は刃物か何かで相手を襲ってるって話でしたよね?」
天上院聖奈「ん?そうだけど?」
豊田レイジ「これから隊長に提案しようと思うんですが、隊の皆にナイフ術を伝授したいと考えてます・・・」
豊田レイジ「今回の敵は接近戦が得意なら、こちらも接近戦で対応できればと思いまして・・・」
天上院聖奈「なるほど・・・そう言えば豊田君はサバイバーだったわね・・・隊長も納得してくれると思うわ、言って来て・・・」
豊田レイジ「はい!」
天上院聖奈「・・・この前の奴は破壊を楽しんでたって聞いたけど、今度の奴もそうなのかしら?だとしたら相当質が悪いわね・・・」
天上院聖奈「ん?」
通信機「こちら藤堂です、現場の周囲を車で捜索してますが、これと言って怪しい奴は見当たりません・・・」
天上院聖奈「そう・・・今は闇雲に捜しても簡単には見つからないわね・・・来須君達がサンプリングを終わらせたから、」
天上院聖奈「藤堂君、合流して一旦戻りましょう・・・」
通信機「了解!直ぐに向かいます!」
天上院聖奈「さてと、片付けなきゃならない問題は山積みね・・・だけど・・・」
女性警官「いえ、本当一人で大丈夫ですから・・・」
日高紅炎「大丈夫だって!俺様はあの防衛チームのガードで!どんな奴にも絶対負けないスーパーパワーを持ってるんだぜ!」
日高紅炎「か弱い人を守るのもガードの務め!お姉ちゃん、俺の事家に泊めさせてくれよぉ!」
女性警官「い、いや・・・私彼氏とかいますし・・・」
日高紅炎「はぁ!彼氏ぃ!?そんなのより絶対俺の方が頼りになるって・・・!」
日高紅炎「かは!」
天上院聖奈「紅炎君・・・また任務中に口説いたりして・・・そんなに始末書が好きな訳?」
日高紅炎「はぁ!?始末書が好きなんて誰が言ったよ!?そんなのが怖くてナンパができるかってんだ!」
天上院聖奈「そっかそっか・・・そんなに女の人が大好きなのね・・・だったら、今日は私の部屋にお泊りしましょうか・・・」
天上院聖奈「今藤堂君が迎えに来てくれてるから・・・」
日高紅炎「え、ちょ、ま!俺そんな事一言も・・・」
天上院聖奈「警察の皆さん、また何かあったらお知らせ下さい・・・その際の協力は惜しみませんので・・・」
日高紅炎「あぁ待て!離せ!お巡りさん助けてぇ!!」
女性警官「・・・まぁ、ガードにも色んな人がいるって事ね・・・」
〇秘密基地のモニタールーム
来須翔吾「隊長!解析が終わりました!」
神楽坂裕也「おぉ、良くやった!それで分かった事は?」
来須翔吾「はい、警察から聞いたこれまでの話と、今回の件を照らし合わせて見ましたが、標的にされた人達は皆日本刀で殺されてます・・・」
神楽坂裕也「日本刀?切り傷とかで分かったのか?」
椿遥「間違いありません・・・しかも、今回見たいに骨まで斬れる程に金属を鋭利にしてる可能性があります・・・」
神楽坂裕也「所謂、斬鉄剣って言った所か・・・骨まで斬るとか、漫画見たいな事しやがるな・・・」
来須翔吾「取り合えず対策は考えますが、今我々が行っても返り討ちに合うのは確実です・・・」
神楽坂裕也「そうだな・・・人体を真っ二つにできるなら金属をバラせる可能性も否定できない・・・車か何かも盾にすらならないんじゃな・・・」
豊田レイジ「隊長!先程話したマニュアル、完成しました!」
神楽坂裕也「おぉ!早かったな!早速皆に配って始めるか!」
豊田レイジ「はい!」
椿遥「隊長、豊田さん何を作ってたんです?」
神楽坂裕也「あぁ、今度の敵は接近戦が得意ってのもあってな・・・あいつが俺ら全員にナイフ術を教えるってよ・・・」
椿遥「なるほど・・・目には目をの理論ですか・・・」
神楽坂裕也「まぁ、無いよりマシだが、本当に斬鉄剣相手なら、コンニャクでも用意するべきだがな・・・」
椿遥「え?コンニャク?斬鉄剣ってコンニャク斬れないんですか?」
神楽坂裕也「なぜかな・・・」
天上院聖奈「隊長、ただいま戻りました・・・」
神楽坂裕也「おぉ!ご苦労だったな!」
神楽坂裕也「ん?紅炎、お前どうしてそんな顔してるんだ?」
日高紅炎「おっさん・・・俺こいつにめっちゃしごかれたんだよ・・・警察のお姉ちゃんとお喋りしてただけなのに・・・」
神楽坂裕也「あぁ、そりゃお前が悪いな・・・」
日高紅炎「はぁ!?おっさんまで天上院の味方かよ!?」
神楽坂裕也「言うも何も、お前が真面目に仕事してればしごかれなかったって話だろ?これが嫌なら、いい加減懲りろ・・・な?」
日高紅炎「何だよそれ!仕事なんて只でさえだりぃのに!チマチマやって無いでさっさと通り魔捕まえられねぇのかよ!?」
天上院聖奈「紅炎君、言って良い事と悪い事があるわよ?」
日高紅炎「んだよ天上院!!」
藤堂マルコ「おい、新入り・・・」
日高紅炎「ん?何だ藤堂か・・・新入りって誰の事だよ?」
藤堂マルコ「お前以外に新しく内に入った奴がいるか?俺の話を聞け・・・」
日高紅炎「何だよ?俺何もして無いぜ?」
藤堂マルコ「・・・前から気になってたんだが、お前、ガードを何だと思ってる?皆真剣に市民を守ってるってのに、お前は外に出ればナンパ」
藤堂マルコ「したり、自分より上の人間に対してその態度と喋り方・・・ハッキリ言ってムカつくんだよ!」
日高紅炎「はぁ?問題あるのかよ?」
藤堂マルコ「大アリだ、そもそも何でガードに入った?隊長に拾われたって聞いたが、拾ってもらった割には随分好き勝手やってくれてるが、」
藤堂マルコ「お前は一体何がしたいんだ?ガードに入って、市民を守りたいって姿勢が、お前からは感じられない・・・!」
日高紅炎「市民を守る?馬鹿じゃねぇの?市民守るよりゴーストや怪獣と喧嘩してる方がずっと面白いじゃねぇか・・・」
日高紅炎「何言ってるんだお前?」
藤堂マルコ「んな!そんな気持ちでガードに入ったのか!?お前の性根、どこまで腐ってやがるんだ!?」
天上院聖奈「止めなさいあなた達!藤堂君!言いたい事は分かったけど、今は仲間内で揉めてる場合じゃ無いわ!」
藤堂マルコ「・・・!も、申し訳ありません副隊長!」
日高紅炎「あ、怒られてやんの!だっせぇ!」
天上院聖奈「紅炎君?これ以上下手な事したら許さないわよ?」
日高紅炎「へ!知らねぇよ!あばよ!」
藤堂マルコ「あ!こら!待てあいつ!」
天上院聖奈「・・・藤堂君の言いたい事は良く分かる・・・でもね・・・私達は同じ人間同士のチームよ・・・ロボットなんかじゃ無いわ・・・」
藤堂マルコ「副隊長・・・そうですね・・・」
数分後。
豊田レイジ「皆さん、お集まり頂きありがとうございます!これより、皆さんにナイフ術の基礎を教えたいと思います・・・」
藤堂マルコ「あぁ、楽しみにしてるぜ!」
神楽坂裕也「豊田、確り頼むぜ!俺はちょっと出掛けて来るわ!」
豊田レイジ「あれ?隊長は参加しないんですか?」
神楽坂裕也「な〜に、個人的な野暮用さ、ちょっとやりたい事あるから・・・マニュアル読みながら行って来るから、こっちは任せたぜ・・・」
豊田レイジ「・・・?まぁ、分かりました・・・」
神楽坂裕也「良し!頼んだ!じゃあ、俺は行くぜ!」
豊田レイジ「・・・まぁ、今は良いか・・・所で、一人足りない見たいですが・・・」
天上院聖奈「あぁ、紅炎君なら、勝手にどこか行ったわ・・・通信しても繋がらないし・・・」
豊田レイジ「えぇ・・・大事な時だってのに・・・」
天上院聖奈「まぁ仕方無いわ・・・ここにいる面々でやりましょう・・・」
豊田レイジ「あ、はい・・・」