ゲーム三銃士

Watoto/3134

3章 闇夜を駆ける者(脚本)

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〇森の中のオフィス(看板無し)
  白黒騒動から数日後・・・

〇シックなリビング
  応接間にて・・・
陸尾 航「ラ〜、ラ、ラ~、ラ、ラ〜、ラ、ラララ~ ・・・」
海世 永和「どうした? いつもより御機嫌じゃないか 机拭きなんかして・・・」
陸尾 航「いやぁ~、この前予約したゲームが 今日発売だからさ♪」
海世 永和「・・・あぁ~アレか・・・! この前言ってたRPGの・・・」
陸尾 航「そうソレ!」
  いつも通りの毎日が過ぎようと
  していた・・・
  ・・・あの連絡が来るまでは
  『プルルルル・・・プルルルル・・・』
  ・・・誰かの携帯電話が鳴った。
  『ピッ』
空乃 快飛「ハイ、快飛です 何かありましたか?」
空乃 快飛「・・・」
  少し長い沈黙が流れ、快飛は口を開いた。
空乃 快飛「分かりました、すぐに向かいます」
  『ピッ』
陸尾 航「呼び出しかい?」
空乃 快飛「ちょっと平保に行って来ます・・・」
陸尾 航「・・・おう、いってらっしゃい!」

〇大企業のオフィスビル
  平和保護局にて・・・

〇大会議室
空乃 快飛(僕だけの呼び出しなんて初めてだ・・・ 何を言われるのか・・・)
  初めての出来事に動揺を隠せぬまま、
  待つこと数分・・・
宮下 孝行「すまない・・・ 書類関係で少し遅れてしまった」
  平和保護局のトップである
  宮下考行が来た・・・
空乃 快飛「・・・いえ、大丈夫です それよりなぜ僕だけを 呼び出したんですか?」
宮下 孝行「あぁ・・・ そのことだが、実は頼みがある」
  重苦しい空気が流れる中、
  考行は口を開いた・・・
宮下 孝行「快飛、 天崎ホールディングスを知っているか?」
空乃 快飛「はい、確か主に有名チェーン店を 手掛けている・・・」
宮下 孝行「実は天崎ホールディングスに ”脱税”の容疑がかかっている・・・」
空乃 快飛「・・・なるほど」
宮下 孝行「そのため、今からでも捜査したいのだが 人手が足りない・・・ そこでだ、」
宮下 孝行「快飛、お前に天崎ホールディングスへの 潜入を頼みたい・・・」
空乃 快飛「分かりました・・・ ですがなぜ僕だけを・・・ 他の二人に任せてもよかったのでは?」
  そう、
  身体能力、思考力が優れている
  二人ではなく、自分を呼び出したことを
  快飛は疑問に思っていた。
宮下 孝行「あぁ・・・ 航に関しては何も言わなくても、 いつも隣に居るから分かるだろう? 彼は”潜入のみ”にあまり向いていない」
空乃 快飛「・・・」
  考行の言う通りであった、
  日頃からほぼ考えもなしに動いている彼が
  潜入をするとなると、騒動が起こる事は
  想像に容易い
空乃 快飛「ですが、永和さんは・・・」
宮下 孝行「彼はいつも頑張っているからな、 少しぐらい休ませないと支障をきたすと 思ってな・・・」
宮下 孝行「それに快飛、お前にしかできないことも あるんだ・・・ ”特殊な機械”の操作・・・ 他の二人にはできないだろう?」
空乃 快飛「・・・はい」
宮下 孝行「その点でお前を選んだんだ、 頼むぞ・・・」
  そう言うと考行は去った・・・
空乃 快飛(個人での活動・・・ 不安だな・・・)
  一抹の不安を胸に、
  極秘の作戦が始まった・・・

〇黒
  作戦当日の午後4時・・・

〇高層ビル
  天崎ホールディングス近くで、
  通信機を持った男がいた・・・
空乃 快飛「あそこが天崎ホールディングスですね?」
  『えぇそうね、くれぐれも
  見つからないように気をつけてね・・・』
空乃 快飛「・・・もう少し暗くなってから行きます」

〇高層ビル
  夜の帳が下り、暗くなった午後7時・・・
空乃 快飛「そろそろ時間だな・・・」
  そう呟くと、通信機を取り出し
  連絡相手に伝えた・・・
空乃 快飛「・・・今から行きます!!」
  そう伝えると通信機をしまい、
  天崎ホールディングスへと入っていった。

〇おしゃれな受付
  天崎ホールディングス、ロビー・・・
空乃 快飛(うぅ・・・ 周りからの視線が気になるけど・・・ 頑張って行くしかない・・・)
空乃 快飛(なるべく目立たないように言われたし、 人気のないところをなるべく進むか・・・)
???「怪しいもの発見・・・っと、」

〇オフィスの廊下
  天崎ホールディングス
  2F廊下──
空乃 快飛(事前に社内マップを見たけど、 怪しい箇所がいくつかあるんだよな・・・)
空乃 快飛(27階の使われていない部屋・・・ 29階の第六会議室・・・ 最上階の社長室・・・ 最上階から向かうか・・・)
場代 守「・・・動きが不自然だな、追うか」

〇施設の廊下
  30階、社長室前──
空乃 快飛(30階ともなると、閑散としているな・・・ 問題は社長が中にいるかどうか・・・)
空乃 快飛「!! アレって・・・」
  目の前に社長室と書かれた扉があるが、
  扉は半開きになっていた・・・
  半開きの扉から見える室内は、
  暗くなっており、人の気配はなかった。
空乃 快飛「人がいない・・・ 今のうちだ!」

〇豪華な社長室
  30階、社長室──
空乃 快飛「う~ん・・・ コレと言って証拠は無さそうだな・・・」
  快飛が社長室を去ろうとしたその時──
  ──勢いよく社長室の扉が閉まった
空乃 快飛「なっ・・・!!」
  急いで扉を開けようとするが、
  扉は開かなかった・・・
空乃 快飛「くッ・・・ 罠にかかったか・・・」
「見つけたぜ・・・ 不審者さんよぉ・・・」
  すると、快飛の背後にあった棚の
  物陰から一人の男が出てきた──
場代 守「さあ、話してもらおうか! 何を探しているのか、そして 何者なのか!!」
空乃 快飛(警備員か・・・ まずいな・・・)
  身長180cmほどの大男──
  ガタイも良く、力量では勝てないだろう
  快飛は辺りを見回した──
場代 守「黙ろうったってそうはいかんぞ! 会社中の警備員が向かってきている からな、逃げ出せはしないぞ!!」
空乃 快飛(この装置を使う予定は なかったんだがな・・・ 仕方ない、使うか・・・)
  すると突然、快飛は社長室の窓に
  向かって走り始めた──
場代 守「おわっ!!」
  予想外の動きを取られたからか、
  警備員は驚きの声を上げた──
空乃 快飛(頼む、正常に作動してくれッ・・・!)
  快飛は窓を割り、外へと飛び出した。
場代 守「なッ!?」

〇黒背景
  快飛の行動は異常そのものであった、
  だが快飛には秘策があった・・・
空乃 快飛「届けッ!! ”グラッピング”ッ!!」
  そう、快飛にはどこぞの蜘蛛男みたく
  空中を移動できる装置があったのだ。
空乃 快飛(よしッ届いた!!)
  そして快飛は天崎ホールディングスの
  29階へと侵入した・・・

〇小さい会議室
  天崎ホールディングス29階
  第六会議室──
  窓から直接入った為ガラスが散乱しており
  机や椅子には薄くホコリが被っていて、
  あまり使われていないことがわかる。
空乃 快飛「ハァ、ハァッ・・・ 急いで探さないとな・・・」
空乃 快飛「・・・!! コレは・・・」
  快飛は机に置いてあった紙を拾い上げた。
空乃 快飛「・・・これは証拠になるな。 よし、あともう少し証拠があれば確実 なんだけどな・・・」
  ドタタタ・・・
  警備員たちの走る音がきこえる。
空乃 快飛「長居はできないな、早く27階に向かうか」
  そう言い、快飛は第六会議室を去った。

〇オフィスの廊下
  天崎ホールディングス27階
  廊下
空乃 快飛「・・・まいったな」
  快飛は既に多くの警備員に囲まれていた。
場代 守「さあ、今度こそ話してもらうぞ!」
空乃 快飛(警備員がざっと2、4、6・・・ 20人か・・・)
空乃 快飛「悪いが自分が何者か話す気はない!!」
場代 守「ならば力ずくよオッ!!」
  守が快飛めがけて素早く殴りかかる──
「よっ!」
場代 守「なッ!?」
  しかし、快飛は飛んで躱した。
空乃 快飛「ついでに吹っ飛べ!」
  そして快飛は、そのまま守に
  ドロップキックを食らわせた
「ウォァァッ!!」
  守は数人の警備員を巻き込みながら倒れた
  あれほどの巨体にのしかかられたら、
  しばらくは動けないだろう・・・
場代 守「くッ! 舐めやがってェ・・・」
場代 守「だったらァッ!!」
  再び快飛に殴りかかる──
  それと同時に守は快飛に向けてアッパーを
  仕掛けるが──
「よっ!」
空乃 快飛「隙を見せたな!」
場代 守「!!!?」
  快飛が空中でアッパーを仕掛けた
  手を止めると────
空乃 快飛「『アップリバース』!」
「があああぁッ・・・!」
  止めた手を軸にし、振り子のごとく
  体を動かし、守に強烈な蹴りを入れた。
  蹴りを入れられた守は勢いのまま、
  使われていない部屋の扉を壊した。
場代 守「痛ッててて・・・」
空乃 快飛(手強いとは思ったが、 まだ倒れないとは・・・ 長引いたらこっちが不利だ。 さっさと証拠を見つけないとな・・・)
場代 守「こうなったら・・・ これを使うしかない!!」
  すると守は、ポケットから”ある物”
  を取り出した──
空乃 快飛(・・・!! あれは・・・?)
  ──守の手の中には、
  釣り糸の両端に鉄の重りが付いた、
  ”アメリカンクラッカー”の様なものが
  あった・・・
場代 守「これでも喰らえッ!」
「うおッ!?」
空乃 快飛「ふぅ・・・ 危なかった・・・」
  快飛は足元に落ちたものを拾いあげる──
  すると──
空乃 快飛「はあッ!!」
  見様見真似で投げた──
場代 守「んなッ!?」
  投げたものが守の体に当たると、
  投げた勢いのまま守の体をグルグルと
  釣り糸が固定していく──
空乃 快飛(釣り糸に重り・・・そういうことか!! 釣り糸だから無理に切ろうとすると、 自分の体を傷つけてしまう──)
空乃 快飛(良く考えられた武器だな・・・!!)
空乃 快飛(・・・しまった! 呑気に考えている場合じゃない!!)
  快飛は使われていない部屋へと、
  入っていった──

〇備品倉庫
  天崎ホールディングス27階
  空き部屋
空乃 快飛「ええっと、証拠証拠・・・」
空乃 快飛「──!! あった!!」
場代 守「待てッ!! 動くな!!」
空乃 快飛「悪いけどもうタイムオーバー、 それじゃあ──」
  快飛は懐から煙幕用の花火を取り出し、
  煙幕を張った──

〇黒背景
場代 守「くッ、見えない・・・ 一体、奴はどこに・・・」

〇物置のある屋上
  時、既に遅く──
  快飛は既に窓から脱出していた。
空乃 快飛「やっと終わった・・・!! つ、疲れた・・・」
  通信機を取り出し、伝える──
空乃 快飛「空乃快飛、任務完了しました」
  『・・・うん、お疲れ様。』
  『話は明日聞くから、今日はもう
  家に帰って休みなさい。』
空乃 快飛「・・・はい!」
  かくして、快飛と天崎ホールディングスの
  闘いは終わった・・・

〇森の中のオフィス(看板無し)
  数日後・・・

〇明るいリビング
  リビングにて・・・
陸尾 航「があああぁッ!! このボス強過ぎるって!」
海世 永和「ちなみにそこのボス、”すばやさ” 上げてないとキツいらしいぞ」
陸尾 航「先に言ってくれないかなぁ・・・」
  変わらぬ平和な日々がまた始まった──
空乃 快飛「ただいま〜」
陸尾 航「おう! お帰り!」

〇森の中のオフィス(看板無し)
「あっ、昼飯どうするよ? 今、家に何も無いけど・・・」
「いつも行ってたチェーン店は潰れたし、 買い物に行くか・・・ 御二方、何食べたい?」
「あっ、うどん食べたいです僕!」

〇黒
  第3章『闇夜を駆ける者』 完

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