BARのふたり

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感想が真逆のふたり(脚本)

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〇シックなバー
冬実(ふゆみ)「マスター!二度と目が覚めないカクテル作って!」
冬実(ふゆみ)「明日会社に持ってって、課長のコーヒーに混ぜるから!」
千夏(ちなつ)「さっすがセンパイ!バーに来てまで課長の体気にかけるなんて、できる女っすね~!」
冬実(ふゆみ)「何言ってんの!葬り去るのよ!屠るのよ!」
冬実(ふゆみ)「アンタ、ムカつかないわけ!?さっきの飲み会!」
冬実(ふゆみ)「課長のヤツ、2時間ぶっとおしでガミガミネチネチ・・・人生最悪レベルに酒が不味くなったわよ!」
千夏(ちなつ)「え?あれ、めっちゃ面白かったっすよね」
千夏(ちなつ)「アタシもうおかしくって、お酒進んじゃいましたよ~」
冬実(ふゆみ)「あの地獄の雰囲気の中、よく追加注文できたわよねアンタ・・・」
冬実(ふゆみ)「あのポンコツ課長、無能を極めし者のクセに威張るなっての!」
冬実(ふゆみ)「あとちょっとで「この中で一番仕事できないのアンタなんですけど?」って教えるところだったわよ」
千夏(ちなつ)「あの人怒ってる時、めっちゃキャンキャン言っててチャウチャウぽくないすか?」
千夏(ちなつ)「あれカワイイっすよね~ 和む~」
冬実(ふゆみ)「いや、可愛くはないわよ」
千夏(ちなつ)「昔、近所に居たんすよー!ああいう課長・・・じゃなかった、ああいう犬!」
冬実(ふゆみ)「かなり高い次元で課長と犬を同一視してるのはわかったわ・・・」
冬実(ふゆみ)「そもそも、職場が暑すぎるからみんなイライラしてんのよ!」
冬実(ふゆみ)「あのエアコン、音ばっかりやたらうるさくてそよ風すら吹いてこないじゃない」
冬実(ふゆみ)「エアーコンディショナーじゃなくてエアプコンディショナーなんじゃないの?」
千夏(ちなつ)「20年選手のおじいちゃんエアコンに向かってエアプは草っすね~」
冬実(ふゆみ)「そうね、むしろ大ベテランだったわね 早く殿堂入りして後進に道をゆずってくれないかしら」
千夏(ちなつ)「てか、あそこまで汗かくともう逆に気持ちいいっすよね!」
千夏(ちなつ)「おかげでこの夏3キロ痩せたんすよ~」
千夏(ちなつ)「勤務時間中に天然サウナとか効率最高っすね!」
冬実(ふゆみ)「どういう神経回路のつなぎ方すれば、アレを気持ちいいと思えるのよ・・・」
千夏(ちなつ)「給湯室の氷で顔冷やしてから席に戻る、って4~5回繰り返すのオススメっすよ!」
千夏(ちなつ)「だんだん『整って』くるんで!」
冬実(ふゆみ)「アンタ、仕事中にぶっ倒れるのだけはやめてよ?」
冬実(ふゆみ)「それにしても、暑さで体力削られてるのに社食のメニューのショボさときたら・・・」
千夏(ちなつ)「あの素朴さは現代では貴重っすよね~!」
冬実(ふゆみ)「どこまで具材減らせるかのチャレンジ中なの?」
冬実(ふゆみ)「1週間買い物してない時の冷蔵庫の残り物の方が、まだ立派な料理作れるわ!」
千夏(ちなつ)「アレ食べると、日頃どれだけ多くのモノを体に流し込んでるかに気付くっすよね」
千夏(ちなつ)「デトックスの極みってカンジでマジ感謝~!」
冬実(ふゆみ)「そんな高尚なモンじゃないと思うけど」
千夏(ちなつ)「弥生時代の食事とか、こんな風だったのかな~って」
千夏(ちなつ)「感じるっすね、太古のロマン!」
冬実(ふゆみ)「オフィスビルの一角で感じていいバイブスではないわね・・・」
冬実(ふゆみ)「それにさぁ、なんで同じメニュー頼んでも毎回味が違うのよ!」
冬実(ふゆみ)「レシピって概念教えてあげたら腰抜かすんじゃないの!?」
千夏(ちなつ)「社食ガチャ、ドキドキっすよね~!」
千夏(ちなつ)「あの低確率に賭けて課金するスリルが、最高のスパイスなんすよね~」
冬実(ふゆみ)「ランチ代払う事を『課金』とか言わないでよ」
千夏(ちなつ)「それがアタシ、こないだ超レアもの引いちゃったんすよ!」
千夏(ちなつ)「あれはマジヤバかった~!」
冬実(ふゆみ)「あの弥生時代レベルの社食でそんなに美味しいものが・・・!?」
千夏(ちなつ)「なんと!ほんのりケチャップ味のうどん!」
冬実(ふゆみ)「悪い方の低確率じゃない!」
千夏(ちなつ)「いや~マジウケたっすよ~ あれはURでしたね!」
冬実(ふゆみ)「ゆーあーる?」
千夏(ちなつ)「ウルトラレアの略っす!」
冬実(ふゆみ)「うどんレクイエムの略とかかと思ったわ」
千夏(ちなつ)「うどんに送る鎮魂歌~!荘厳っすね~!」

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コメント

  • ラストの一言で全部持っていかれました! 思い返すと、去っていく人はこんな感じですね…。職場で愚痴を言う人がいたら、この話を真っ先に思い出しそうです。笑

  • 会社内で起こりうるあらゆる事象に対して、見解が真逆のふたりがポンポンとキャッチボールのように台詞を投げ合う怒涛のテンポ感、その見解ひとつひとつも凝っていてくすっと笑えて、読み応えのあるワンシーンでした…!!

  • 面白かったです!☺️これはっ!よくここまで正反対に!面白い2人だなぁーからの!
    まさかの最後の一言で、わぉ!ってなりました!
    気持ちのいい作品でした!☺️

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