〇大きな一軒家
　　家にペットがやってきた──
「保護犬センターから引き取ったの」
「わーい、おいでワンちゃん」
「ふん」
「散歩にいこう」
「歩こう・・・」
「ふん」
「ママーこの駄犬はなにがきにくわないのー」
「ママも噛まれて手におえない・・・ お世話が限界よ・・・手が痛い・・・ 犬畜生よ・・・」
「センターに電話したら、その子は前のお家も合わなかったらしいわ　 保健所で殺処分が決まったらしいわ」
「かわいそう・・・」
「仕方ないのよ。野生の気質で人間になつかないんだもの・・・」

〇大きな一軒家
「きゅーんきゅーん・・・」
「何か意味不明な鳴き声が・・・何の鳴き声？ ゴマちゃん・・・？」
　　駄犬?!
　　うるうる──
「ご飯ください・・・ちゅーしてください・・・なでなでして・・・」
「保健所行きならあなたの家の前でいやがらせ自殺してやる──」
「死なないで！ゴマちゃん！」
「きれいなやさしいおねえちゃん大好き ぼくを捨てないで ちゃんということききます──」
「一緒に冒険しようね。ゴマちゃん」