掟破りのヒーロー

夏目心 KOKORONATSUME

第一章1 隊長と非行少年(脚本)

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〇通学路
レッドゴースト「壊す・・・只壊す・・・破壊こそが快楽だ・・・」
神楽坂裕也「くそ!遅かったか!」
神楽坂裕也「ゴーストの目撃情報を得て来たが、奴はどこ行きやがった?」
天上院聖奈「・・・隊長!ゴーストの事も気掛かりですが、先ずは住民の安全が第1です!」
神楽坂裕也「無論だ、俺達も消化活動に参加する!おい、聞こえるか!?」
通信機「はい、こちら本部!」
神楽坂裕也「神楽坂だ、住宅区で火災が発生している!大至急消火剤を用意してくれ!」
通信機「分かりました!直ぐに準備します!」
  町に現れた謎のモンスターが町を燃やしていた。駆け付けた大人達は住民の避難や消化活動に移行し、事態の沈静化を計る。
  モンスターはどこへ行ったのか、目的は何なのか、彼らはまだ手探りの段階だった。

〇繁華な通り
  謎のゴーストが現れてから3日後。
日高紅炎「けっ・・・しけてるなぁ・・・」
日高紅炎「親からネコババしてるのがバレて、ろくに学校も行って無くて問題行動ばかりしてるから家を追い出されて、」
日高紅炎「行きたい所もやりたい事も無いし、俺これからどうなるのかな・・・」
日高紅炎「ああん!?」
戦闘員「あぁ、失敬・・・」
日高紅炎「失敬だぁ?どこ見て歩いてるんだよ?俺は腹も減って機嫌悪いんだよ・・・ぶつかった慰謝料払ってもらわないと」
日高紅炎「腹の虫が収まらねぇなぁ!!」
戦闘員「何だよ?そんなに元気なら高い金も要らないだろ?」
日高紅炎「はぁ!!只謝って見返り無しとはいい度胸だな!今直ぐ有り金置いてけやぁ!!」
日高紅炎「かはっ!ごほっ!」
戦闘員「何だよこのガキ・・・一体誰を見て喧嘩売ってるんだ?」
戦闘員「まともに訓練受けて無い奴が、防衛チームに勝てる訳無いだろ・・・」
日高紅炎「ぼ、防衛チームって・・・」
神楽坂裕也「お前ら、一体何の騒ぎだ?」
戦闘員「あ、お疲れ様です!神楽坂隊長!」
戦闘員「いやぁ、何か変なガキが突っ掛かって来たんで、軽くあしらってやったもんで・・・」
神楽坂裕也「変なガキ?」
日高紅炎「は、腹減った〜・・・」
神楽坂裕也「なるほどねぇ・・・」
神楽坂裕也「お前ら、もうその辺にしといてやれ、こいつは俺のダチだ・・・」
戦闘員「え?神楽坂隊長のお知り合いだったのですか?」
神楽坂裕也「知らないのも無理はねぇ・・・今からダチになるからな・・・」
戦闘員「え?知らないのにどうして?」
神楽坂裕也「細けぇ事は良いんだよ、後は俺に任せとけ・・・」
戦闘員「りょ、了解!」
神楽坂裕也「・・・さて坊主、お前名前なんて言うんだ?」
日高紅炎「・・・腹・・・減っ・・・た・・・」
神楽坂裕也「ありゃりゃ、倒れちまったか・・・まぁ良いか・・・腹減ってるんだったな・・・」

〇大衆居酒屋
日高紅炎「ムシャムシャムシャムシャ!!」
神楽坂裕也「おいおい、そんな慌てて食うなよ・・・喉詰まらせるぜ?」
日高紅炎「ひひゃぁほう!ほほほほほはんひほふっへはふへ!! (いやぁもう!ここの所何にも食ってなくて!!)」
神楽坂裕也「あぁ分かった分かった・・・何言ってるか分からねぇが好きにやれ・・・」
  神楽坂は見知らぬ非行少年を拾って飲食店へと赴き、少年は余程空腹だったのか、握った箸を止めずにいた。
日高紅炎「あぁ食った食った!どこのどなたか存じねぇがありがとよ!この借りいつか返すわ!!」
神楽坂裕也「おいおい、大人や初対面相手には普通敬語だろ・・・」
日高紅炎「んな細かい事は良いんだよ!」
日高紅炎「そんで持っておっさん、一体何者なんだ?」
神楽坂裕也「おいおい、ブレないな・・・」
神楽坂裕也「まぁ今は良いとして、俺は神楽坂裕也・・・防衛チーム、ガードって名前の組織の隊長やってるんだ・・・」
日高紅炎「ガード?防衛チーム?何だそりゃ?」
神楽坂裕也「何だ?テレビのニュースとか見てないのか?」
日高紅炎「あぁ、普段遊び呆けてて、家にいてもゲームや漫画やってて、外に出てもカツアゲとか喧嘩とかしてたから・・・」
神楽坂裕也「おいおい・・・飛んだ大物だなお前・・・ザ・非行少年って感じだな・・・」
日高紅炎「いやぁ!それ程でも!」
神楽坂裕也「いや、褒めてねぇって・・・まぁ良い・・・良く聞け・・・」
神楽坂裕也「俺のいる組織ガードは、警察や自衛隊の手に負えない規模の異変や怪奇現象から市民を守る為に作られた組織だ・・・」
神楽坂裕也「怪獣やゴースト見たいな得体の知れない怪物を退治して市民を守る・・・まぁ良く聞く在り来りな組織だ・・・」
日高紅炎「ふ〜ん・・・要するに、おっさん悪い宇宙人と戦ってる訳?」
神楽坂裕也「まぁ、そうなるな・・・」
日高紅炎「悪い宇宙人に怪獣か・・・何だか面白そうだな!なぁおっさん!俺にもやらせてくれよ!」
神楽坂裕也「おい、お前それ意味分かって言ってるのか?」
日高紅炎「たりめぇじゃん!人間以外と喧嘩できるんだろ?目茶苦茶面白そうじゃん!!」
神楽坂裕也「お、おい・・・俺達がやってるのはゲームなんかじゃ無いんだぜ?」
日高紅炎「面白そうじゃん!なぁ頼むよぉ!俺もそのガードってのに入れてくれよ!!」
神楽坂裕也「あぁ分かった分かった!順序ってもんもあるから、先ずは落ち着け・・・な?」
日高紅炎「やった!俺ガードに入れるよ!俺が皆のヒーローになれるってか!!」
神楽坂裕也「・・・所で、お前名前なんて言うんだ?」
日高紅炎「え?俺?日高紅炎・・・紅と炎で紅炎だぜ・・・」
神楽坂裕也「ぶは!何だよそれキラキラネームじゃねぇか!!」
日高紅炎「あぁ!何笑ってんだよ!!」
  成り行きで少年を拾った神楽坂。少年は神楽坂が防衛チームをやっていると聞き、浅はかな考えで入隊を希望した。
  だが少年はこの時気付かなかった。力を誇示する事。力を行使する事の意味を。

次のエピソード:第一章2 ガード

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