第一章5 超化薬(脚本)
〇秘密基地のモニタールーム
紅炎がゴーストを討伐した翌日。
日高紅炎「たくかったりいなぁ・・・あんだけの活躍したのに、何で始末書なんての書かなきゃいけないんだよ・・・」
天上院聖奈「当たり前でしょ?仕事中にナンパするだなんて常識がなって無いわ・・・あなたの行動は全て前線指揮官である私が報告する」
天上院聖奈「義務があるの・・・こう言うのが嫌なら、もっと物事に対して真剣に向き合いなさい・・・」
日高紅炎「何だよそれ・・・俺様が大活躍したってのに・・・」
椿遥「今でも信じられません・・・まだ20歳にもなって無いあの子が、たった一人でゴーストを簡単に捻じ伏せちゃうなんて・・・」
神楽坂裕也「確かにな・・・あの馬鹿ガキにあれ程のパワーを扱える技量があるのはにわかに信じがたい・・・」
神楽坂裕也「なぁ来須、あの薬は何なんだ?てか何であんなの持ち歩いてたんだ?」
来須翔吾「はい、ありのままを話します・・・」
来須翔吾「あの薬はゴーストや怪獣等のデータを解析して、対ゴースト及び怪獣戦闘用に科学班が開発した超化薬です・・・」
来須翔吾「飲んだ生物の知力、身体能力、大五感等の生物の持つ力を爆発的に向上させる効果がありますが、持続時間は10分程度で、」
来須翔吾「それ以上は超化を維持できず、強制的に元に戻るんです・・・まだ人間に試した記録が無いし、俺自身も解析したいと思って、」
来須翔吾「サンプルを一つ引き取ってたんですが、まさかジュースと間違えて飲まれるなんて考えもしなくて・・・」
神楽坂裕也「マジか・・・しかも、それをあいつが飲んじまうとは・・・」
椿遥「う〜ん・・・分かり易く教えてくれたのは有難いんですが、何かこう、デメリットとか無いんですか?」
来須翔吾「それは分からないな・・・有り触れたヒーロー見たいなら良いけど、まだ分からない事だらけだし・・・」
神楽坂裕也「まぁ何がともあれ、良く調べて置く事に越した事はねぇ・・・何か分かれば対策も練れる・・・今後も情報収集頼むぜ・・・」
来須翔吾「あ、はい!では、戻ります!」
椿遥「・・・隊長、彼があの薬を飲んだ事、どう思います?」
神楽坂裕也「どうと言われてもな・・・」
藤堂マルコ「隊長、宜しいですか?」
神楽坂裕也「お、藤堂か、どうした?」
藤堂マルコ「俺もあの素人が空の上で、しかも生身でゴーストとやり合ってる所を見ました・・・あいつはギャアギャアはしゃいだり」
藤堂マルコ「してましたが、時間経過で元に戻ったし・・・何よりまたあの姿になる可能性も0じゃ無い・・・隊長、あいつに対する」
藤堂マルコ「今後の対応は?」
神楽坂裕也「そうだな・・・あんな風になっちまったからには下手に追い出す訳にもいかないし、そもそもあいつは素行が悪いから」
神楽坂裕也「実家を追い出されてるし、あんな調子じゃ確実に野垂れ死ぬ・・・何より、あの力を下手に使われたら確実に」
神楽坂裕也「俺らの責任問題になる・・・問題だらけのあいつじゃ何やらかすか分からないからな・・・」
藤堂マルコ「・・・分かりました・・・俺らはあんたに借りがある・・・返す為なら何でも付き合います・・・」
神楽坂裕也「だからぁ・・・もうとっくに返してもらったって前から言ってるだろ?ま、お前らが強情なのは今に始まった事じゃ無いしな・・・」
椿遥「そうですよ隊長!私達は隊長だから頑張れるんです!困った事があれば言って下さい!」
日高紅炎「あ〜・・・始末書なんてやってられねぇ・・・外に出て美人の姉ちゃん口説きてぇ・・・」